Green

グリーンと暮らす とらわれない発想で、
自分なりの味出しを愉しむ

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頑張りすぎない感じがちょうどいい

数々の店舗のガーデンデザインを手がけ、都内に4店舗のショップも展開する気鋭のガーデンスタイリスト、川本諭さん。多くのファンを持つシャビィでジャンクな独自のスタイルの秘訣とは何か。その自宅に伺うと、そこはどこか懐かしい味わいと、安らぎに満ちていた。

「インテリアが揃えばみんな満足してしまいがちですけど、そこに植物があることで癒しが得られます。植物を取り入れると、空間に命が吹き込まれ、活き活きしてくる感じがビンビン伝わってくるんです。もともと僕は、植物は好きだったんですけど、高校生のとき、ある店で、枯れかけたミルクブッシュを格安でゆずってもらって育てたら、すごい勢いで育ったんです。そこから植物の持つ力、生命力に魅了されていきました」

しかし、そのスタイルは、ただ空間にグリーンを取り入れる、というものではもちろんなく、隙のない美しさを追求するものでもない。

「頑張りすぎると肩が凝っちゃう。造られすぎていない感じがちょうどいいんです。きれいに剪定された昔の庭より、適度に力が抜けている感じが、ぼくにとっては居心地がいいですね。何々風というのも好きではないです。ヨーロッパっぽさも、アジアっぽさも混ざっていていいし、とらわれ過ぎない方がいい。庭もインテリアも、生活の一部に溶け込んだ状態でないと無理があると思うんです」


築50年の中古住宅を自ら改築。アンティークの家具、アーティストによるランプが味を出している。
「植物は立体的に見せたほうがいい」と川本さん。四方からの眺めが楽しめる。
ホヤを上から垂らし、植物と相性がよいという「アスティエ・ド・ヴィラット」の皿などとコーディネート。脚立はこの家にもともと置いてあったものを使用した。


古いものを空間に活かす

室内は、天井から吊るしたアイビーなどの観葉植物、古い脚立を利用した植物の棚など、グリーンを活かしオリジナルにコーディネート。それらが、川本さんが気に入って買い集めた、アンティークの家具や雑貨と自然な感じでなじんでいる。

「新しいものは、ぼくにとっては疲れるんです。さびた鉄の感じとか、古木やテラコッタといった、自然のもので、経年変化がかいま見られるものが好きですね。かといって、古いものばかりでもそれはそれで疲れる。適度にバランスのとれている空間が和めます。リラックスできなければ、意味がないですからね」


「ジャーナル スタンダード ファニチャー」のソファ、フランス製のアンティークベッドなど、お気に入りの家具を揃える。

新しいものをわざわざ購入するのではなく、使っていない椅子があれば、それを台や棚として活用するなど、手持ちのものを活かしてインテリアにするのもいい、という。そんな何気ないアイデアと、時を経たものの持つ魅力が、味出しの空間を生むのかもしれない。

「フックひとつあれば、観葉植物を天井から吊り下げてみたりもできます。平面に置くより、立体的に見えていいんです。植物は垂れ下がるもの、まっすぐ伸びるもの、それぞれの特性がありますから、それを活かしてあげることですね。とんがったもの、丸いものなど植物のいろいろな形をうまく組み合わせてミニガーデンをつくるのもいいです」


ユーカリの葉をシェードがわりにするという見事な発想。「ただし、ワット数を考えて」
自然な芳香が楽しめる「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のポプリが香る。


多肉植物は、インドアで育てるなら窓際がおすすめ。
アンスリウム。つまり造花。うまくインテリアに取り入れると面白い。


四季の移り変わりが楽しめる庭で。
つくりすぎない、さじ加減が大切。


プロフィール
川本 諭 ガーデンスタイリスト
東京・三宿の「GLOBE GARDEN」の立ち上げに参加し、自らのガーデンスタイルを確立。その後「Green Fingers」としての活動を行う。現在はガーデンデザイン、スタイリングだけでなく、服や雑貨のデザインも着手。アジアの工場に、自らデザインしたタイルなど、オリジナルの雑貨も発注している。


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川本さんセレクトの商品が手に入る、「Green Fingers」。三軒茶屋、代官山、二子玉川に続いて、青山店も7月にオープンしたばかり。
http://green-fingers.jugem.jp