Style of Life
葉山の暮らしを満喫フレンチシックに彩られた
クリエイターの住空間
自然体で過ごせる環境
雑貨クリエイターとして活躍する溝江里映さんが、葉山に引っ越してきたのは3年前。「以前は横浜に住んでいたのですが、子供が生まれて幼稚園に入る前に生活環境を変えたい、と思ったのがきっかけでした」。
夫も自宅で仕事をする、フリーランスのグラフィックデザイナー。葉山という土地柄はクリエイター夫妻にとって最適だった。「近所にものづくりをしている人が多いせいか、私たちにとっては自然体でいられる場所でした。横のつながりもできたし、気持ちも以前よりオープンになりましたね」。
開け放たれた窓から、秋の心地よい風が家の中を通り抜ける。アンティークの家具や雑貨に囲まれたフレンチシックな空間で、溝江さんは日々、手仕事に取り組んでいる。
アンティークの宝箱
画家になりたかった母親の影響か、ものづくりは子供の頃から好きだったという溝江さん。「日当りがよくて、気持ちがいいですね」という2階の仕事部屋では作業も捗るという。
「アンティークが好きで、自分の作品と合わせてインテリアに取り入れています」。白い糸で編んだ小物やアクセサリー、洋裁メーカーとのコラボで作った錫の裁縫セット。それらの作品がアンティークの雑貨とともに飾られた棚は、美しいギャラリーを見ているよう。
「小学生の頃からアンティークが気になりはじめました。アメリカンカントリーが流行った頃、ちょっと惹かれるんだけど何か違うなと思っていたんです。そして初めてフランスに行った時、“あ、これだったんだ!”と」。
今も年1回は家族でパリを訪れ、蚤の市を回って掘り出しものを見つけてくる。大切な品で溢れた空間は、溝江さんが創り上げるシャビーシックな作品とマッチして、独特の雰囲気を生んでいる。
古いものを愛でる精神
開口部から庭のグリーンが望める1階のリビングも、アンティークで彩られている。ダイニングには、イギリスの作業用テーブル。「きゃしゃな感じが好きで以前から使っています。椅子はアーコールのもので、引っ越した時に購入しました」。
アンティークの白いキャビネットには、アスティエ・ド・ヴィラットのお皿や作家ものの食器が並ぶ。その中に金の細工が施された器を発見。「金継ぎした器なんです。近所で金継ぎのワークショップギャラリーを見つけて、習いに行くようになって」。
器の欠けた部分に漆を塗り重ね、最後に金粉を使い磨いて仕上げる金継ぎ。「壊れたものを再利用できて、かつ味が出るのが魅力です。傷さえも隠さずに見せて、愛してしまう、その精神がいいなと思って」。古いものを大切にして暮らしに取り入れる、そのスタイルがあちこちに活かされている。
伸びやかな暮らしを満喫
現在小学校1年生の長男は、庭で遊ぶのが大好きだとか。「友達が集まって来ては、みんなで遊んでいます。横浜のマンションにいたときは必ず鍵をかける生活でしたが、ここでは開放的に伸び伸びと暮らすことができますね」。
引っ越してからウッドデッキも増設し、リビングと庭との一体感を感じさせている。外に出ると、葉山の清々しい空気が流れている。「夫はアウトドア好きで、休日はキャンプに行ったりしますし、普段も自転車で近所を散策するのが好きですね。まわりにいいお店がたくさんあるので、ひとりでランチに出かけることもあるし、普段のちょっとした楽しみがいっぱい見つけられます」。
仕事も生活も充実させてくれる、伸びやかな環境がここにある。