Style of Life

お気に入りの雑貨をインテリアに三角屋根の別荘風の家が
創作意欲をかき立てる

お気に入りの雑貨をインテリアに  三角屋根の別荘風の家が 創作意欲をかき立てる

デザイン性と古さがMIX

 都内の高級住宅街に建つ三角屋根の家。モデルとしてアーティストとして活躍する酒井景都さんが暮らす家は、軽井沢の別荘のような佇まいを見せる。

「築20年経っていますが、内覧ですぐに決めました。新しいデザイン性の高い物件、古くて味がある物件、両方を見たのですが、ここは古いけれどきれいで造りが面白い。適度に味があって広さもあるのが気に入りました」。

三角屋根の天井の高いリビング、グリーンのドアや少しピンクがかった壁の色、細部にこだわりと遊びが感じられる造りの家を、景都さんの感性でアレンジ。雑貨や小物が彩りを添え、オリジナルの世界観を表現している。


2階の作業部屋で仕事にあたる酒井景都さん。天窓から光が差し込み明るい。
2階の作業部屋で仕事にあたる酒井景都さん。天窓から光が差し込み明るい。
閑静な住宅街に建つ。三角屋根にウッドデッキが別荘風。
閑静な住宅街に建つ。三角屋根にウッドデッキが別荘風。
格子壁を使った階段。下のスペースは収納や洗濯機置き場に。
格子壁を使った階段。下のスペースは収納や洗濯機置き場に。
玄関ドアも採光とデザイン性が考えられた面白い造り。
玄関ドアも採光とデザイン性が考えられた面白い造り。
天窓やガラスブロックなど、採光の工夫で光が抜ける。
天窓やガラスブロックなど、採光の工夫で光が抜ける。


手作りでデコレーション

「1階の廊下やお部屋の床はすべてコルクだったので、グレーの絨毯に替えました。ゆくゆくはリビングのブルーグレーの塗装を黒グレーに替えたり、ラブリーなキッチンのピンク色を抑えめにしたいと思っています」。

2階の明るいリビングは、備え付けのソファーテーブルが「歯医者さんの待合室みたい」と、自分でアレンジ。渋谷の生地屋さんに行きソファーカバーを作ることに。

「コーデュロイに張り替えようと思っていたのですが、ツイードもいいなと思って、結局気に入った生地を4種類、全部買ってつぎはぎのパッチワークのようにしました。布用テープで留めているだけなのですが」。

19歳で立ち上げた服のブランドがヒット。独自のセンスでものを生み出す発想力と技術力は、インテリアにも活かされている。


ソファーとテーブルは備え付け。大人数でパーティーを開くこともできる余裕あるスペース。
ソファーとテーブルは備え付け。大人数でパーティーを開くこともできる余裕あるスペース。
 
アンティークのチェストの上は、友人のアーティスト、レイ・イナバさんの作品。
アンティークのチェストの上は、友人のアーティスト、レイ・イナバさんの作品。
手前のお皿は駒沢のフリーマーケットで購入した和食器。「外国の人が和ものを取り入れるような使い方をしたいですね」。
手前のお皿は駒沢のフリーマーケットで購入した和食器。「外国の人が和ものを取り入れるような使い方をしたいですね」。
パッチワークのように布を接ぎ合わせカバーを作ったソファー。壁の絵はデザイナー鎌田貴史さんの作品。「黒を取り入れたくてゆずり受けました」。
パッチワークのように布を接ぎ合わせカバーを作ったソファー。壁の絵はデザイナー鎌田貴史さんの作品。「黒を取り入れたくてゆずり受けました」。
作り付けの棚にも小物をディスプレイ。左のグリーンは、自宅でできる水耕栽培器。
作り付けの棚にも小物をディスプレイ。左のグリーンは、自宅でできる水耕栽培器。
TERRAの花器。もともと砂とエアープランツがアレンジされていたもの。
TERRAの花器。もともと砂とエアープランツがアレンジされていたもの。


雑貨を探して各国を巡る

「インテリアは色々なテイストが好きですが、シャビーシックがいちばん好みですね」。生後間もない頃両親とともにイギリスで暮らしていた景都さん。今も色々な国を訪れるのが好きだという。田園調布の雑貨店「マチルド・イン・ザ・ギャレット」「フランキンセンス+ショップ」を経営するお母様の酒井しょうこさんに連れられて、小さい頃から国内外の蚤の市などを回った。

「アンティークが好きだったりするのは母の影響ですね。テイストは少し違いますが、最近は私も母と同じくシンプル志向になってきています」。リビングの味のあるチェストはアンティーク。「母には、迷ったらアンティークを買った方がいいと言われます。傷がついてもそれが味になりますし」。

北欧、オランダ、ベルギー、スペイン、パリ….、あちこちへ「雑貨探しの旅」に出かけている。それが高じて色々な国の雑貨の本も出版。各国で見つけてきたかわいい雑貨や、アーティストの作品がリビングを飾る。


ヴィンテージライクな地球儀、アメリカで買った鳥かご、パリで買ったアンティークの額を窓際に飾る。
ヴィンテージライクな地球儀、アメリカで買った鳥かご、パリで買ったアンティークの額を窓際に飾る。
壁に掛けた絵は、景都さん自身が描いたもの。繊細なタッチが見事!
壁に掛けた絵は、景都さん自身が描いたもの。繊細なタッチが見事!
左の花瓶はノルウェーで買ったヴィンテージ、右の花柄の小鍋は南仏で買ったアンティーク。
左の花瓶はノルウェーで買ったヴィンテージ、右の花柄の小鍋は南仏で買ったアンティーク。
アンティークのガラス瓶がシャビーシック。
アンティークのガラス瓶がシャビーシック。
 
北欧、イギリス、吉祥寺の雑貨をテーマに、景都さんが出版した本。他にも著書は多数。
北欧、イギリス、吉祥寺の雑貨をテーマに、景都さんが出版した本。他にも著書は多数。


季節毎にコーディネート

1階のベッドルームはホテルをイメージしてコーディネート。「海外のインテリア雑誌を見たり、ネットのピンタレストをチェックしたりして、引っ越す前から考えていました」。

枕元に5つ並べられたクッションのうち、「Sweet Dreams」と刺繍されたものは景都さん自身がデザインした。「ザラホームのウインドウディスプレイがとってもかわいくて、よくお部屋のコーディネートの参考にしています。今、足元にかけているストールはメンズブランドのものですが、色々な種類を揃えていて時々取り替えています。季節に合わせてマリンっぽくするなど、部屋のイメージをチェンジさせるのも楽しいですね」。

北欧アンティークのチェストの上は、お母様からゆずってもらったスージー・クーパーのお皿やパリのマレ地区で買った作家もの、景都さんがプロデュースしたキャンドルなどを飾る。小物ひとつひとつへの愛着が伝わってくる。


高級ホテルのように見事にコーディネートされているベッドルーム。ベッドはIKEA。
高級ホテルのように見事にコーディネートされているベッドルーム。ベッドはIKEA。
北欧アンティークのチェストは目黒通りのお店で購入。リビングのものとお揃い。
北欧アンティークのチェストは目黒通りのお店で購入。リビングのものとお揃い。
「Sweet Dreams」と刺繍されたピローは、フェリシモのchichettiというサービスで景都さんがプロデュースしたもの。
「Sweet Dreams」と刺繍されたピローは、フェリシモのchichettiというサービスで景都さんがプロデュースしたもの。
アクセサリー入れにしているのはスージー・クーパー、アスティエ・ド・ヴィラッド、マチルド・イン・ザ・ギャレットなどのお皿。
アクセサリー入れにしているのはスージー・クーパー、アスティエ・ド・ヴィラッド、マチルド・イン・ザ・ギャレットなどのお皿。


生活を楽しみたくなる家

ガラスブロックや天窓からの日差しが明るい階段を登った2階には、景都さんがデザインなどの作業を行う部屋がある。ピンクがかった壁にロフトのある天井の高い空間が心地よい。

「空間の色合いやデザインが自分にマッチしています。それと日当りがよく空間に余裕があるのが、やっぱりこの家で良かったなと思う点ですね。ここに来てからお花や新しいCDをつい買いたくなるようになりました」。

子供の頃から使っているという愛着のある机とアンティークの椅子で、仕事に取り組む景都さん。自分好みの空間にさらに手を加えた満足のいく家が、穏やかな生活を導き、創作意欲をさらにかき立てているようだ。


すっきりしていて明るい作業部屋。右上にロフトがある。
すっきりしていて明るい作業部屋。右上にロフトがある。
「紙が大好き!」という景都さん。昔から集めている色々な紙を引き出しに大事に保管している。
「紙が大好き!」という景都さん。昔から集めている色々な紙を引き出しに大事に保管している。
自分で作ったDMなどを壁に貼っている。ひとつひとつがアート作品のよう。
自分で作ったDMなどを壁に貼っている。ひとつひとつがアート作品のよう。
景都さん愛用のカメラとカラーペン。
景都さん愛用のカメラとカラーペン。



アーティスト、モデル、デザイナーの酒井景都さん。慶應義塾大学環境情報学部でメディアデザインを学び現在に至る。http://blog.katesakai.com
アーティスト、モデル、デザイナーの酒井景都さん。慶應義塾大学環境情報学部でメディアデザインを学び現在に至る。http://blog.katesakai.com