自宅で料理教室を開く  アンティーク家具は家族の一員  国や時代をミックスして楽しむ

自宅で料理教室を開く アンティーク家具は家族の一員
国や時代をミックスして楽しむ

地元・西荻窪で子育て

地元・西荻窪に4年前に家を建てた料理研究家の尾田衣子さん。結婚して子どもが生まれ、「自分が生まれ育った環境で子育てをしたい、家を建てるなら西荻窪」と思うようになったそうだ。「ここから実家まで歩いて7分くらいなんです。私が行っていた幼稚園に、今息子が通っているんですよ」。衣子さんと話していると、地元愛がひしひしと伝わってくる。「夫も西荻窪に住んでいたこともあり、賛成してくれました。そこで、家を建てようと決めてから、毎週のように家族で土地を見に行きました。探し始めて半年目くらいにこの場所が出ていたので即決したんです」。

家を建てる前、同じく西荻窪のマンションに住んでいた頃は、渋谷にマンションを借りて、そこで料理教室をしていたそう。「家を建てることになった時に、教室を自宅でやりたいと思って、だいぶプランを変えてもらいました」。キッチンカウンターは上の部分を取り払い、フルオープンの対面式に。システムキッチンはメーカーで一番大きなものを入れ、通路の幅も広くした。「大きなテーブルを入れたかったのでダイニングを広くして、その分、和室を6畳から4畳半にしたりもしました」。


明るくて広々とした玄関。玄関の棚には季節のしつらえを施して料理教室の生徒さんやお客様を迎えるそう。

明るくて広々とした玄関。玄関の棚には季節のしつらえを施して料理教室の生徒さんやお客様を迎えるそう。

訪れた時に飾られていた木目込みのお雛様は、なんと衣子さんのお母様が50年ほど前に作ったもの。額の絵も季節毎に取りかえる。

訪れた時に飾られていた木目込みのお雛様は、なんと衣子さんのお母様が50年ほど前に作ったもの。額の絵も季節毎に取りかえる。


使い勝手よく作りあげたダイニングキッチン。天井が吹き抜けのため、開放感がある。キッチンの色味は他の家具にあわせてチョイス。北海道民芸の椅子は「北民色」と呼ばれる濃い色合いが美しい。

使い勝手よく作りあげたダイニングキッチン。天井が吹き抜けのため、開放感がある。キッチンの色味は他の家具にあわせてチョイス。北海道民芸の椅子は「北民色」と呼ばれる濃い色合いが美しい。

和室にあわせたのは日本の民芸家具たち。和紙で出来た楽しいデザインの照明は、衣子さんのお父様が買われたもの。

和室にあわせたのは日本の民芸家具たち。和紙で出来た楽しいデザインの照明は、衣子さんのお父様が買われたもの。


守り神のようなテーブル

この家でまず目をひくのが、なかなか見かけない特大サイズのダイニングテーブル。エクステンションタイプで両方とも広げると2m60cmにもなる。威風堂々としていて何やらストーリーを抱えていそうだ。「このテーブルにはとても愛着があるんです。11年位前に料理教室を始めた時から使っていて、この上でずっと仕事をしてきました」と衣子さん。西荻窪のアンティーク家具店に「大きいのが出たら教えて欲しい」とお願いしておいて購入したもので、英国のアンティークだそう。「家の中で好きな場所はどこですか?」と尋ねると「このテーブルです」という答えが返ってきた。


英国アンティークのテーブルは、あえて塗装をせずに、味のある経年変化も楽しむ。両側が伸ばせる仕様で今は片側を伸ばした状態。「日本のものを組み合わせたら面白いかなと思って、北海道民芸の椅子を選びました。座ると少しテーブルが高く感じるんですけどそれもまた良しかな」。

英国アンティークのテーブルは、あえて塗装をせずに、味のある経年変化も楽しむ。両側が伸ばせる仕様で今は片側を伸ばした状態。「日本のものを組み合わせたら面白いかなと思って、北海道民芸の椅子を選びました。座ると少しテーブルが高く感じるんですけどそれもまた良しかな」。


家具の好みは父の影響

ダイニングテーブルの他にも、食器棚にソファー、テレビ台など、尾田邸の家具はどれも重厚で個性的な味わいのものばかり。一つひとつについて説明してくれながら、衣子さんはこう教えてくれた。「うちの父が家具大好きで、アンティークや日本の民芸家具を集めていたんです。私もそれに洗脳されたのか(笑)、アンティークや民芸家具好きになりました。我が家の家具には、父から譲り受けたものやもらったものが沢山あります」。

国や時代がそれぞれに異なっても、空間に見事にマッチしているのは流石のセンス。「アンティークや民芸家具は、つくりがしっかりしていて長く使えるのがいいところ。年月が経つにつれ愛着がわいてきます」。西荻窪にはアンティークや骨董を扱うお店が多いのも、衣子さんの地元愛の理由のひとつだ。


重厚なつくりの松本民芸の棚は本棚兼飾り棚に。料理やお酒の本が並ぶ。

重厚なつくりの松本民芸の棚は本棚兼飾り棚に。料理やお酒の本が並ぶ。

リビングのソファーは北海道民芸。掛けられた「ジャックと豆の木」の絵は衣子さんのお父様が描いたものだそうで、絵本作家・武井武雄さんの絵を模写している。

リビングのソファーは北海道民芸。掛けられた「ジャックと豆の木」の絵は衣子さんのお父様が描いたものだそうで、絵本作家・武井武雄さんの絵を模写している。

窓が多くて明るいリビング。テレビを置いた台は西荻窪のアンティークショップで買ったもので、珍しい六角形。

窓が多くて明るいリビング。テレビを置いた台は西荻窪のアンティークショップで買ったもので、珍しい六角形。

シチズンの振り子時計はお父様からの新築祝い。「ここに付けて」と場所を指定されたそう。

シチズンの振り子時計はお父様からの新築祝い。「ここに付けて」と場所を指定されたそう。


愛用の食器棚は、衣子さんとお兄様が結婚したらひとつずつあげよう、と衣子さんが生まれた時にお父様が2つ買っていたもの。松本民芸の品。

愛用の食器棚は、衣子さんとお兄様が結婚したらひとつずつあげよう、と衣子さんが生まれた時にお父様が2つ買っていたもの。松本民芸の品。


自宅兼料理教室の可能性は無限大

衣子さんが生み出す料理の世界は、イタリアやフランスの家庭料理をベースに、おもてなし料理、家飲みレシピ、美味しくて見た目もかわいいお弁当など実に多彩。渋谷のマンションで教室をしていた頃から続けて教室に通っている生徒さんもいるそうだ。教室の場を自宅に移してからは、親子で一緒に参加できる料理教室も開催。「子どもに何を担当してもらうかを考えるので、大人だけの料理教室より準備が大変なんです」と楽しげに教えてくれた。

「昨年の冬にオリーブオイルソムリエの資格をとったので、この春からはオリーブオイルの教室も始める予定です。さらに、家が道路に面しているので、自宅を活用してオリーブオイルの小さなショップができたらいいな、と目論んでいます」と衣子さん。息子さんの成長、味わいを増していく家具たち、衣子さんの料理教室の新たな展開――これからの楽しみが尽きない家だ。


コーヒー好きで、素敵なコーヒーカップを揃える衣子さん。「色々な場所へ行った時にひとつずつ買ってきたりします」。窓の上の絵も西荻窪の骨董屋で購入。「スペイン料理のお店に飾ってあったもので、木に直接描かれているんです」。

コーヒー好きで、素敵なコーヒーカップを揃える衣子さん。「色々な場所へ行った時にひとつずつ買ってきたりします」。窓の上の絵も西荻窪の骨董屋で購入。「スペイン料理のお店に飾ってあったもので、木に直接描かれているんです」。

小物を置いたりカップをかけたり。使いやすそうなキッチンの棚は衣子さんのお父様の手製。穴が空いた壷はスペイン製で、元は玉ねぎやじゃがいもを保存するためのもの。右のスープ入れはフランスのアンティーク。

小物を置いたりカップをかけたり。使いやすそうなキッチンの棚は衣子さんのお父様の手製。穴が空いた壷はスペイン製で、元は玉ねぎやじゃがいもを保存するためのもの。右のスープ入れはフランスのアンティーク。

トイレの鏡をよく見ると、卓上鏡を上下反対に取り付けている。上に物を置くことが出来るように、との自由で楽しいアイデア。

トイレの鏡をよく見ると、卓上鏡を上下反対に取り付けている。上に物を置くことが出来るように、との自由で楽しいアイデア。

駅から歩いて7分程にも関わらず、落ち着いた環境。家の周りにはローズマリーを植えていて、料理にも使っている。

駅から歩いて7分程にも関わらず、落ち着いた環境。家の周りにはローズマリーを植えていて、料理にも使っている。

オリーブオイルソムリエのディプロマ。「オリーブオイルって本当に奥が深いんです」と衣子さん。

オリーブオイルソムリエのディプロマ。「オリーブオイルって本当に奥が深いんです」と衣子さん。

衣子さんの最近の著書。ヨーロッパのおばあちゃんの知恵という、余ったパンをおかずやスイーツに変身させるレシピを紹介。

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