Kitchen
古いものを活かして家も食も生活も。
素材の良さを味わう
![130916_akagi_eye 古いものを活かして 家も食も生活も。 素材の良さを味わう](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_eye.jpg)
自然に包まれる心地よさ
鎌倉の築50年を過ぎた1軒家。料理研究家の赤城美知子さんが、2人のシェアメイトとともに暮らす家は、南北の窓から風が通り抜け、緑が目に映る居心地のいい空間だ。
「住宅街なのに緑に囲まれているのが気に入っています。以前も鎌倉の平屋の家で暮らしていたのですが、街も家も雑貨も、古いものが持っている味が好きなんです」
入居にあたっては、床と壁に手を加えた。床には無垢材、壁には珪藻土。
「自然素材にはこだわりがありました。人工的ではないものの気持ち良さがあるんです。無垢材の床は、歩いてみると気持ちがよくて、夏はいつも素足で過ごしています。だんだんと色が変わっていく変化も好きですね」
壁の珪藻土は友人に手伝ってもらい、自分でペイント。網戸やキッチンの棚なども、知人の大工さんに作ってもらった。
「知り合いを頼りに、出来ることは自分でやって仕上げました。ここに来て、手を加えて生活することの楽しさを知りましたね」
![朽ちた雰囲気の木の外壁が味を出す、緑に囲まれた1軒家。周りは鎌倉の静謐な空気感が漂う。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_001-340x510.jpg)
![杉の無垢材を使った床。黒磯のROOMS(SHOZO CAFE)で購入したテーブルがよくマッチする。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_0031-340x510.jpg)
![玄関前を自由にディスプレイ。コンクリートブロックやアイアンの椅子など、友人からのもらいものが活躍。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_002-340x510.jpg)
![古いキャビネットは、前の住人の置き土産。珪藻土の壁の自然な風合いによくなじむ。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_004-340x510.jpg)
豊かな緑に和む
ダイニングの南側には、リスやモグラも姿を見せる庭があり、その向こうには裏山が。モミジ、サルスベリ、柿、山桜、金木犀…。あらゆる木々が四季折々の表情を見せる。
「年に2~3回、友人の植木屋さんに頼んで手入れをしてもらいながら、いろいろ教えてもらっています。木や植物のことはあまり詳しくなかったのですが、知識も増えてきました」
ミョウガ、シソ、バジル、枝豆、大豆など、家庭菜園で収穫したものは料理に活用。気候のいい時は、庭に置かれたベンチとテーブルで、庭を眺めながらお茶を飲むのも楽しみなのだそうだ。
![裏山につながる、緑豊かな庭。春は山桜、秋はモミジなど、家に居ながらにして鑑賞できる。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_003-340x510.jpg)
![リゾート地にいるかのような豊かな緑が心地よい。ベンチ手前の穴は、多分モグラが掘ったものだとか。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_004_3-340x510.jpg)
![前の住人であるアメリカ人のガラス作家の置き土産。電球をひねって灯りをつけるという、素朴さに感動。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_006-340x226.jpg)
![夏の暑さ対策はこれだけ。窓を開け放てば、夏でもエアコン要らずの風通しの良さ。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_008-340x510.jpg)
![棚の上には、季節の食材やドライフラワーなどをディスプレイ。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_007-340x226.jpg)
![これも前の住人の置き土産。使っていない黒電話を、インテリアとしてそのまま活用。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_009-340x510.jpg)
食もインテリアもシンプルに
ダイニングの中央には、古道具屋で見つけた大きなテーブル。その上には、前のこの家の住人であるアメリカ人のガラス作家が残していった、ガラスシェードの素朴なランプが吊られている。北側の窓の下には、友人が作ってくれた、アイアンと無塗装の板で組まれた素朴な棚があり、その上に、お気に入りの作家ものの食器をディスプレイ。
「ほとんどがもらいものと拾いもので成り立っている家なんです」
その飾らない素朴さと温かみが、この家に人を招き入れるのかもしれない。自宅で開催する料理教室も大人気だ。
「キッチンは収納があまりなかったので、棚を取り付けたりしました。なるべくものを増やさないようにして、必要なものだけをよく考えてから買うようにしてますね」
タッパーなどは同じ種類のものを揃えて、スタッキングすることですっきりと。キッチンの台は奥行きが浅く、ガスコンロが置けなかったので、友人から借りた年代もののコンロを2台。そのキッチンから生み出される料理は、素材の良さをそのまま活かした、自然志向のものだ。
「そのものの味がしっかりしていれば、特別な味つけはいらない、というのが辿り着いたところですね。お塩やオリーブオイルだけでも充分おいしいです。手を加えずに素材の味を楽しむこと、自然にあるものをおいしく食べる、というのが教室のテーマです」
![シンプルでコンパクトなキッチン。必要最低限の機能だけで、おいしく調理する技が見事。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_010-340x510.jpg)
![料理教室のレッスン用の調理器具。青森ひばのまな板、ル・クルーゼの鍋など、愛用の器具を揃える。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_012-340x510.jpg)
![教室でもプライベートでも、素材の良さを活かした料理にこだわる。「素材が良ければ、味付けはシンプルでいいんです」](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_0141-340x510.jpg)
![窓しかなかったキッチン前には、収納棚を取り付けて機能的に。裸電球で灯りとり。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_011-340x510.jpg)
![友人から借りた2台のガスコンロが活躍。インテリアのように部屋になじむ。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_013-340x510.jpg)
![キッチン台下の収納には、調味料などを整然と。取り出しやすいように配慮。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_015-340x226.jpg)
![よく使う食材は籠に盛っておく。ディスプレイとしても有効。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_016-340x226.jpg)
人と人がつながる街
自然志向の食は、毎日の生活にも活かされている。朝は手作りのグラノーラに豆乳かヨーグルトをかけたものか、新鮮な野菜や生フルーツのサラダが基本だとか。その食材は、鎌倉の市場や自然食品の店で購入。シンプルな食と生活を愛する赤城さんが、この街での暮らしを楽しんでいる様子が伺える。
「食に関しても満足していますが、人と人との距離が近いことが鎌倉の魅力なんです。いつもべったりするわけではないんですが、自転車でいける距離に住んでいる友人が多くて、たまに誰かの家に集まったり、そこで出会った人とまた友達になったり。そんなほどよい距離感、街の大きさが好きですね」
この日も鎌倉で知り合った友人と、夕方からバーベキューへ。人を招き合える環境が、豊かな生活をもたらしてくれる。
![手作りのグラノーラ。ナッツ類にはちみつなどを合わせてオーブンで焼く。香ばしさに病みつきになる。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_017-340x510.jpg)
![いろいろなものをもらう赤城さんだが、最大のプレゼントがこのクルマ! 「鎌倉の人って、よくものをゆずり合う」のだとか。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_019-340x510.jpg)
![朝ごはんによく食べるというサラダ。イチジク、ブドウ、アボカドの滋味豊かな食材が、身体にもうれしい。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_018-340x510.jpg)
![赤城さんは、オーガニックをテーマに、「野菜料理とお菓子の教室 toricot」http://www.toricot.com を開催。](https://img.100life.jp/2013/09/130916_akagi_020-340x510.jpg)