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“創造と発見”のある暮らし – 2 – リビングが
コンサートホールになった!

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神宮家のメインのスペースは、天井高が 3.6m あるリビング。家の前までまっすぐ延びてきた道を裏の森へとつなぐ筒のようなスペースで、両端にはまったく同じプロポーションのフレームをもつ大きな窓がつくられている。建築家の川辺直哉さんの最初のデザイン提案で「このリビングの空間がすっかり気に入ってしまいました」と奥様。

2年前にはこのスペースでクラシックのホームコンサートを開いた。このリビングで何かできないかという話をしていたら、ホームコンサートを開こうということになったという。「ご近所に音楽の好きな方が多いからいいんじゃないかと」。


コンサート時にはこの部屋に 20 人ほどが入った。残りの 20 人は階段とダイニングで演奏に耳を傾けた。「前の通りから演奏している様子とお客さまの後姿が見えて、あの瞬間、この家は住宅ではなかったですね」と語るのは建築家の川辺さん。コンサートの準備は奥様にとって大仕事だった。コンサート後のティーパーティの準備もすべて1人でしたという。


空間を発見的に使う

ホームコンサートと言っても本格的なものだ。娘さんのピアノの先生の紹介で、ニューヨークフィルのコントラバス奏者を招き、ピアノは先生の娘さんが担当した。プログラムももちろん凝っている。バッハの「無伴奏チェロ組曲」 から始まり、ラヴェルやフォーレほか全 9 曲。ご近所から40人くらいが集まって、コンサートを堪能した。

設計時にコンサートの話などは存在しなかったため、建築家にとっては想定外の使用法だった。「発見的に使っていただくのはうれしかったし、まったく想像していなかったがゆえに驚きましたね。あの家でどうやってコンサートをするのかなと思いました」と川辺さん。

コンサートを開いて、こんな発見もあった。音の響きがすごくいいと先生に言われたという。奥様が趣味で吹くフルートも響き方が面白く、部屋の角に向かって吹くと音が広がって聴こえるという。これも建築家にとってはうれしい“想定外”だったにちがいない。


ダイニングでお茶を入れる奥様。流派は東阿部流だが、今は自己流と謙遜する。
最近、家族の一員となったノルウェージャン フォレスト キャットのアトン。生後3カ月の遊び盛りだ。


アトンの相手をする奥様。上はコンサートの行われたリビングスペース。コンサート時には階段で演奏に聴き入る人もいた。
今は書斎的に使われているキッチン下の半地下スペースで。家具の製作はここで行われた。ご主人は、将来、ここで陶芸をやってみたいという。


神宮邸

設計 川辺直哉建築設計事務所
所在地 神奈川県厚木市
構造 木造、一部鉄筋コンクリート造
規模 地下1階地上2階
延床面積 152.39m2