DIY
造形作家の住む家ほとんどの家具が手作り
創作と暮らしが共にある住まい
都内の陶芸ショップで仕事をしていた奥様の夕子さんに誘われ、陶器を見に益子へ。ふらりと立ち寄った〈スターネット〉カフェで、KINTAさんのテーブルの存在感に一目惚れする。創さんはすぐに弟子入りをしたい旨の手紙を書いたそう。それまでの旅とアルバイトの暮らしから一変、頭に手ぬぐいを巻いて師匠の元へ通う毎日に。
「絵は好きで描いていましたが、実はそれまで家具に興味を持ったことはなかったんです。1台のテーブルと出会ったことで今の自分がありますから、ほんとうに人生って不思議なものです」
実はこの家の以前の住人は植木職人だったそうで、たくさんの道具が残されていたそう。刈り込み鋏の把手などを家具や小物に再び使うことで、道具を新たに甦らせる創さんの作品には、ついつい笑顔がこぼれてしまう。
12年前に東京から益子への移住を決意してから、この家が3軒目の住まいになるそう。最初の住まいはアパート、次の木造住宅も手狭だったので、やっと広い仕事場を同じ敷地内に確保できたのが今の家。自分たちで床をフローリングに張り替え、壁や天井にペンキを塗り、薪ストーブを据えた。
「畳の床を上げてみたら基礎が痛んでいて、そこから手を入れないといけないとわかるなど、始めに考えていたよりも大変なリフォームになりました」と創さん。
子どものオモチャも家具も、お父さんの手作り。
横溝家は家族4人。遊び盛りの長男の花人くん、次男の山人くんのオモチャは、創さんの手作りのものが多い。コリントゲーム、将棋盤……。子ども用の椅子も、勉強机ももちろん創さんの手作りだ。
部屋を散らかさないための家具を作るのもお父さんの役目?
「充電のためにコンセント近くの床にそのままゲーム機を置いてしまうので、ゲーム機用の台を作って『ここに置きなさい』と。ただの太い薪ですが(笑)。あ、あと最近のヒット作は、ボール用のラックです。玄関にボールがいくつも転がってるので、丸い穴を開けた台にボールを置けるラックを作りました」
自分たちのためにオモチャや家具を作ってくれるお父さん。愛情いっぱいの家具やオモチャを作ってくれるお父さんの姿は、きっと大きくなっても忘れないはず。