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クラフトショップ-1- 日本の感性を繋ぐ、
渋谷「rooms Ji-Ba」
「日本」にフォーカスした店「rooms Ji-Ba(ルームス ジーバ)」が渋谷ヒカリエShinQsにオープン。「日本の感性を繋ぐ」をコンセプトに、工芸品や民芸品、クリエイターアイテムなど約50ブランドが集結する。
女性目線でセレクトした、
地場産業のセレクトショップ
“伝統工芸、民芸、地場産業”など、日本各地に存在するさまざまなものづくりを活性化させるために始まったプロジェクト「rooms 地場産」。そこから生まれた初の直営店「rooms Ji-Ba(ルームスジーバ)」が9月18日、渋谷ヒカリエShinQsにオープンした。これまで「地場産業」というと、作る側も作られる製品もどこか男性的な側面が大きかったが、こちらのショップでは石塚杏梨ディレクターによる、女性目線の地場産アイテムがセレクトされている。高感度の女性が多く訪れる渋谷で、彼女たちのライフスタイルに違和感なくなじむファッションアイテムや、思わず手に取りたくなるようなインテリア小物などが揃う。
「各地に存在する伝統技術や美しいデザイン、風土と文化が育んだ繊細な感性は、日本が持つ大切な資源だと思います」と石塚氏が語るように、メイドインジャパンの製品はその作りの確かさはもちろん、毎日使うもの、身につけるものだからこそのデザインを大切にしている。その一つに、岩手の「coshell2(コシェルドゥ)」がある。岩手県花巻で製造される成島和紙で造形し、その上に丹念に本漆を摺り込むことで、紙でありながら耐久性のあるバッグブランドだ。現在制作を担う4代目はファッションを学んでいた経験をもつことから、アート性をも兼ね備えたデザインが特徴。洋服にはもちろん、和装にも合い、幅広い世代に人気が高い。このようにrooms Ji-Baでは、昔から伝わるものづくりの精神はそのままに、現代のトレンドをうまく取り入れたバランスのいいアイテムが数多く並ぶ。
日本の風習や文化に触れるもの
地場産業を知ることは、日本ならではの文化を知るきっかけにも繋がる。たとえば、ジュエリーデザイナーがつくる念珠のブランド「ひいらぎ」には、節分の風習からネーミングを得ている。日本では節分の時期に、ヒイラギの小枝にイワシの頭を刺して魔除けとして軒先に吊るす習慣があり、そこから由来して名付けたのだという。また、日本以外でも人気が高い「招き猫」も実は奥が深い。右手を挙げている猫は金運を招き、左手を挙げている猫は人を招くといわれており、色によっても意味が異なる。赤は「厄除け」、青は「交通安全」などにご利益があるという。念珠や招き猫は馴染みは深いものの、興味深く選ぶ機会はそう多くない。ここでの出会いを機に、これまで知らなかった日本の風習や文化に触れながら、自分にあったアイテムをじっくり選ぶことができそうだ。
また、店内にはプロモーションスペースを設け、月に一度ほどテーマに沿ったアイテムやブランドをフューチャーした展示・販売をする。週末には職人による実演プロモーションなども行い、ものづくりの現場を間近で目にすることができる。ふだんは、地方に行かないとなかなか目にすることができない地場のものづくり。ぜひ足を運んで、体感してほしい。