Green
住宅地の中の〈モダンな山荘〉家、庭、食、遊び、
基本はすべて“自然”
「私は田舎が柏崎なんですが、避暑地みたいに快適で、夏の家って感じなんですね。あと、大学のときのゼミの先生が八ヶ岳に山荘を持っていて、いつも行っていたんです。今も1年に2回ぐらい行きますが、そこも、夏の家みたいで、自然に溢れていて…」
遊びも家も自然志向
夏には緑があたりいっぱいに生い茂る自然環境のもとで育った奥さんは、自然遊びも大好きだという。キャンプに釣りに、春先にはクロスカントリーも。夏には、7、8回は泊まり込みで海、山、川へ家族で遊びに出かける。
「うちの旦那さんが登山が好きなんですが、子どもがまだ5歳なので去年あたりからの旅行は登山をかねたハイキングが多いですね。それと川遊び」
奥さんのお友だちなどには、白塗装の壁でモダンなテイストの加わった室内が“素敵”と評判がいいそうだが、その子どもたちはと言えば、山荘風のつくりに野生の血が呼び覚まされるのか1階の布製のブランコに大喜びで取り合いになり、中には、2階から1階リビングのソファまで飛び降りる猛者までいるという。
この家の道路側には奥さんが経営するパン屋さんが隣接して立つが、家と同時に竣工したこのパン屋さんのコンセプトも、同じく“自然志向”で、山小屋をイメージしたものだという。
食も自然がいちばん
“自然志向”は、家だけにとどまらない。家の裏手にある畑では野菜を無農薬で栽培して、レタス、ミント、バジル、ナス、ブロッコリーなどは、パン屋さんでもけっこう使っているという。
自然な食へのこだわりが生まれたのは柏崎時代にさかのぼる。「私の子どもの頃から、母が無農薬の野菜を取り寄せて食べさせてくれていたんです。そういう野菜ってすごくおいしくて甘みが違うんですよ。それでたぶん食への関心が強いのかなと」
庭のテーマは香り
竹やミョウガ、クチナシなど、柏崎の実家から持ってきた植物のほか、多種類の草木が植えられた庭には、バラの名所だという近くの与野公園にちなんだバラのほか、ジャスミンやクチナシなど香りの強いものが多い。「パンのいい香りとお花のいい香りを嗅いで帰ってもらえたらいいなと思って」選んだものだ。
「実際、パンを買いに来て庭を見て行かれる人がけっこう多くて、いい香りねってお店の人に言ってきたり、あと、家に植えたいので名前を教えてくださいなんていう人もいらっしゃいますね」
山荘風の家の、草木に囲まれた庭先でのバーベキュー。大自然のもとでのように、さぞ食が進むことだろう。
設計 ファロ・デザイン
所在地 埼玉県さいたま市
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 92.75m2