Column
roaster-1- Bean to bar 専門店
富ヶ谷「Minimal」
カカオ豆の選別から、チョコレートの成型まですべての工程を行うBean to bar の専門店“Minimal“が昨年末、富ヶ谷にオープンした。カカオの魅力を最大限に引き出したチョコレートの新しい楽しみ方を紹介する。
チョコレートの新トレンド・Bean to barとは?
「Bean to bar」という言葉をご存知だろうか。 Bean(カカオ豆)からBar(板チョコレート)になるすべての工程を手掛ける工房のことで、数年前、アメリカにて誕生したと言われている新しいスタイル。ブルックリンのマストブラザーズチョコレート、サンフランシスコのダンデライオンチョコレートなどはその筆頭で、名前を聞いたことがある人も多いだろう。さて、今回紹介する「Minimal」は、昨年12月富ヶ谷にオープンしたbean to barの専門店。原料となるカカオ豆の選別、焙煎、粉砕、型作り、パッケージ、販売までをすべて一貫して行っている。すべて手作業で作られているため、生産量は少数に限られており、クオリティとオリジナリティ保たれたチョコレートを味わうことができる。Minimalのチョコレートは中南米、東南アジアを中心に採れた稀少なカカオを最大限に生かすため、ミルクやバニラなどの副原料を使用せず、シングルオリジン(単一産地)で1枚のチョコレートを製造。カカオという素材の特徴的を最大限に味わえるよう、ロースト温度、ロースト時間、使用する砂糖やその量、コンチングの有無など細部に至るまで調整し、1枚ずつ丁寧に作られている。カカオの粒子をあえて残すことで感じられるザクザクとした歯ごたえや、ナッツのような香ばしさ、果実味のようなテイストなど、豊かな味わいを楽しむ事ができる。
チョコレートという新しいコミュニケーション
Minimalの板チョコレートはとてもユニークな形状。ただ食べるだけではなく、新しいコミュニケーションツールとしてチョコレートを楽しめるよう型からデザインしたオリジナルだ。中央下にある細かなブロック以外は、すべて1サイズ3〜4gの体積で作られており、これは口に含んだときに味や香りの広がりが楽しめる最適のサイズだという。1段目はそのままカットして口に含み、舌の上でチョコレートが溶けていく楽しみが味わえる。また、ザラザラとした面で舌触りのアクセントも感じられる。2段目は長い形状。これは一口では食べられないため「齧る」ことを体験し、口の中で広がるカカオの風味を存分に味わうことができる。3段目は1段目のデザイン違いで、4段目は自分の好きな形に割って楽しむことができるプチサイズ。5段目は、自分だけでなく家族や友達にシャアできるようにデザインされており、このように1枚の板チョコレートを通して、様々な体験や風味を楽しむことができる。
チョコレートの愉しみ方
販売しているオリジナルチョコレートは「PRIMITIVE」「NUTTY」「FRUITY」「SAVORY」「CONCH」「BITTER」「SWEET」「BLEND」の全8種類。カウンターでスタッフに説明を受け、テイスティングしながら選ぶことができる。また、板チョコレートだけではなく、カカオ豆をローストしたフレーク状の「Cacao Nibs」や、飲料用に粉状にした「Chocolate Flace」の販売も行う。「Cacao nibs」は、そのままで食べることはもちろん、グラノーラに混ぜたり、サラダにかけて楽しむことも出来る。また、店内ではチョコレート販売のほかに、チョコレートを使ったアイスクリームやドリンクを提供するカフェも併設。ほどよい甘さと温かさで体を癒すチョコレートドリンクはNUTTY、FRUITY、SAVORYの3種類を交替で提供する。春夏にはアイスショコラショーも登場予定。また、カカオの風味を楽しめる濃厚なチョコレートアイスも必食。甘いチョコレートアイスが苦手な男性にもオススメのデザートだ。