Green
グリーン&アンティークを身近にオリジナルのアレンジで
フランス流癒しの空間を
感性あふれる緑のオアシス
植物とアンティークを融合させた、フレンチスタイルのガーデン施工が人気の「BROCANTE」。そのオーナー松田さんの自宅は、ヨーロッパの田舎にひっそり佇む一軒家のように趣があり美しい。
「築40年前の家を見つけてリフォームしました。古い家でもアイデア次第で楽しいものになります。遊んでみようという気持ちで色々と手を加えていき、このようになりました」
エントランスにはまるでグリーンのアーチのように、多彩な植物が生い茂る。新緑のニセアカシア・フリーシアに目を奪われ、家の中へと招き入れられると、そこにはアンティークで彩られた、モダンにしてノスタルジックな空間が広がっていた。
DIYで古びた雰囲気に
グリーンで満たされたテラスに面したリビングには、ヨーロッパの古いテーブルや椅子、キャビネット。錆びついたアンティークの鳥かごやスチール製のロッカーに観葉植物を合わせたコーディネートが、ブロカント(蚤の市)の雰囲気。
「好きなものを集めていったらこうなったという感じで、~風というのを意識したわけではないんです。色々と想像をめぐらせ、アイデアを出して空間を創っていくのが好きですね」
凹凸のある壁の塗装に、節目や割れ目のある床材。ドアはフランスのアンティーク。
「床には古い奈良材を使いました。日本の家は素足で歩くので、きれいな材質のものを使うのですが、私たちは傷のあるものの方が、却って味が出ると思うんです。扉も、サイズに合わせて選ぶのではなく、初めにドアありきで考えました。使いたいドアに合わせてまわりの壁を削って調整したんです。多少ゆがんだり隙間が空いたりしても、自分たちが住むのだから問題ないですし」
キッチンは、フランスで買ってきた古い作業台をアレンジ。大理石の天板をくり抜いてオーダーで頼んだシンクを夫・行弘さんが取りつけた。
「キッチンの床のタイルを貼ったり、収納棚を取り付けたり、知り合いの左官屋さんにも頼みつつ、自分でできるところは自分でやりました。うまくいかないこともありますが、いろいろチャレンジして自分たちの住む家を作りあげていくことは楽しいですね」
植物と暮らす楽しみ
経年変化の魅力を感じさせるインテリアに、観葉植物が効果的に取り入れられた室内は、癒しに満ちた雰囲気。しかしこれはプロならではの技ともいえる。
「植物は日陰や日向、湿気の有り無しなどの相性があるので、それをよく調べて買う必要があります。自分のライフスタイルに合っているかどうかを見極めることも大事ですね」
松田邸では、部屋の中では比較的丈夫なシェフレラやフィカス類を育てている。家の中で育てる植物はできるだけ日陰に強いものを選ぶことが大切。また、観葉植物を買うなら、春先がいちばん適応しやく、よいシーズンだという。
「庭ではビワやブルーベリーなどの果樹を育てるのも楽しいです。鑑賞用としてだけではなく、収穫の喜びもうちでは堪能していますね」
アンティーク雑貨を販売する「BROCANTE」の軒先では、春はツルバラ、初夏にはアジサイが咲き、秋になるとブドウがたわわに実る。四季折々の変化が、訪れる人の心を和ませている。
グリーンのある生活
「季節感が感じられる生活に、グリーンは欠かせませんね。グリーンがあるとリラックスできるし、植物のない生活なんて、私たちには考えられません」
行弘さんは20年程前、ガーデニングを学びに渡英。足を延ばして訪れたフランスでの経験が、今の仕事につながっている。
「向こうでは、ベランダなどの小さなスペースであっても、そこで植物を育てて楽しんでいる家が多いんです。そういう生活を日本でも紹介したいなと思ったのが、この仕事を始めるきっかけです。フランスは、園芸色が濃いイギリスのガーデニングと比べると、もっと気楽で生活に根差しているんですね。難しく考えなくても、好きな花を植えたりして、生活の一部として楽しめばそれでいい、そういう感覚が肌に合いました」
今も年に2~3回買い付けにフランスを訪れるが、好きなのはプロヴァンスなどの田舎の村。友人宅に泊まったりして、そこで目にするものにインスパイアされていく。
「植物を取り入れたり、古いものをアレンジして使ったり、生活を心地よいものにしていこうという感覚に惹かれますね。彼らから刺激を受けることが、庭や空間づくりに活きてきます。さて、次は何をしようかと夢が膨らんでくるんです」