Outdoor
鎌倉の尾根筋の家中と外がゆるやかにつながる
大開口が気持ちいい
ロケーションを最大限に活かした設計
鎌倉の谷戸を見渡せる素晴らしい眺望。遠くに材木座の海もキラキラと輝く。しかも小高い山の尾根筋に建っているので、反対側の樹々の眺めも美しい。
この素晴らしい場所を見つけたのが、イギリスに20年お住いの古関千寿子さん。今も年に2ヶ月ほどは家族のいるイギリスで暮らしているのだそう。
「横浜に実家があるのですが、日本にも自分だけの拠点が欲しくなって見つけたのがここです」と千寿子さん。
「建築家の佐藤浩平さんは友人に紹介していただきました。千寿子と気が合うと思うから会ってみたら?、と。佐藤さんにお会いしてまず聞かれたのが、『残りの人生をどう過ごしたいですか?』でした。人生観からスタートした家づくりは、とても楽しかったです」
古民家の梁を柱に
完成した家は、ロケーションの魅力を最大限に引き出した形。両側に開けた大きな窓から、素晴らしい眺望が楽しめる。
地面にそのまま基礎のコンクリートを打っているので、家の外と中に段差がない。さらにテラスと家の中の床が同じ素材の石を使うことで、大きな窓を開け放てばどこからが家の中でどこからが外なのか、境界が曖昧になる。
冬は日差しで暖められたコンクリートが夜まで暖かく、太陽の高い夏は床面が照らされないので冷んやりと気持ちがいいのだとか。
柱に古民家の梁、壁にはイギリスのアンティークの煉瓦が使われ、年月が育んだぬくもりが感じられる。煉瓦の壁はゆるやかにカーブしているので、包み込まれるような安心感もある。インドネシアで買ったオランダのアンティークのブラケットライトや、日本の大正時代の外灯など、照明器具もアンティークのものをこだわって選んでいる。
薪ストーブを囲んで友と語らう
「友との語らいが人生の最高の贅沢です」と千寿子さん。友人を招いてゆっくり語り合える大きなテーブル、そして肩を並べて料理を楽しめるキッチン。
「薪ストーブを壁際ではなくリビングの中央に置いたのは、ストーブを囲んで友人と会話を楽しみたかったからです」
暖かくなったら、アプローチや庭の植栽にも挑戦したいとのこと。これからどのようにこの家が育っていくのか、とても楽しみだ。
所在地 神奈川県鎌倉市
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 87.84m2