Architecture
2世帯住宅に事務所を併設緑豊かな中庭を通して
家族の気配を感じる
光を集め風が抜ける中庭
建築家の関本竜太さんの自邸は1階にご自身の建築設計事務所『リオタデザイン』があり、2階がご自宅、そして3階にお母様が住む、2世帯住宅+事務所になっている。それぞれの階で玄関を別にしてプライバシーを尊重しながら、中庭を通してお互いの気配が感じられるように設計した。
どの階からも見て楽しめる緑豊かな中庭は、家族や事務所スタッフのコミュニケーションの場になっている。
「築11年が過ぎ、建物や家具に落ち着きと味わいが出てきた今の雰囲気がとても気に入っています。中庭に植えた樹々も大きく育ちました」
ヤマザクラ、サルスベリ、トネリコ、ミツバツツジが庭の四季を彩る。木柵にはアケビが蔓を伸ばす。
植物の魅力に夢中
「実はこのところ急に植物の魅力に目覚めまして、グリーンがどんどん増えています。このモンステラは買ってきた時はほんの小さな苗だったのですが、すごい勢いで成長するので、鉢を大きなものに2回替えました。手間をかければそれに応えてくれるのがとても楽しいです」
ハートの形の大きな葉が特徴のフィカス・ウンベラータや、ツピタンサスなど、さながら植物園の様相だ。
関本さんは1年半フィンランドで暮らした経験があるのだそう。長い冬を室内の植物とともに楽しむ北欧の暮らしのように、関本さん宅にも緑がよく似合う。
自邸から学んだ経験を施主に伝える
この家は関本さんが独立し自分の事務所を構えてから5年ほど経った時に建てたのだそう。
「木造住宅が好きなので自宅も木造を考えていたのですが、間口を広くとってガレージを作りたかったため、RC壁式構造にしました」
壁や天井を焼杉型枠によるコンクリートの壁にし、ファサードは大きなガラスを採用した。
「自分がやってきたことの集大成だという意気込みで、やりたいことを数多く反映させた家を建てました。今考えると、僕自身がある意味実験的な住宅に住むことで、たとえば長く住んでも飽きない部分だったり、不具合だったりを、実感を込めてクライアントさんに伝えることができるので自邸を建てて良かったと思っています」