アイデアが効いた古民家の改築変わった間取りを楽しんで暮らす

アイデアが効いた古民家の改築変わった間取りを
楽しんで暮らす

一目見て引っ越しを決めた

「この家の間取り図をネットで見つけたときに、どんな家なのか想像ができなかった。とても興味が沸いて内見に行ったところ、気に入って即決しました」。

フォトグラファーの大介さんとエディターの菜穂子さんが暮らす家は、中野区の住宅街の旗竿地に建つ。周りを他の家に囲まれているため外観全体を見ることはできないが、築60年以上経つ民家を2軒つなぎ合わせたユニークな構造だ。


1階の洋室。書架をつくりテレビを置き、リビングとして使っている。

1階の洋室。書架をつくりテレビを置き、リビングとして使っている。

1階のリビングから2階のロフトを見る。ロフトでは明るい日差しを浴びながら読書をすることが多いそう。

1階のリビングから2階のロフトを見る。ロフトでは明るい日差しを浴びながら読書をすることが多いそう。

リノベーションの際に構造上残った1m四方ほどのスペース。「この間ふとひらめき、金魚を飼う場所にしました」(大介さん)。

リノベーションの際に構造上残った1m四方ほどのスペース。「この間ふとひらめき、金魚を飼う場所にしました」(大介さん)。


吹き抜け部分から日の光が届き、旗竿地とは思えないくらい明るい。壁に飾られた写真はフォトグラファーである大介さんの作品。

吹き抜け部分から日の光が届き、旗竿地とは思えないくらい明るい。壁に飾られた写真はフォトグラファーである大介さんの作品。

ロフトから1階を見る。残された梁が空間のアクセントに。梁の上には、大介さんの趣味であるビリヤードのキューが置いてある。

ロフトから1階を見る。残された梁が空間のアクセントに。梁の上には、大介さんの趣味であるビリヤードのキューが置いてある。


1階には10畳の洋室と6畳の和室があり、2つの部屋の間は曲がった廊下でつながっている。洋室の上は2階まで続く吹き抜け。昔の家らしく裏口もあり、和室には炉も切ってある。そしてなぜかトイレが1階に2つ。 

階段を上ると、右手にさらに数歩だけ下がる階段があり、その先は8畳の変形ロフト。ここが1階の洋室の上にあたる。左手には12畳のダイニングキッチンがある。 

「大家さんのお話を聞くと、昔は2軒それぞれにキッチンやお風呂、トイレがあって、間取りももっと細かく区切られていたとか。数年前にこの構造にリノベーションしたそうです」(菜穂子さん)。

「2階のロフトは南向きで全面窓。そこからの日差しが1階に落ちるので、旗竿地とは思えないくらい明るいんです。ナイスリノベーションだと思いました」(大介さん)。


1間の立派な床の間がついた和室。ちゃぶ台は菜穂子さんのおばあさまが使っていたもの。

1間の立派な床の間がついた和室。ちゃぶ台は菜穂子さんのおばあさまが使っていたもの。

前の住人が茶道をしていたのか和室には炉が切ってある。「こういうところも古い家ならではの面白さですね」(菜穂子さん)。

前の住人が茶道をしていたのか和室には炉が切ってある。「こういうところも古い家ならではの面白さですね」(菜穂子さん)。

古道具屋さんで見つけたアンティークのトランク。中には家電の説明書などを入れ、収納として活用している。

古道具屋さんで見つけたアンティークのトランク。中には家電の説明書などを入れ、収納として活用している。


2階のロフトには沢山の本とベッドを置いた。手前の椅子は、古いボートの板を再利用した一点もの。

2階のロフトには沢山の本とベッドを置いた。手前の椅子は、古いボートの板を再利用した一点もの。

広々とした2階のダイニングキッチン。テーブル下には備えつけの掘りごたつがしまわれている。流しの手前の床には床下収納もある。

広々とした2階のダイニングキッチン。テーブル下には備えつけの掘りごたつがしまわれている。流しの手前の床には床下収納もある。


アンティーク家具がよく似合う

面白い間取りに惹かれて引っ越しを決めた二人。「一戸建てに住むのは初めてだったので、大いに悩みながら部屋の使い分けを考えたり家具選びをしました。楽しい悩みでしたけれどね」と大介さんは話す。「引っ越して2ヶ月くらいは家具も揃っていなくて、ごはんを食べるテーブルがない!って困っていたら、2階のキッチンの床下から掘りごたつが出てきたりして。本当に面白い家だなあと思いました」(菜穂子さん)。
 
家具や雑貨は、「本当に気に入ったものだけを買おう」と決めて、アンティーク家具屋、古道具屋などで少しずつ揃えていったそう。「歴史を感じる変わった家だからか、アンティークの家具がよく似合うんです。引っ越して半年くらいたって、ようやく一通りの家具が揃いました」とお二人は笑う。


ダイニングテーブルは目黒通りの家具屋に特注したもの。ずっしりとしたアンティークの脚に白いペンキを塗った天板を組み合わせてもらった。シルエットが美しい手前のアンティークの椅子は「ナポレオンチェア」と呼ばれるもの。

ダイニングテーブルは目黒通りの家具屋に特注したもの。ずっしりとしたアンティークの脚に白いペンキを塗った天板を組み合わせてもらった。シルエットが美しい手前のアンティークの椅子は「ナポレオンチェア」と呼ばれるもの。

ダイニングの壁で時を刻むのは80年ほど前の振り子時計。古道具屋で見つけた木箱にはパリ万博の文字。かなり古いものらしい。

ダイニングの壁で時を刻むのは80年ほど前の振り子時計。古道具屋で見つけた木箱にはパリ万博の文字。かなり古いものらしい。

西荻窪のアンティーク家具屋で一目ぼれしたというランプ。

西荻窪のアンティーク家具屋で一目ぼれしたというランプ。


初めてのDIYにはまる

また、大介さんはこの家に引っ越してきてからDIYに目覚めたそう。「今までは電気ドライバーを持ったこともなかったんです。ふと、ここに棚が欲しいなあって思って板をつけてみたら意外と格好よくできた。これは楽しいって思って、飾り棚や洗面所のタオル置きを自作しました」(大介さん)。

菜穂子さんも「ロフトの床が元々白いリノリウムであまり気に入ってなかったので、木の板を敷いて、カラフルなペンキを散らしてみました。楽しい雰囲気になって気に入っています」と教えてくれた。


リビングの棚は大介さんのお手製。小さい方の板は陶芸作品を乾かすために使われていたもので、古道具屋でまとめ買いしたそう。

リビングの棚は大介さんのお手製。小さい方の板は陶芸作品を乾かすために使われていたもので、古道具屋でまとめ買いしたそう。

リビングの壁につけたのは家具屋で台車として10年使われていた板。自然についた塗料がかっこよくて売ってもらったそう。

リビングの壁につけたのは家具屋で台車として10年使われていた板。自然についた塗料がかっこよくて売ってもらったそう。

菜穂子さんが好きなお酒の瓶を並べた収納棚。「奥から酒瓶を照らす照明をつけてみました」(大介さん)。

菜穂子さんが好きなお酒の瓶を並べた収納棚。「奥から酒瓶を照らす照明をつけてみました」(大介さん)。


家への愛着という感情が芽生えた

この家に引っ越すまでは、アパートやマンションに住んできたという二人。ちょっとした庭で植物を育ててみたり、ロフトから階下にいる人を眺めたり、一日に何回も階段を上り下りするのさえも新鮮だと言う。「一戸建てだと、マイホームの感じというか、住みかへの愛着がわきますね。いまだに一日に何回も二人で『いい家だなあ』って言い合っています(笑)」(菜穂子さん)。休日には趣味の麻雀に興じることもあるお二人。「騒音を気にせず思う存分遊べるのも嬉しいですね」(大介さん)。


ダイニングに元々ついていた掘りごたつを活用して麻雀を楽しむ二人。麻雀牌は大介さんの会社の社長が引越し祝いに贈ってくれたものだそう。

ダイニングに元々ついていた掘りごたつを活用して麻雀を楽しむ二人。麻雀牌は大介さんの会社の社長が引越し祝いに贈ってくれたものだそう。