Kitchen
自宅がキッチンスタジオに バリ風インテリアで
心地よい暮らし
茅ヶ崎を永住の地にしたい
神奈川県茅ケ崎市。海まで自転車で10分の地に、安藤裕司さん・こずえさん夫妻は家を構えた。転勤族で各地を転々としてきたお2人だが、「茅ヶ崎は、初めてずっと住みたいと思った土地でした」とこずえさん。サーフィンが趣味の裕司さんにとっても、海の近くは理想的な場所だった。
「家を建てる前に、この近くの賃貸の戸建てに2年ほど住んでいました。近所の方が野菜や果物を持ってきてくれたりと、気さくであたたかな人が多く、都会とは違った交流が楽しめ、すっかり気に入ってしまったんです。偶然、近くに良い物件が出たため、即決しました」(こずえさん)。
以前から、デパートや企業に出向いて料理を教えていたというこずえさん。「自宅で料理教室を開くことが夢でした」と、家づくりの構想はそこからスタートした。
料理教室を楽しむために使い勝手を重視
キッチンスタジオとしても使用する2階は、天井が高く、高窓からのたっぷりの光が降り注ぐ、開放的なワンルーム。対面式のキッチンを中央に設置し、回遊性をもたせた。キッチン前のカウンターや収納棚には、プロ仕様の調理家電、フライパンや鍋などの調理器具、食材、食器がオシャレに陳列。“見せる収納”にこだわり、料理教室に訪れる生徒さんたちの意欲をかきたてる。
こずえさんが主催する料理教室『Recette(ルセット)』は、当初はイタリア料理からスタートした。その後、生徒さんのリクエストに応え、和食やエスニック、中華などへとジャンルは広がり、初心者からベテランまで誰でも楽しめる料理を提案している。
「料理教室は、効率よく、短い時間でいろいろなものを作れるようにと考えています。そのため、キッチンの中ではなく、ガス台や作業台をリビングに出し、広々とした空間で生徒さんたちが自由に動けるようレイアウトを工夫しています。生徒さんが使用したものは洗い場にさげておき、合間を見て私が洗います。また、生徒さんが試食している間に私がデザートの準備をしたりと、キッチン内と外で同時進行できるよう使い勝手を第一に考えた造りにしました」。
約3時間半のレッスンのなかで、生徒さんたちに充分に楽しんでもらいたいというこずえさんのおもてなしの姿勢が伝わってくる。
バリを意識したリゾートライクな空間
安藤邸に一歩足を踏み入れると、お香の良い香りがし、玄関にはカエルの石像が鎮座し、壁には木製のゲッコーが張り付いている。遊び心のあるバリ風インテリアでゲストを迎えてくれる演出は、裕司さんのアイディア。
「学生時代にバリ島を訪れ、サーフィン三昧の生活をしていました。海もいいですが、食べ物も美味しくて、人もあたたかくてね。すっかり魅了されて何度も訪れています。長いときは数か月いたことも。家を建てるなら、バリのリゾートホテルのような空間にしたいと思ったんです」。
リビングの床はタイル調に仕上げ、天井はダークブラウンの梁に、重厚感のあるシーリングファンを設置した。壁にはストーンカービングをはめ込み、天然木やラタン素材の家具で統一。程よいグリーンもアクセントになっている。
「雑貨や家具は輸入物なので、バリ雑貨のお店にこまめに通い、出会いを待ちます。やりすぎるくらいに徹底してバリ風にこだわることを楽しんでいます(笑)」(裕司さん)。
「この家に住んで6年くらい経ちますが、人との良い出会いが増え、運もよくなったと感じます。観葉植物もこんなに大きくなるのかというほどよく育つんですよ(笑)」(こずえさん)。
心地よいリゾートライクな空間で笑い声が絶えない安藤邸。そのお2人の笑顔が幸せを呼び込んでいるようだ。