Style of Life
旗竿敷地に光をたっぷり取り込むモダンでシックな
ウエストコーストスタイルの家
妻が育った場所に住む
富安朝海さんが生まれ育った土地に建てた一戸建て。
「キッチンの場所が、私の以前の部屋と同じ場所なんです。キッチンに立っていると不思議な感じがします」
旗竿敷地なので以前の建物は日当たりが悪かった。なので、新しく建てる家は、光をたっぷり差し込む明るい家にしたい、というのが希望だったそうだ。
キッチンには大きな天窓を設け、3階までの吹き抜けの階段室は、1階まで光が届く。ここが旗竿敷地だとは思えない気持ちのよい光と風が満ちている。
設計はHOUSE TRADにお願いした。
「打ち合わせにお伺いしたら、以前の勤務先で店舗の内装をお願いしたことがあったとわかりました。大まかな希望を伝えると、イメージ通りのものを作っていただいたので、お願いして良かったです」と良明さん。
「キッチンの天窓はこんな感じのものにしたいねと夫と話していたら、ズバリなイメージのものを提案していただいたのには驚きました」と朝海さん。
白の壁と木目に、1階はグレー、2階は淡いブルーをアクセントカラーに加え、モダンでシックなウェストコーストの家が完成した。
段差とキャビネットで空間を分ける
「階段に座るのが好き、と伝えると、キッチンとダイニングを2段の階段でゆるやかに空間をわけてくれました」
キャビネットの向こうには、ベンチシートのダイニングが隠れている。
「ベンチシートのダイニングも希望したもののひとつです。アメリカンな感じになりすぎない、イメージしていたものよりはるかにいい感じのものになりました」
ダイニングがキャビネットでゆるやかに目隠しされることで、ソファスペースがよりくつろげる空間になる。
「子どもがもう少し大きくなったら、ダイニングで宿題などをするようになるのかなと想像しています。なので、なるべく広いベンチシートにしてもらいました」
子どもと共に成長する家
富安邸は、エキスパンドメタルを効果的に使っているのも特徴のひとつ。
子どもが小さなうちは階段からの落下を防ぐためにネットをはることが多いが、それならば最初からエキスパンドメタルにしようという発想の転換で、階段の手すりにエキスパンドメタルを採用。
そして、アパレル会社に勤めていた良明さんは服の量もかなり多い。ウォークインクローゼットは、扉にエキスパンドメタルを使ってショップ風にアレンジした。
1階のバスルームは白のメトロタイル、白のルーバーの扉を使い、大きな窓から差し込む光が白い空間に満ちてとても明るい。
1階のベッドルームを夫婦の寝室にして、3階を子供部屋にする計画もあるそうだ。
2階のベンチシートのダイニングスペースで子どもたちが勉強するようになると、リビングとキッチンの関係性も変わっていきそうだ。
子どもの成長とともに家がどんなふうに変わっていくのか、これから先が楽しみだ。
(建築家クレジット)
富安邸
設計 HOUSETRAD
所在地 神奈川県川崎市
構造 木造
規模 地上3階