Outdoor
都心で緑を楽しむ新たに設けたサンルームは、
森の中にいるような心地よさ。
公園の隣の土地にひとめぼれ
落ち着いた街並みの住宅街に建つ、三角屋根のスタイリッシュな家。背後には広い公園が広がる抜群の立地は、偶然出会ったものだという。「6年ほど前に近所を散歩していて、ここが売りに出ているのを知ったんです。以前からこのあたりをいいところだなと思っていたこともあって、家を建てるならここしかないと即決しました」と話す。
もともと建築やインテリアが好きだったというSさん。設計は「雑誌などで作品を見ていて、空間に広がりをもたせた作品が多いことに魅かれた」と、田井勝馬建築設計工房に依頼した。依頼にあたっては、Sさんが好きなインテリアや建築、アートなどの写真の切り抜きを集めたフォトブックをつくり、それをもとにイメージをつくっていったという。
シンプルな空間に家具やアートが映える
Sさんの希望は、タイルや無垢の木などの自然素材を効果的に使うこと。また、開口部の造作やフローリングの貼り方にもこだわり、細部まで建築家と相談しながらイメージをつくりあげていった。その結果として、白を基調としたシンプルな空間ながら、あたたかみも感じられる住まいが完成した。
間取りは、縦に長い敷地に光をとりこむために中庭を設け、その中庭を中心に、1階に洗面やバスルームと夫の書斎、2階に寝室とSさんの部屋、メインのリビングダイニングを3階に配した。「公園の木々の緑をめいっぱい楽しめるように、2階の階高を低めに抑え、3階は開放感を感じられるようにしました」。
白をベースとして空間のアクセントとなっているのが、Sさんが選んだ家具やアート。「国も年代もバラバラですが、自分が好きなものを選んでいます」(Sさん)。
森の中で暮らす気分を味わう
家を新築して数年。「住み心地もよくて気に入っていたんですが、ある日雑誌で見た家があまりにも素敵で、どうしてもその家をプロデュースした方に会いたくなったんです」。記事に掲載されたいた情報を頼りに、その家を手がけたRUSTIC GOLDに連絡し、代表の木堂夫妻と会うことに。「私が考えていることを少しお話しただけで、すべてわかってくださって。気になっていた3階のバルコニーの改修をお願いすることにしました」。
「バルコニーの手すり壁が透明なガラスだったので、ときどき公園にいる人と目が合ってしまうので、なんとかしたいなと思っていたんです」。それに対して木堂夫妻が提案したのは、ベランダのスペースを室内として使い、さまざまなシーンに対応できる場とすることだった。床と壁を増築し、公園に面する部分は一面のガラス張りに。「室内の快適性と、窓を開ければ外とつながれる開放感。両方をあわせもつ場所になりました。このサンルームでは、まるで森の中にいるような感覚を味わえるんです」(Sさん)。
自然を感じられる贅沢な空間
シャビーシックな空間づくりを得意とするRUSTIC GOLDらしく、サンルームはつくりこみすぎない雰囲気になっている。外開きの窓は、カナダ製のアンティークで、この窓に合わせてサンルームを設計した。「開けると風が家の中にすーっと入ってきます。いつも窓を開けておけるように、網戸も取り付けていただきました」。床のフローリングや意匠面から取り付けた梁など、使い込まれた木の質感が、新築の住まいのアクセントとなっている。
「テイストの違うものがミックスされて、住まいがより楽しくなりました。このサンルームで朝ごはんを食べたり、夜はお酒をのんだり、ここで過ごす時間が多いですね」と笑顔のSさん。「雪が降った時や、桜の季節なども、サンルームからの景色がとっても素敵なんです。自然をそのまま楽しめる、そんな贅沢な空間になって、心から満足しています」。