DIY
ギャラリーのように楽しむ独創性を求めて
変化し続ける家
「仕事で余った廃材があると何か作りたくなってしまうみたいです。基本的には主人の好きなようにしてもらっていて、私は出来上がりを楽しみに待っています。ここをこうしてほしい、とリクエストすることもありますが、忙しくてなかなか着手できなくて。でも、あるときふと思い立ってやってくれる、という感じですね」
店舗の空間プロデュースや雑誌の撮影のセットなどを行うご主人にとって、イメージを描いてDIYで作り上げるのはお手のもの。棚や壁面のアレンジなど3時間くらいで完成してしまうという。
プレゼント替わりのDIY
nonさんが特に「こんな風にしてほしい」とリクエストしたのがキッチン。木の板をシンク前の窓にはめ込み、調理器具をかけておけるように工夫してもらった。
「ごく普通のキッチンだったのが嫌だったので。壁にフライパンをかけたいとか、調味料をきれいに置けるようにしたいなど希望を伝えました。そして、クリスマス前のある日、ちょっと出かけて帰ってきたら出来上がっていたんです。思いがけないクリスマスプレゼントでしたね」
照明の傘は、植木鉢をさかさまにしてアレンジ。塗装のはがれた古いキャビネットには、作家ものの陶磁器など大切にしている食器類が並んでいる。業務用のワゴンやガスコンロなど、力強いプロダクトものと木の質感がミックスされた空間には、素朴な雰囲気が漂っている。
独創性が活きる空間
リビングは、もともと味気ないフローリングだったのが気になって、使い込んだ板を上から張った。壁には大きさ、形の不揃いな木箱がたくさんはめ込まれている。「ディスプレイ用の棚として主人が考えました。いずれ壁全面に取り付けるつもりなんです」。長女・花種ちゃん(4歳)の思い出の品やどこかで見つけてきた古道具など、思い入れのある品が飾られた空間は、見ているだけでギャラリーにいるように楽しい。
そんなご主人のDIYを支えているのが2階の仕事部屋。ベニヤ板を貼って色を塗った壁に、工具などをディスプレイ。「この部屋はもうよく分からなくて」と笑うnonさん。押し入れを飾り棚として装飾しようとしていたり、ファイル入れのひとつひとつに色を塗っていたり。色々とやってみたくて仕方がない、というご主人の思いが伝わってくるようだ。
「色々と作ってくれるのは本当にうれしいですね。ダイニングのテーブルも、大きなものがほしいと言ったら、誕生日プレゼントとして作ってくれました」。IKEAで買った脚に板を載せてモルタルを流したというテーブルは、凹凸感があり渋い味を出している。木の枝をスタンド替わりにした照明、ご主人と花種ちゃんが一緒に描いたという絵が飾られるダイニングルームは、シンプルな中に家族団欒の温かさも感じられる。
ずっと進化を続ける
「子供も大きくなっていくし、広くてお庭のある家に住めたのは良かったですね。朝の光で目が覚めたり、お庭で野菜を育てたり、のびのびとした生活がおくれるようになりました」。花種ちゃんのおやつはいつもほとんどが手作り。ママと一緒にマフィンなどを作ったり、庭で野菜を収穫したり、そんな日常の中、子供も家も常に成長し続けている。
「この家は完成することがないんです。次はどこに手を加えようか、いつも考えている感じです。今いちばんの課題は押し入れ。古い押し入れをどう私たちになじむように使いこなすか考えていますが、それもまた楽しいですね。これからもどんどん変化し続けていくと思います」