Renovation
ベルリン、建築家の家オーセンティックに遊び心を
それぞれの部屋に個性を
憧れの英国風スタイルに一目惚れ
建築家のマティアス・ダールマンさんと奥様のコンスタンツァさんがこの家に越してきたのは2011年。鉄道エンジニアが建てた家でイギリスのコテージをイメージして建てられたこの建物をマティアスさんがすごく気に入って、即決で購入したそうだ。
「1930年に建てられた家なのですが、エンジニアがこだわった窓の開け閉めのエレガントな仕組みや入ってすぐのゲストを迎えるレセプションエリアや階段に英国英国ジェントルマンの、バウハウスにもインスパイアされたエッセンスも取り入れた傑作だと思いました。ここは旧東ベルリンですので、社会主義時代は状態がよくなかったのですが、オリジナルの設計図も入手したため、なるべくオリジナルに近い形で復刻しました。
暮らしにちょっとした遊び心をプラス
英国風とバウハウスのドッキングで機能的な住まいではあるが、マティアスさんは遊びも忘れていない。1階から2階に上がる階段の真中にはキジの剥製がライトになっているアート作品を置いている。壁一面、どの部屋にもペイティングやドローイング、アート作品がびっしりと並ぶ。友人からプレゼントされたものもあれば、ギャラリーで見て自分で購入したものもある。アートは自分のインスピレーションの源にもなるそうだ。
「僕も妻も1日留守にすることがあるので、猫も退屈かと思って」とビリヤードの部屋には猫用ランニング・マシーンを発見。地下にはキャットドアも作り、梯子をかけて広い庭やご近所にも遊びに出られるように考えている。
気分転換になるテーマごとの部屋
仕事柄、外出ばかりのこともあれば、ずっと家にいることもあるというマティアスさん。奥様は革製品のデザイナー、アンティーク皮革の修復師でもあり、二人とも多忙で不規則な生活。家にいるときは友人を招いて、料理をしたり、お酒を飲んだり、ビリヤードをしたりと楽しく過ごしたい二人。おもてなしの心も忘れていない。
「壁はすべてイギリスのファロー&ボールのペイントを使っています。ひとえに赤や青でも素敵な色がたくさんあります。自分のクライアントにもなるべく部屋に色を使うようアドバイスしていますね。僕の夢はこんな家に住みたいと日本から仕事のオファーがあることかな」とニッコリ笑うマティアスさん。仕事と遊びのバランスの良さ、彼らしいセンスのご自宅が建築家としての履歴書代わりということのようだ。