Green

緑が生活の中心にある暮らし自然に包まれた鎌倉山の庭には
念願のアトリエも

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建築と庭の経験を活かしたリノベーション

緑豊かな鎌倉山の一軒家をリノベーションした塙 麻衣子さん。土地の広さは約210坪。夫と子ども二人の、家族四人で暮らしている。

「家族でゆっくりとした時間を過ごしたくて、庭付きの家を探していました。この鎌倉山の家は偶然見つけたものだったのですが、一目で気に入ってしまいました」

麻衣子さんは大学時代に建築を学び、卒業後は家具メーカーへ。そこで夫の正樹さんと出会う。その後は夫はアパレルの道へ。麻衣子さんは住宅プランナーとして忙しい日々を送っていた。
「下の子どもが生まれた時、もっと自然な暮らしがしたいと強く思って、気がつけば植木職人に弟子入りを志願していました」
麻衣子さんと植物との関わりは、そこからがスタートだったそうだ。

この鎌倉山の家のリノベーションは、そんな麻衣子さんのこれまでの経験がフルに活かされている。家は建築ソフトを駆使してプランを考え、植木職人の元で学んだことを使って庭作りを進めた。


照明用のレールを利用して、植物を飾っている。ボリュームのあるドライフラワーや、ホオズキのオレンジ色がアクセントに。
照明用のレールを利用して、植物を飾っている。ボリュームのあるドライフラワーや、ホオズキのオレンジ色がアクセントに。
工場用の時計は動力を交換して電池で動くように改造した。壁のシルクスクリーンは、イヴァン・ヒーコックのもの。
工場用の時計は動力を交換して電池で動くように改造した。壁のシルクスクリーンは、イヴァン・ヒーコックのもの。


手前は照明作家の谷 俊幸さんのワッパランプ。曲げワッパを使った作品で、夜は壁や天井を照らす光の帯が美しい。
手前は照明作家の谷 俊幸さんのワッパランプ。曲げワッパを使った作品で、夜は壁や天井を照らす光の帯が美しい。
食卓テーブルをポール・ヘニングセンのペンダントライトが照らす。壁のリースはBEAMSで行うワークショップのために制作。
食卓テーブルをポール・ヘニングセンのペンダントライトが照らす。壁のリースはBEAMSで行うワークショップのために制作。


リノベーションの際に残した柱に、ドライフラワーや民芸品を飾って。
リノベーションの際に残した柱に、ドライフラワーや民芸品を飾って。
タイルの貼り方がおもしろい。「規則性はあるのですが、見ていて飽きないように、設計用ソフトを使ってプランを考えました」
タイルの貼り方がおもしろい。「規則性はあるのですが、見ていて飽きないように、設計用ソフトを使ってプランを考えました」


複数個購入でスタイリッシュにディスプレイ

鎌倉山に見つけた築40年の家をリノベーションすることにした塙さん。
「その前に住んでいたマンションを売ってここを手に入れたので、住みながらのリノベーションでした。キッチンなし、風呂なしの状態です。住みながら作業を進めることができたので、実際に建物を見ながら、この柱は残そうなど、決めていくことができたのはとても良かったと思います」
ここはレンタルガーデンスタジオ「KAMAKURAND」として使われる。

広々とした土地には、塙さん夫妻が手がけるボタニカルブランド「The Landscapers(ザ・ランドスケーパーズ)」の念願のアトリエも完成。
「もともとは鬱蒼としたジャングルのような状態だったのですが、柚子、梅、枇杷、金木犀と、残す樹を決めて、残りはダンプカーを使って運び出しました。15台分にもなったんです。そうしてできた場所に大谷石のアトリエを建てました」

階段を作り、芝生を貼り、塀を建て、広々としたデッキの下には温室も完成。子どもたちのすぐ側で、「ザ・ランドスケーパーズ」のための制作ができる理想の環境を作ることができた。


庭に大谷石を使ったアトリエを建てた。ここで「ザ・ランドスケーパーズ」の商品が作られる。
庭に大谷石を使ったアトリエを建てた。ここで「ザ・ランドスケーパーズ」の商品が作られる。
バルコニーの下に作った温室の中には、エアプランツがぎっしり。冬でも10度を下回らないように管理されている。
バルコニーの下に作った温室の中には、エアプランツがぎっしり。冬でも10度を下回らないように管理されている。
リース制作の準備をする塙 麻衣子さん。「剪定したフジの枝を捨てずにとっておきます。水に浸けて柔らかくしてから巻きます」
リース制作の準備をする塙 麻衣子さん。「剪定したフジの枝を捨てずにとっておきます。水に浸けて柔らかくしてから巻きます」


温室の壁際にはセダムが育つ。同じグリーンでも、種類によって色味が様々なのが楽しい。
温室の壁際にはセダムが育つ。同じグリーンでも、種類によって色味が様々なのが楽しい。
レンガ造りの塀の上に土を入れるスペースを作り、ローズマリーなどを植えている。
レンガ造りの塀の上に土を入れるスペースを作り、ローズマリーなどを植えている。
ガラス張りの温室はテラスの下に作られている。その横には子どもたちのためにブランコを設置。
ガラス張りの温室はテラスの下に作られている。その横には子どもたちのためにブランコを設置。


歩いてすぐの場所にショップも完成

去年の8月、アトリエのある自宅から歩いてすぐ近くの場所に、「ザ・ランドスケーパーズ」のプロダクトを扱うショップ、『AROUND(アラウンド)』をオープン。

「もともとここは鎌倉山の有名なパン屋さんでした。アトリエからも近いし、倉庫も作ることができる広さの素敵な建物。ここができる前は卸だけだったので、お客様から、お店はないんですか?というお問い合わせをたくさんいただいていました。アンティークの家具があったり、本が並んでいるような、私たちがいいなと思える空間の中にグリーンを置くことができました。土日だけのオープンですが、鎌倉にいらっしゃった際には是非お寄りください」


『アラウンド』は、ライフスタイルの中に植物を取り入れるイメージを作りやすい店内になっている。
『アラウンド』は、ライフスタイルの中に植物を取り入れるイメージを作りやすい店内になっている。
このまま買ってすぐに飾ることができるエアプランツが中心の品揃えになっている。
このまま買ってすぐに飾ることができるエアプランツが中心の品揃えになっている。


裁縫箱に、小さなエアプランツが並べられている。このアイディア、ぜひ真似したい。
裁縫箱に、小さなエアプランツが並べられている。このアイディア、ぜひ真似したい。