Kitchen
葉山の海を一望お菓子も作れるカフェになる
工夫を凝らしたキッチン
「私は古い家具の温もりが感じられるインテリアが好きなのですが、主人は都会的な無機質な空間が好み。なので家を建てる時は、ずいぶんケンカしました(笑)。1階を主人好みのRC造、2〜3階は湘南の潮風も柔軟に受け止める木造という構造にしました」
設計は建築家の阿部勤。
「manimaniに阿部先生の設計を取り上げた建築の絵本が置いてあったのですが、その絵本を作ったプロデューサーのご紹介で、憧れの阿部先生に建てていただくことがました。RCの住宅やキッチンに造詣が深く、いいものを作り長く愛するという建築に対する姿勢も素敵で、ほんとうに先生に設計していただいて良かったと満足しています」
お菓子の販売もできるようにキッチンを設計
建物の建て替えのため、森戸神社前の「cafe manimani」は惜しまれながら閉店となってしまったが、土屋さんはこの家をカフェとしても使えるように設計したそうだ。
「カフェはキッシュを焼いてお出しできるのですが、たとえばアンパンを作ってお持ち帰りいただくには、袋詰めして販売するための許可が別に必要なんです。キッチンにシンクが5つあったり、引き戸で囲える空間を作ったりしているのは、その両方ができるように設計したからです」
キッチンには業務用の冷蔵庫や食洗機、ガスレンジなどが並ぶ。
「大きな鍋や、キッシュの台を何十枚も入れておきたいとなると、やはり業務用の冷蔵庫が重宝します。2分で洗ってくれる食洗機は、頼もしい相棒ですね」
葉山の傾斜地ならではの楽しさを
葉山の高台の傾斜地を上手く利用して建てられた土屋さん宅。車道に面した1階はガレージ、海が見渡せるダイニングを3階に。さらにその上の山側の最上階にも部屋が作られている。
山側の小道には、テラスのウッドデッキを延長させて橋を渡している。カフェを営業していない時間は橋を上げておけば、お客様が迷って入る心配もない。
「実は当初の設計案では、ダイニングの床がもう少し低かったんですね。でもカフェテーブルに座った時にも海が見えるようにしたいと考えて、床面を上げました。実は『座っても見えるようにしたほうがいいんじゃない?』って気づいたのは私ではなくて主人なんです(笑)。気づいてくれて、とても感謝しています」
1階の天井がとても高い。
「将来的にここを暮らしの拠点にできるように、ロフトを作ったり、キッチンも作れるようにしてあります。
家ができて5年経ちましたが、玄関やエントランスにタイルを貼りたいとか、庭にも手を入れたいとか、やりたいことがまだまだたくさんあります。そんなことを少しづつ楽しみながら、長くこの家で暮らしていきたいと思っています」