Kitchen
ホッとする家庭料理の教室理想のLDKを求めて
新築物件を自分流にアレンジ
横浜市にある3階建の新築住宅。自宅で料理教室「ハレとケ」を主宰している料理家の五味幹子さんが、チャータークルーズ運行の仕事をする夫の岳さん、愛犬のエアー君とともに暮らすこの家は、横浜駅からひと駅の最寄り駅より徒歩3分という便利な立地に建つ。
以前は賃貸の戸建に住んでおり、その頃より自宅で料理教室を開いていた幹子さん。新たな住まいでも料理教室を開くことを考慮し、物件選びは、LDKの広さと生徒さんが引き続き通いやすい場所であることを重視した。
「駅近でここまで広いLDKのある物件はありませんでした。中古のリノベーションも考えましたが、充実した設備や耐震性など、さまざまな面で新築のメリットを感じて、購入を決めました。また、アクセスにおいては、以前の住まいの最寄り駅から徒歩15分、横浜駅からも近道を使えば徒歩13分ほどと、交通の選択肢が多かったことも決め手のひとつです」(幹子さん)。
求めていた条件にぴったりと当てはまり、施工済みの新築住宅を購入した五味さん夫妻。しかし、キッチンには、どうしても手を加えたい場所があったという。
「元々、キッチンカウンターの上に造作の吊り戸棚があったのですが、そのせいでキッチンとリビング・ダイニングが仕切られてしまっていたのが、すごく嫌だったんです」と話す幹子さん。そこで、引き渡し後、知り合いの大工さんに依頼。吊り戸棚を取り外したことによって、キッチンからリビング・ダイニングまで視線が抜ける心地よい開放感のある空間が生まれた。
四季を大切にした家庭料理
キッチンとリビング・ダイニングで構成された2階は、暮らしの中心地であると同時に幹子さんの料理教室の場でもある。こだわりの家具とともに、中心に置かれているのは、前の住まいより引き継いだレッスン用の大きな作業台だ。
教室は月ごとに設定したテーマに沿って、1ヶ月単位でレッスンを行っている。1回完結型で気軽に参加できるため、遠方からの生徒さんも多い。また、独身時代から通い始め、現在は子育て中という生徒さんも少なくないという。そのため、月10日程度のレッスンのなかには、親子で一緒に参加できる日を設けている。「味噌づくりがテーマの時は、お子さんと一緒に作ってもらって、ちょっと遊ぶ感じで楽しく日本の食文化を知ってもらいたいなと思っているので、ぜひ一緒に来てもらいたいです!」と笑顔で話す幹子さん。そんな幹子さんの生み出す料理のテーマは、日本の四季を大切にし、昔ながらの日本の食材を使った家庭料理。自然素材にこだわった調味料や発酵食品を使いながらも、難しいことはせず毎日作れるような料理だ。
「できるだけレシピを見ないでも作れるように基礎を覚えてもらって、みなさんそれぞれの家庭の味を作ってもらいたいという思いでお伝えしています」(幹子さん)。
レッスンの際、以前の住まいと比べて、大きく変わったのは、「動きやすさ」だという。
「前の住まいでは、椅子を引くと人が通るスペースがなくなってしまったのですが、今は二人でも行き来ができるくらいスペースにゆとりが生まれて、教室進行もスムーズになりました」(幹子さん)。
ゆっくりと自分たちの好きなものを集めていく
「以前は賃貸だったこともあり、いずれはこの家を出るという考え方をしていたので、家に合わせたものを買うことはありませんでした。今は、ゆっくりと自分たちの好きなもの、ずっと大事にできるものを集めていきたいと思っています。家自体もまだまだ手を加えたい場所がありますが、焦らず少しずつやっていこうと思います。夫は綺麗好きなので、少し乱れると、すぐ手を入れています(笑)。でも、すごく家を大事にしているんだなと伝わってきます」(幹子さん)。
施工済みの物件を、少しずつ自分たちの理想の住まいへと近づけている五味さん夫妻。これからも変化を続けるこの住まいで、料理や趣味を楽しむ、五味さん夫妻らしい暮らしが紡がれていくことだろう。