Interior
中川政七商店の冬支度 -1-やさしい香りを纏い
日本の園芸を愛でる
寒い日々は温かみのあるやさしい香りを纏い、冬の景色に似合う日本の園芸を眺めながらゆっくり過ごしたいもの。今回は、創業3OO年の歴史を誇る老舗「中川政七商店」から冬に合う園芸と香りを特集。植物と工芸の新ブランド「花園樹斎」と日本最古の御香調進所「薫玉堂」の香りをご紹介。
《冬の園芸》
花園樹斎(かえんじゅさい)は、中川政七商店とプラントハンター西畠清順氏が代表を務める、そら植物園のコラボレーションで生まれた新ブランド。150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目で、数千種類もの植物を国内外から収集していることで知られる西畠氏が見出す植物と、創業300年の老舗中川政七商店がプロデュースする工芸をご紹介。
斑が入った観音竹と盆栽のように小さな矮性種のリトルサムライは、日本の園芸の美意識を象徴する花園樹斎イチオシの植物。黒松、梅、椿は、新年を祝う縁起物の植物で、日本の冬に欠かすことのできないもの。個性的なサボテンや多肉植物は、たくさん並べて植木鉢の文様とのコーディネイトを楽しんで。植木鉢は、長崎の老舗マルヒロによる波佐見焼の陶磁器で、江戸時代に流行した染付鉢をモチーフに、間取りと呼ばれる様式の絵柄が特徴。窓文、縞文、梅文、鼓文、丸文という日本の伝統的なカタチをシンプルに絵付けした存在感のある器。
斑が入った観音竹と盆栽のように小さな矮性種のリトルサムライは、日本の園芸の美意識を象徴する花園樹斎イチオシの植物。黒松、梅、椿は、新年を祝う縁起物の植物で、日本の冬に欠かすことのできないもの。個性的なサボテンや多肉植物は、たくさん並べて植木鉢の文様とのコーディネイトを楽しんで。植木鉢は、長崎の老舗マルヒロによる波佐見焼の陶磁器で、江戸時代に流行した染付鉢をモチーフに、間取りと呼ばれる様式の絵柄が特徴。窓文、縞文、梅文、鼓文、丸文という日本の伝統的なカタチをシンプルに絵付けした存在感のある器。
《飾る園芸》
花園樹斎では、植物を飾るためのアイテムも工芸にこだわって制作。真鍮製の吊り皿と壁掛けは、大阪の金物職人によるハンドメイド。真鍮のあたたかな素材感と繊細なつくりが植物をモダンに引き立て、ノスタルジックでアートな空間をつくる。スチールのフレームと合板の棚板を組み合わせた飾り棚は、置く場所に合わせてアレンジが可能。丁寧に溶接されたつや消しの細いフレームが上品で、主張し過ぎることなく空間にそっと馴染む。
《園芸の道具》
お気に入りの植物を手入れする道具も美しく。100年もの歴史を誇る新潟県三条市の鍬専門の鍛冶屋、近藤製作所と中川政七商店のコラボによる移植ゴテとフォーク。鍬(くわ)と同じ製法で鍛造、焼入れされた本格仕様。サボテン、多肉植物の植替に必要な植替用土セットは、水はけと通気性に優れた宮崎県の火山灰由来の日向土、鹿児島のサツマ軽石、防虫効果が期待できる銅製の底網、細やかな作業ができる木の棒を花園樹斎のロゴ入り袋にセット。金物の町として知られる新潟県燕市でつくられた銅製の水差し。銅には殺菌効果があるため常にきれいな水を与えることができ、ノズルや持ち手は注ぎやすい角度に設計、なんといってもその佇まいの美しさに惹かれる。プロ用の収穫鋏を製造する小林製鋏が手掛けた鋼の園芸鋏は、細かな場所にも刃先が入りやすいつくりで、切れ味も抜群。手捺染の手ぬぐいは、鉢植えを模した花園紋と花園樹斎のロゴモチーフの樹斎梅の2柄。手染めならではの深い色合いが魅力。
《日本最古の御香調進所 薫玉堂》
薫玉堂は、京都西本願寺前において、文禄三年(1594年)に創業。以来、儀式の場や日常の中でその時代の香りをつくり上げてきた。創業者、負野理右衛門は、幼い頃から香木の香りに関心をいだき志野流香道に入門、そして薫香の研究に取り組み薫玉堂の基礎を築いた。代々伝わる調香帳には熟成した香木や漢方にも使われる植物が記され、そういった大地の恵みを受けて育った植物には、人を優しく癒し元気付ける力が秘められているという。薬種としても使われる天然香料は、調合することにより、香りに深みと広がりを与え、日々の暮らしに豊かな香りを楽しませてくれる。薫玉堂は420年余りの伝統と調香へのこだわりを大切にしながら、現代に寄り添った新しい香りを提案し続けている。
《冬の香》
上品な香りの線香は、京都の名所や名物をイメージさせる11種類をラインナップ。天然香料にこだわった伝統の調香と現代の香りの融合でつくられ、それぞれの香りを連想させる線香の色だしは職人が何カ月もかけて調合したもの。京の香りはもちろん、日本の伝統を感じる色合いにも惹かれる。薫玉堂のロゴマークをかたどった印香は、そのまま飾ってほのかな香りを楽しんだり、火をつけてお気に入りの香りを楽しむことができる。コレクションしたくなるほどの色とりどりの美しい紙箱や木箱も魅力のひとつ。水面に映る月の姿を模してつくられた観月の香皿。鉄製の香皿と真鍮の香立の組み合わせた粋でモダンな印象で、時間とともに色や質感がいい風合いに変化していくのもうれしい楽しみ。明治時代に使用していた薫玉堂ロゴマークを復刻し、それを模した清水焼の青磁香炉。両の耳に古来より吉兆を表す霊獣をあしらったデザインで、香炉の耳は左右違った形をしているところにこだわり、それぞれ別の型でつくられたもの。 上質な真冬のご褒美として、老舗の線香や印香を焚いて過ごしてみてはいかがでしょうか。
shop information
中川政七商店 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-43-7 1F
03-3409-2260
商品価格は、消費税別の本体価格です。