Column
ニュー・パティスリー-1-ミニャルディーズ専門店
表参道「UN GRAIN」
ひとつまみサイズの菓子=ミニャルディーズ専門のパティスリー「UN GRAIN」が昨年11月19日、青山にオープンした。1つわずか約4〜5cmという小さなサイズでありがら、厳選した素材を巧みに重ね合わせ、調和のとれた味わいを表現。上品で可憐なミニャルディーズの世界を紹介する。
一粒に凝縮された独創的な世界
フレンチのコース料理の締めくくりに親しまれている、小さなデセール=ミニャルディーズ。「UN GRAIN」は、このミニャルディーズを専門としたパティスリーだ。場所は青山・骨董通り沿いにほど近い、落ち着いた雰囲気の南青山6丁目。シックな色合いでまとめた店内にL字型のガラスショーケースが配置され、そこに生菓子、半生菓子、焼菓子等の約40種類が並ぶ。1つが約4、5cmと小さなサイズでありながら、味わい、香り、食感、色彩のすべてが凝縮されたミニャルディーズは、あれもこれもと選ぶ楽しさに溢れている。見た目の華やかさと同時に食べた時の驚き、満足感を楽しめるミニャルディーズは、スイーツの新たな魅力を提案している。
世界でも珍しいミニャルディーズ専門店
ミニャルディーズに特化したパティスリーは国内初。世界でもあまり例を見ない。シェフ・パティシエを務める金井史章さんは、フランス三ツ星レストラン「レストラン ギイ・サヴォア パリ」、青山のビストロ「ブノワ」などで活躍していた人物。今回のミニャルディーズ開発には、これまでの知識や経験を生かしながら、常識を再構築する必要もあったという。「小さなサイズなので、素材1つの個性が強すぎると全てその味になってしまう。素材選びから味の足し引きを考え、焼きムラが出ないよう焼き時間の調整をするなど、一つ一つ試行錯誤しながら作り上げました」と話す。UN GRAINのミニャルディーズで表現したいことを聞くと、「何を食べたか、記憶に残る味わいを提供したい。そのために素材の甘味、酸味、苦味の調和を大事にしています。スイーツだからといって甘さだけを重ねるのではなく、塩味や柑橘系のフレッシュな味わいを加えることで味の輪郭をはっきりさせています」と話してくれた。
贈り物にも最適
通常、コース料理の食後に紅茶やコーヒーなど飲み物と共に提供されるミニャルディーズだが、UN GRAINの楽しみ方は食後のデザートに限らない。日常に寄り添い、ちょっと甘いものが欲しくなったとき、いつでも気軽に立ち寄ることができる。また、華やかで上品なルックスはプレゼントにも最適。ギフトボックスは透明のスタイリッシュな雰囲気で、そのままテーブルに並べても美しく見えるよう配慮されたデザイン。ちょっとした手土産やホームパーティなどさまざまなシーンで活躍する。