Kitchen
陽光が似合う家ナチュラル空間に
思い出を詰めて住まう
自然志向の明るい空間
「2階に家族それぞれの個室があるのですが、そこにはみんなほとんどいません。いつも1階に集まって過ごしていますね」
明るい南欧風の佇まい。陽だまりに建つ堀川邸は、夫、妻、ふたりの息子、ひとり娘の5人家族+猫3匹。1階のリビング&ダイニングに、いつもみんなが集う。
「3年半前に土地から購入しました。間取りも自分たちで考えて、こだわりたいところにはこだわって建てましたね」
リビングは吹き抜けが希望だったが、2階の部屋数を確保するために断念。その代わり天井を30センチ高くしてもらった。
「なるべく広い空間にしたいということと、珪藻土を塗ったり、梁を見せたりして、ナチュラルな感じを出すことが希望でした。梁は、施工会社の人に古民家を解体して出た資材を売っているお店に連れていってもらい選びました。ドアは別会社に依頼して選び、アンティークのステンドグラスをはめ込んでもらったんです」
1日を過ごすキッチン
広い空間に温かさが添えられているのは、妻・望美さんのこだわりとセンスによるもの。
「特にこだわりたかったのはキッチンです。私は1日を通してキッチンにいることが多いので」
自宅で料理教室を営む望美さん。教室のための仕込みをしたり、家族の食事を作ったり、キッチンは大切な仕事場である。そのため、使いやすさをいちばんに考えた。
「シンクやキッチン台はサイズに合うものを探し、台の上はタイル貼りのものを選びました。食器棚は造りつけで空間にぴったりと収まるように。お皿は取り出しやすくするため、縦に収納できるように考えました」
冷蔵庫上のデッドスペースも、ディスプレイに活用できるよう、棚を取りつけてもらった。昔使っていたサーモスのチェックの魔法瓶や、アンティークの雑貨などが飾られた、楽しいスペースとなっている。インテリア、雑貨にこだわる望美さんのブログを見て、家に興味を持って訪れる生徒さんも多いのだという。
好きな雑貨を飾り付け
「母の影響からか、雑貨や食器、インテリアなどが大好きで、収集癖があるんです(笑)」
その思いに火がついたのは、夫の転勤で過ごした2年間のアメリカ生活。
「向こうでは週末毎にアンティークタウンに家族で行っていましたね。高くて買えなかったものも、帰国前には思い切って買って帰りました」
アンティークの調理器具や時計、タイプライターなど、長年買い集めたものたちが、部屋中にあふれかえっている。
趣味を活かした生活の悦び
収集癖は食器にも及び、アンティークの棚には、ファイヤーキングやオールドパイレックスなどの食器の数々。
「ミルクガラスが昔から好きだったんです。1つ買ったら集めたくなるので我慢していたのですが、アメリカに行って火がついてしまいましたね。住んでいたニュージャージーの田舎では、とても安く手に入るんです。お店の人に“こんなのがいいの?”とか言われたりしていましたが(笑)」
この日、入れてくれたお茶のティーカップも、ファイヤーキングのミルクガラス。望美さんのこだわりが温かなおもてなしとなり、料理教室も大人気だ。
「教室を始めるために、夫が家を建てようと言ってくれたんです。以前は社宅だったのですが、今は好きなように家の中を変えられるので、楽しいですね」
望美さんの充足感が、家族の幸せを生み、みんなが集まる家となっているようだ。