森の中の暮らし - 1 - 家族でバーベキューを満喫する緑の中での暮らし

森の中の暮らし – 1 – 家族でバーベキューを満喫する
緑の中での暮らし

西武秩父線の駅から車で10分弱。国道を折れてから傾斜のきつい山道の登り下りがしばらく続く。この家はその山道から少しそれた突き当たりにある。
このあたりは以前、別荘地として分譲された地区で、敷地には、カシやクヌギや山桜といった木々が家を囲むように立っている。裏には清流が流れ、向こう岸には鬱蒼と茂った森が控える。

ここまでめぐまれたロケーションはなかなかないだろう。実際、この家のご主人である落合さんは、この敷地にめぐり合うまで、1年くらいをかけていろいろな場所を探し回ったという。そして、この敷地を訪れたときに、ここだ!と一瞬にしてその魅力の虜になってしまった。 




敷地の裏を流れる清流と庭でのショット。秋には、家の周囲に自生する山栗の木が大量に実を落とす。それを茹でて食べるとすごく甘くておいしいという。また、庭に生えたフキノトウやタラの芽などを食すこともある


鹿の親子に遭遇する場所

「木に囲まれて住みたい、山の中に住みたいという希望が最初にあった。あと、ある程度見晴らしがいいところがいいな、というのもあって、そういう土地ばかりを探していた。そしてこの敷地を見たら自分の中にここでの暮らしのイメージがバーンと浮かんですぐ気に入ってしまったんです」

このような場所にリスやタヌキがいると言っても驚く人はいないだろう。でも、ここで出会うのは彼らばかりではない。時には家の前を鹿の親子が悠々と通り過ぎ、キジが庭を歩くのを見かけることもある。家の北側に設けられた木製デッキの先まで進むと、その下を流れる川の音が大きく耳に響いてくるが、ここでは清流でしか見られないヤマメが泳ぐ。同じくきれいな水を好むホタルがリビングの窓ガラスで光るのを眺めるのは落合家の梅雨時の楽しみのひとつだ。




バーベキューの始まる前にオードブルやサラダなどの用意をする奥さん


自然の中で楽しむバーベキュー&ワイン

「ミヤマクワガタのけっこう大きいのが飛んでくるので、それを手で落としてつかまえるんです」。思わず耳を疑うような、こんな話までご主人の口から出てくる。そうしてつかまえたクワガタを、都心に住む大学時代の友人の子供さんなどに送ってあげるととても喜ばれるのだそうだ。

そんな自然のなかで、家族でバーベキューを楽しむ機会が増えるのは当然のことだろう。家の北側のデッキで、あるいは玄関前のテラスで、春夏は多く、月に2回程度はするという。時にはご主人の大学時代の友人などを呼んでパーティを開き食事やワインを楽しむ。こんな環境でワイングラスを傾ければ、さぞ心地の良い酔いが訪れるのにちがいない。

バーベキューのセットはいつもはテラスに置かれているので、天気の良いときにはそこでちょっとお肉を焼いたりもする。夏休みの時期にはテラスにテーブルを出して朝食をゆっくりと楽しむこともあるという。
 


家の北側の庭で一家そろってのバーベキュー。お肉を焼くのはご主人の担当。開放感のある戸外でお嬢さんたちとの会話も弾む


結婚してもここで暮らしたい

もちろんここでの暮らしもいいことづくめではない。中学1年と高校2年になる2人のお嬢さんは、都心の学校に通うのに毎朝5時に起きる。車で10分弱の駅までの送り迎えは親の役目だ。夏は虫に悩まされ、冬には気温が零下にまで下がり、雪が降れば除雪車が入ることもある。

しかし、都会よりも、ここでの暮らしのほうがいいと家族の誰もが口々に言う。上のお嬢さんは小学生の頃には、結婚してもここで暮らしたいと言っていたという。この家を一度でも訪れたことのある人なら、この話、思わず納得するにちがいない。
 


道路側から見た落合邸。左奥がガレージで、その隣に開いた入口を入ると、その下に、裏庭へと通じる大階段が現れる

すぐ下を川を流れるデッキの先端でグラスを傾けるご夫婦


落合邸 (house ao)

設計 押尾章治/UA
所在地 埼玉県秩父郡
構造 鉄筋コンクリート造 + 鉄骨造
規模 地下1階地上2階
延床面積 181.12㎡