Family
アトリエと住居をひとつに-2-アトリエは作業効率を重視し
徹底的にカスタム
カスタムペインターの倉科昌高さんが作品を制作するアトリエがここ1階。2階は家族と暮らす住居部分になる。
大きいものではミュージシャンの布袋寅泰さんのクルマから、小さなものは携帯電話まで、倉科さんがカスタムペイントを施すアイテムは大小さまざま。たとえば青山「Francfranc」の建物に施す壁画などは現場で作業するしかないけれど、クルマくらいの大きさのものはここで作業ができる、充分な広さを確保している。
105m2のアトリエは、ペイントをするスペースと、デザインなどのデスクワークをするスペースに分けられている。
デスクワークをするスペースには、デザイン画を並べてミーティングもできる大きな天板のテーブルと、パソコンで作業するデスクが2台。天井まである本棚で、スペースがゆるやかに分けられている。
カスタムペイントをする作業場とデスクワークのスペースは、構造用合板で仕切られている。大きなモノを出し入れするために、ドアは幅130cmの大きな引き戸にしている。
アトリエと住居を一緒にすることで
作業効率もアップ
カスタムペイントの作業場は埃を嫌う。そのため、床を豪快に水洗いできるように排水を工夫している。エアスプレーのブースも、吸気と排気のバランスをうまく調整。以前に作ったアトリエでのノウハウを充分に生かすことができた。
別々だったアトリエと住居を、ひとつにするためにこの家を作った倉科さん。アトリエと住居が一緒になることで、たとえばペイントの硬化を待つ間、2階の住居でくつろいだり休息をとったりと、カラダに優しい仕事の仕方ができるようになったそうだ。アトリエが別々だった時は食事もコンビニやファミレスで済ませていたが、妻の手料理がすぐに食べられる。
「いつも家に居るので、『クルマで買い物につきあって』と妻に用事を言いつけられやすくなった、という思わぬ誤算はありました(笑)。けれど、子どもたちが頻繁に2階から降りてきて話しかけてくれたりと、住まいと仕事場を一緒にして本当によかったと思います」