Interior
Windsor Chair −1−古くから愛されてきた
伝統的なウィンザーチェア
伝統的な椅子として古くから愛されてきたウィンザーチェア。17世紀後半のイギリスのウィンザー地方で生まれ、後にアメリカをはじめ世界中に広まった。厚い座面に、脚や背を形成するスポークを直接差し込むというシンプルな構造で、コムバック(櫛形)とボウバック(弓型)と呼ばれる木製の背もたれが特徴。歴史に残る名作を数々生み出し、凛とした独特の佇まいと座り心地のよさから、長年多くの人を魅了し続けている。前編ではオーセンティックなウインザースタイルを特集。イギリスで1920年に創業した老舗家具メーカー「アーコール」、日本に初上陸したデンマークの老舗家具ブランド「FDBモブラー」、注目のデザインユニット「ドリルデザイン」によるウィンザーチェアを紹介する。
《ercol》
「ercol(アーコール)」は、ウィンザーチェア発祥の地、イギリスで1920年に創業した老舗家具メーカー。タモ、ニレ、ブナなどの堅牢な木材を使用し、蒸気の力で一本の無垢材を曲げてフレームをつくり、座面に脚や背を形成するスポークを直接差し込んで飛び出した部分をカットし、平滑になるまでサンディングして仕上げられる。イギリスで長く愛されてきたウィンザーチェア、高い背もたれが印象的なクエーカーチェア、ゆったりとした座り心地のチェアメーカーズチェアなど、優雅な曲線が美しい伝統的な椅子をラインナップ。正規に家具の修理も行ってくれるので、経年変化を楽しみながら代々受け継いで愛用できる。
《FDB MØBLER》
デンマークの老舗家具ブランド「FDB MØBLER(FDBモブラー)」が遂に日本上陸。FDBはデンマーク生活組合連合会の略称で、1866年に誕生した組織。1942年、デンマーク近代家具の父と呼ばれるコーア・クリントが監修を担い「丈夫で、美しく、座り心地が良い、そして手頃な価格」という厳しい条件のもとに家具部門「FDBモブラー」をスタートし、数々の名作を生み出した。J52BとロッキングタイプのJ52Gは、1950年にボーエ・モーエンセンがデザインしたウィンザーチェア。1956年発表のポール・M・ヴォルタによるJ46は、今でもデンマーク国内史上最高の販売数を保持し、国民の5人に1人が購入したと算出される、最も愛された椅子。
《DRILL DESIGN》
注目のデザインユニット「DRILL DESIGN(ドリルデザイン)」によるウィンザーチェアの構造をベースにつくられたチェアVILLAGE(ビレッジ)。脚の収まり、スポークの軋み、座面の反りなどウィンザーチェアーの問題点を改善し、伝統的なウィンザースタイルを新たな解釈によりモダンにデザインされたもの。最小限のパーツで構成された潔いフォルムが魅力。2011年よりドリルデザイン、藤森泰司氏、イノダ+スヴァイエの三組で「ウィンザーデパートメント」 というウィンザーチェアのプロトタイプを製作、展示する活動を行っている。6/10~6/18に5610ギャラリーで展覧会を開催。
《ercol love seat》
アーコールを代表するウィンザーチェアを二人がけにしたベンチタイプで、1956年に創業者ルシアン・アーコラーニによってデザインされたロングセラー。ゆるやかな曲線を描くように並んだスポークが印象的。伝統的な椅子をモダンに解釈したハーフグラデーションカラーも見逃せない。
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グリニッチ 03-6416-5650
TIME&STYLE 03-5413-3501
ダニエル東京 03-5322-6535
商品価格は、消費税別の本体価格です。