葉山の海を一望お菓子も作れるカフェになる工夫を凝らしたキッチン

葉山の海を一望お菓子も作れるカフェになる
工夫を凝らしたキッチン

葉山の森戸神社近くの人気カフェ「cafe manimani」の土屋由美さんのご自宅を訪問させていただいた。優しい空気感と、ゆったりくつろげる雰囲気は、manimaniらしさそのまま。葉山の海を一望できるダイニングは、東南アジアのリゾートにいるような気分になれる。

「私は古い家具の温もりが感じられるインテリアが好きなのですが、主人は都会的な無機質な空間が好み。なので家を建てる時は、ずいぶんケンカしました(笑)。1階を主人好みのRC造、2〜3階は湘南の潮風も柔軟に受け止める木造という構造にしました」

設計は建築家の阿部勤。
「manimaniに阿部先生の設計を取り上げた建築の絵本が置いてあったのですが、その絵本を作ったプロデューサーのご紹介で、憧れの阿部先生に建てていただくことがました。RCの住宅やキッチンに造詣が深く、いいものを作り長く愛するという建築に対する姿勢も素敵で、ほんとうに先生に設計していただいて良かったと満足しています」


葉山の傾斜地を生かして建てられた家。海を臨む気持ちのいい眺望を楽しめるよう、窓を四方に確保している。

葉山の傾斜地を生かして建てられた家。海を臨む気持ちのいい眺望を楽しめるよう、窓を四方に確保している。

海を眺めながらイスに座ってのんびり。「家具の配置を変えるのが好きです。部屋の雰囲気も変わるし、リフレッシュします」

海を眺めながらイスに座ってのんびり。「家具の配置を変えるのが好きです。部屋の雰囲気も変わるし、リフレッシュします」


3階からの眺め。目の前に広がる葉山の海の向こうには江ノ島が。さらにその向こうに富士山が見える。

3階からの眺め。目の前に広がる葉山の海の向こうには江ノ島が。さらにその向こうに富士山が見える。

気持ちのいい3階のテラス。窓を開け放てば、室内と外がゆるやかにつながる空間となる。

気持ちのいい3階のテラス。窓を開け放てば、室内と外がゆるやかにつながる空間となる。

キレイなピンクが窓辺に春を運んでくれるヒヤシンス。土屋さんのお宅には、たくさんのグリーンやお花が飾られている。

キレイなピンクが窓辺に春を運んでくれるヒヤシンス。土屋さんのお宅には、たくさんのグリーンやお花が飾られている。


お菓子の販売もできるようにキッチンを設計

建物の建て替えのため、森戸神社前の「cafe manimani」は惜しまれながら閉店となってしまったが、土屋さんはこの家をカフェとしても使えるように設計したそうだ。

「カフェはキッシュを焼いてお出しできるのですが、たとえばアンパンを作ってお持ち帰りいただくには、袋詰めして販売するための許可が別に必要なんです。キッチンにシンクが5つあったり、引き戸で囲える空間を作ったりしているのは、その両方ができるように設計したからです」

キッチンには業務用の冷蔵庫や食洗機、ガスレンジなどが並ぶ。

「大きな鍋や、キッシュの台を何十枚も入れておきたいとなると、やはり業務用の冷蔵庫が重宝します。2分で洗ってくれる食洗機は、頼もしい相棒ですね」


法律に準じたキッチンの設計で営業許可を取得しているので、おいしそうなマフィンやクッキーを販売もできる。

法律に準じたキッチンの設計で営業許可を取得しているので、おいしそうなマフィンやクッキーを販売もできる。

奥はステンレス製、手前の御影石のカウンターではパスタなどを打つ。「御影石は水に強く、大理石より手入れがラクです」

奥はステンレス製、手前の御影石のカウンターではパスタなどを打つ。「御影石は水に強く、大理石より手入れがラクです」


引き戸を閉めれば、独立した閉鎖空間を作ることができる。クッキーなどの粉ものの袋詰め販売には必要なルールなのだとか。

引き戸を閉めれば、独立した閉鎖空間を作ることができる。クッキーなどの粉ものの袋詰め販売には必要なルールなのだとか。

手作りのお汁粉を取材スタッフにふるまう由美さん。月に1〜2回、このスペースで料理教室を開催中。

手作りのお汁粉を取材スタッフにふるまう由美さん。月に1〜2回、このスペースで料理教室を開催中。

大型の鍋を入れられる業務用の冷蔵庫も、約2分で洗い上げるプロ仕様の食洗機も、由美さんにはなくてはならないアイテム。

大型の鍋を入れられる業務用の冷蔵庫も、約2分で洗い上げるプロ仕様の食洗機も、由美さんにはなくてはならないアイテム。

お汁粉には酒粕が入っていて、深みのあるお味。甘さ控えめで、とってもおいしくいただきました。ありがとうございます!

お汁粉には酒粕が入っていて、深みのあるお味。甘さ控えめで、とってもおいしくいただきました。ありがとうございます!

「古い家具が大好きです。譲っていただいたテーブルに掘ってあった文字や絵には、新しいものにはない味があります」

「古い家具が大好きです。譲っていただいたテーブルに掘ってあった文字や絵には、新しいものにはない味があります」

左側の陶器は、陶芸家の姉、つちやまりさんの作品。「食器はしまい込まず、見える場所に置いて取り出してすぐ使いたい派です」

左側の陶器は、陶芸家の姉、つちやまりさんの作品。「食器はしまい込まず、見える場所に置いて取り出してすぐ使いたい派です」


葉山の傾斜地ならではの楽しさを

葉山の高台の傾斜地を上手く利用して建てられた土屋さん宅。車道に面した1階はガレージ、海が見渡せるダイニングを3階に。さらにその上の山側の最上階にも部屋が作られている。

山側の小道には、テラスのウッドデッキを延長させて橋を渡している。カフェを営業していない時間は橋を上げておけば、お客様が迷って入る心配もない。

「実は当初の設計案では、ダイニングの床がもう少し低かったんですね。でもカフェテーブルに座った時にも海が見えるようにしたいと考えて、床面を上げました。実は『座っても見えるようにしたほうがいいんじゃない?』って気づいたのは私ではなくて主人なんです(笑)。気づいてくれて、とても感謝しています」

1階の天井がとても高い。
「将来的にここを暮らしの拠点にできるように、ロフトを作ったり、キッチンも作れるようにしてあります。
家ができて5年経ちましたが、玄関やエントランスにタイルを貼りたいとか、庭にも手を入れたいとか、やりたいことがまだまだたくさんあります。そんなことを少しづつ楽しみながら、長くこの家で暮らしていきたいと思っています」


段差が空間をゆるやかに分けている。「床面を上げることで、イスに座って目線が低くなった時にも海が見えるようにしました」

段差が空間をゆるやかに分けている。「床面を上げることで、イスに座って目線が低くなった時にも海が見えるようにしました」

1階のお気に入りの窓辺。「設計の阿部勤先生が、ミリ単位にまでこだわって、窓の大きさと場所を決めてくださいました」

1階のお気に入りの窓辺。「設計の阿部勤先生が、ミリ単位にまでこだわって、窓の大きさと場所を決めてくださいました」

最上階の部屋。東南アジアの家を思わせる天井が落ち着く。「息子がここのベッドが好きなので、親子でここで寝てしまうことも」

最上階の部屋。東南アジアの家を思わせる天井が落ち着く。「息子がここのベッドが好きなので、親子でここで寝てしまうことも」



1階はRC造。「天井が高いので、ここにロフトを作ってもいいかなと思っています」

1階はRC造。「天井が高いので、ここにロフトを作ってもいいかなと思っています」

 海側の車道と、山側の小道からの、両方からのアクセスが可能な傾斜を生かした造り。カフェへは山側から入る。

海側の車道と、山側の小道からの、両方からのアクセスが可能な傾斜を生かした造り。カフェへは山側から入る。

カフェがお休みの時は、小道とカフェを結ぶ橋を上げておけば、間違えて入る人もいなくなる。

カフェがお休みの時は、小道とカフェを結ぶ橋を上げておけば、間違えて入る人もいなくなる。