花と緑に囲まれてオリジナルの感性を家族で表現する家

花と緑に囲まれてオリジナルの感性を
家族で表現する家

花との生活を愉しむ

坂の上の陽だまりに佇む家。花生師として活動する岡本典子さんが家族と暮らす家は、いつもグリーンや花で満たされている。

「お花がない生活は落ち着かなくて、考えられません。花中毒ですね」

玄関先の花壇に始まり、廊下、リビング&ダイニング、トイレ…、どこも植物に彩られている。しかし、ただ華やかなだけではない。洗練された、創造性豊かな空間が、そこには広がっている。

「私が選ぶお花は、ぱっと見てきれいなものというより、アースカラーなどの地味なものが多いですね。姿のいい花よりも、少し茎が歪んでいるものの方が動きがあって面白いし、咲ききった時の美しさではなくて、やがて枯れて朽ちていく、その過程に花の色気を感じます」


夫の聡さん、長女・ことりちゃん(3歳)、長男・陸翔くん(5歳)、後ろの扉は、子供たちが協力してペンキ塗りをした。

夫の聡さん、長女・ことりちゃん(3歳)、長男・陸翔くん(5歳)。後ろの扉は、子供たちが協力してペンキ塗りをした。

アンティークのテーブルや椅子が植物になじむ。

アンティークのテーブルや椅子が植物になじむ。

美容室で使われていたキャビネットに、ドライフラワーやことりちゃんのレオタードをディスプレイ。

美容室で使われていたキャビネットに、ドライフラワーやことりちゃんのレオタードをディスプレイ。

あふれる花とグリーンに癒される。夜は照明を落とし、幻想的な雰囲気。

あふれる花とグリーンに癒される。夜は照明を落とし、幻想的な雰囲気。


アンティークを活かして改造

そんな岡本さんの感性で満たされた家は、5年前に購入した中古物件に、少しずつ手を加えていったもの。まず玄関では、ヨーロッパ調の重厚な木製ドアが出迎えてくれる。

「アンティークショップを廻って見つけたドアに、外側は黒、内側は明るさが出る白で、わざとクラックが入るように塗装しました。夫がDIY好きなので、とても助かっていますね」

リビングに入るドアもアンティーク。朽ちて錆びつき、腐食した雰囲気が、この家のインテリアや植物とよくなじむ。端材は、これもDIYで壁に取り付け、子供用の本棚として利用した。

「使い込まれた扉が好きで、ネットなどで探して買いためています。古いものと花との組み合わせに魅力を感じますね」


玄関のドアは、リースをかけて映えるものを選んだ。

玄関のドアは、リースをかけて映えるものを選んだ。

玄関をあがると、多種多様な植物が咲き乱れる。

玄関をあがると、多種多様な植物が咲き乱れる。

リビングのドア。枠つきで購入したものを取り付けた。

リビングのドア。枠つきで購入したものを取り付けた。

典子さんがコーディネート。パネルは子供たちの足跡を型どったもの。

典子さんがコーディネート。パネルは子供たちの足跡を型どったもの。


DIYで漆喰の壁に

アンティークショップで買った、パンをこねるための台をテーブルに。美容院で使われていたというキャビネット、モデルの友人からゆずってもらった、塗装の剥げ落ちたテーブルなどに、花やグリーンをデコレーション。アンティークの時計や照明器具も、経年変化の趣を添える。

「壁は普通のクロス貼りが嫌で。夫にクロスの上から漆喰を塗ってもらいました。ペイントは雑でもいいんです。でこぼこした感じの方が、味わいが出ると思います」

とはいえ、その出来栄えは、プロの職人さんが「素人とは思えない!」と言ったほど。完成度の高い手作業が、味わいと温かみを醸し出している。そして壁面や天井、部屋のコーナーなど、至るところを生花やドライを使い、オリジナルの感性でコーディネート。どこを切り取っても絵になる空間だ。


錆びたドアや脚立も大切なインテリア。

錆びたドアや脚立も大切なインテリア。

トイレにも花は欠かさない。目の高さにディスプレイ。

トイレにも花は欠かさない。目の高さにディスプレイ。

照明にもドライフラワーを組み合わせて繊細に。

照明にもドライフラワーを組み合わせて繊細に。

キングプロテアのドライフラワー。

キングプロテアのドライフラワー。

季節感を活かして。今ならムシカリがおすすめ。

季節感を活かして。今ならムシカリがおすすめ。

アンティークが活かされたベランダも、ヨーロッパの雰囲気。

アンティークが活かされたベランダも、ヨーロッパの雰囲気。

子供が倒さないようにガードしつつ、階段もコーディネート。

子供が倒さないようにガードしつつ、階段もコーディネート。

アンティークの額縁に、植物図鑑の1ページを飾る。

アンティークの額縁に、植物図鑑の1ページを飾る。

色鮮やかなラナンキュラス。

色鮮やかなラナンキュラス。

多肉植物も、こんなに鮮やか!

多肉植物も、こんなに鮮やか!


家族でつくりあげる家

「この家を選んだ理由のひとつが、いじりがいがある、ということでした。まだ作業途中なのですが、地下室や屋根裏部屋があるので、そこを改装していきたいと思っています。特に地下は涼しいので、これからの節電を考えると、花を移動してディスプレイルームにしてもいいですね」

現在は、2階のベッドルームに、少しずつ木材の床を敷きつめている。

「高台にあり、2階の窓からの見晴らしがいいので、これを活かさないのはもったいないなと。だからここを、子供中心にみんなで集える、第2のリビングルームにしたいと思いつきました。床を敷いたら、黒のペンキで少し剥げた感じを残しながら重ね塗りしていくつもりです」

作業には、陸翔くん、ことりちゃんも参加。家づくりに参加することが、子供たちにとってもよい経験となり、思い出となる。

「うちは花を中心とした生活をしていますが、私が好きだからといって、子供にそれをすすめることはしたくないんです。私たちがやっていることを見て、子供自身に生活を楽しむ気持ちを、肌で感じてほしいと思っています」


H.P.DECOのイベント「花サーカス」で使ったテント。子供たちの遊び場に。

H.P.DECOのイベント「花サーカス」で使ったテント。子供たちの遊び場に。

2階では、第2リビング計画が進行中。

2階では、第2リビング計画が進行中。

ベビーチェアは1900年代のアンティーク。

ベビーチェアは1900年代のアンティーク。


自由な発想を取り入れて

今、岡本さんは赤ちゃん連れでも参加できるワークショップを開催している。

「子供が小さいと余裕がないけれど、そんな中でもお花を楽しんでもらえたらうれしいという気持ちでやっています。それは、特別な日に豪華なお花を買ってきて活けるということではないんです。日々の暮らしの中で、毎日1本でも気に入ったお花を取り入れてもらえたなら、それが本当の贅沢だと思うんです」

日常の中のちょっとしたアイデアが、生活に彩りを与える。岡本さんのリビングでは、ラナンキュラス、スカビオサなど存在感のある花から、パセリやケールなどの野菜類も、素材として立派に活躍。

「野菜も鑑賞用として楽しんでいます。花瓶もミルク瓶だったりピッチャーだったり。構えてやる必要はないんですね。身近な食器や素材を使って取り入れるだけで、生活が豊かになると思います」

苔を敷きつめたガラスのトレーの上に、お菓子を載せてお客さんをおもてなし。自由な発想で生活を愉しむ。そんなライフスタイルの悦びが伝わってくる。


岡本典子さん。花を取り入れた生活を提案。 http://www.tiny-n.com

岡本典子さん。花を取り入れた生活を提案。
http://www.tiny-n.com/

保存瓶や飲料瓶など、あるものを使って素敵にアレンジ。花はチューリップの原種など。

保存瓶や飲料瓶など、あるものを使って素敵にアレンジ。花はチューリップの原種など。

苔をクロス代わりに。ティータイムの絶妙アイデア。

苔をクロス代わりに。ティータイムの絶妙アイデア。