Column
生まれ変わった倉庫-2-時代も国籍も超越する
複合施設「CASICA」
![171225casica_head 171225casica_head](https://img.100life.jp/2017/12/17113213/171225casica_head.jpg)
「生まれ変わった倉庫」の後編は、2017年11月に新木場にオープンした「CASICA」へ。ショップ、カフェ、工房やスタジオ、オフィスなどが集まった複合施設だ。
材木倉庫が立ち並ぶ新木場エリア。この場所で古くから銘木倉庫として使われていた空間が、ショップ、食堂、撮影スタジオやオフィスが入居するコンプレックススペース「CASICA」へと生まれ変わった。「生きた時間と空間を可視化する」というコンセプトの元に設計を担当したのは、架空のパン屋「TAKIBI BAKERY」などでも知られるCIRCUS。鈴木善雄さん、引田舞さんによるユニットで、倉庫の基礎をなるべく生かしながら、約300坪の広々とした空間を再生。鈴木さんが主宰する家具の再構築を目的とした「焚火工藝集団」は、倉庫に残っていた端材や材木を再利用して什器を作ったり、店内の一部の意匠に生かしたりして、倉庫時代の面影をうまく残している。
大きな扉を開いてすぐはカフェとグリーンのスペース、続いてショップとギャラリー、その奥に家具のコーナーと「焚火工藝集団」のアトリエスペースがゆるやかにつながっている。
大きな扉を開いてすぐはカフェとグリーンのスペース、続いてショップとギャラリー、その奥に家具のコーナーと「焚火工藝集団」のアトリエスペースがゆるやかにつながっている。
![新木場駅から徒歩3分。倉庫として活躍していた時代を色濃く残した外観。](https://img.100life.jp/2017/12/17113604/171225casica_01-700x464.jpg)
![デリカテッセンスタイルのカフェの先には、さまざまなモノが集積したショップが続く。](https://img.100life.jp/2017/12/17113619/171225casica_02-700x464.jpg)
![設計を担当した「焚火工藝集団」は、大正や昭和初期に作られた家具を現代の暮らしに合わせてリペアしている。](https://img.100life.jp/2017/12/17113636/171225casica_03-700x464.jpg)
![「TAKIBI BAKERY」で人気の紅茶シリーズは全ラインナップが揃う。](https://img.100life.jp/2017/12/17113701/171225casica_04-700x464.jpg)
ショップには大正や昭和時代に使われていた古道具をはじめ、日本各地や世界各国の民芸品、現行品のプロダクトなどがフラットに並ぶ。生まれた時代や国籍、価格帯はばらばらだが、あえてモノとモノに境界線を引かないことで、新しい組み合わせや使い方を発見することができるという。伊藤環さんや尾形アツシさんなど人気作家の器と合わせて、アンティークの食器、瀬戸のデッドストックの陶磁器が置かれている。また、福岡の人気ショップ「ライトイヤーズ」からセレクトしたモロッコやインドなどで買い付けたエスニックなラグが壁に吊るされている一方で、その反対側の壁には日本で古くから親しまれてきたざるやかごがある。「焚火工藝集団」が大正や昭和初期の家具をリペアしたプロダクトも展開。店内に置かれたアイテムの中には、一目見ただけでは何に使うものなのかわからないものもある。ここでは、使い方を限定するようなモノのわかりやすさよりも、「自分ならどう使うか」と想像を膨らませ、生活を楽しむ力を養ってほしいという思いが込められている。店内のディスプレイや陳列には、古いものの取り入れ方や、ものの見立て方など暮らしに取り入れたいアイデアがたくさん散りばめられている。
![伊藤環さんや尾形アツシさんなど人気の作家の器が並ぶ。](https://img.100life.jp/2017/12/17113749/171225casica_06l-350x529.jpg)
![作られたモノの行き場をなくしていたデッドストック品もここでは立派な商品だ。](https://img.100life.jp/2017/12/17113812/171225casica_06r-350x529.jpg)
![福岡「ライトイヤーズ」から運ばれてきた大小さまざまなラグたち。](https://img.100life.jp/2017/12/17113835/171225casica_07l-350x529.jpg)
![壁の奥は天井高13mもあるギャラリー。時期によって展示内容を変える。](https://img.100life.jp/2017/12/17113850/171225casica_07r-350x529.jpg)
![「amabro」のそば猪口と大正や昭和初期の豆皿が同列に並ぶ。](https://img.100life.jp/2017/12/17113920/171225casica_08-700x464.jpg)
![北海道の民芸品としても知られる木彫りの熊も大小さまざまなサイズで展開。](https://img.100life.jp/2017/12/17113940/171225casica_09-700x464.jpg)
![モロッコとバリの手作り雑貨「warang wayan」のバッグ。](https://img.100life.jp/2017/12/17114002/171225casica_10-700x464.jpg)
![収納かごや持ち運びに便利な手つきのかご、巨大なざるなど古くから愛される日本の日用品。](https://img.100life.jp/2017/12/17114016/171225casica_11-700x464.jpg)
食のスペースは、料理ユニット「南風食堂」の三原寛子さんが監修。薬膳やアーユルヴェーダの考えをベースに、毎日食べても飽きのこないメニューを中心に並べる。季節の野菜をたっぷり使った料理、バクテーや豚のフローレンス風など世界の郷土料理が日替わりで登場。ランチタイムにはおかずが常時約10種類並び、その中から好きなメニューを組み合わせできるセットやスパイスたっぷりのカレーを提供する。その奥はグリーンのスペースで、ここは「園藝と再生」が担当。植物との関係を再構築することを目的としたユニットで、ユニークな造形の塊根植物や多肉植物のほか、「リユース」をテーマに、お菓子の木型や和食器などをフラワーベースに見立てて、新しい植物の楽しみ方も提案している。
![昔の薬局をイメージしたというショップカウンタースペース。](https://img.100life.jp/2017/12/17114132/171225casica_13-700x464.jpg)
![ハーブやスパイスをたっぷり使ったおかずが彩り豊かに並ぶ。](https://img.100life.jp/2017/12/17114211/171225casica_14-700x464.jpg)