Column
東京のローカル-2-東京と奈良をつなぐ、
「ときのもり・LIVRER」
今年1月、白金にオープンした「ときのもり」は、奈良県の魅力を発信する新しいライフスタイルストア。この1階にあるのがショップ&カフェ「LIVRER」だ。奈良で絶大な人気を誇る雑貨カフェ「くるみの木」のオーナー、石村由起子さんが監修している。奈良県産の新鮮な野菜や伝統工芸、地元で活躍する作家の作品などさまざまなアイテムを石村さんの視点でセレクトし、紹介している。
店には「くるみの木」のファンはもちろん、新鮮な大和野菜や珍しいご当地食材を求めに訪れる人も多い。ここに並ぶ食品は、まず第一においしいこと。週に1回奈良から届けられる野菜は、土の栄養をたっぷりと吸収した濃い味わいのものばかり。さっと炒めるだけ、少しの調味料を加えるだけ、というシンプルな調理法で滋味深い一品が作れるという。加えて、パッケージデザインが秀逸なものが多いのも特徴。自家用にはもちろん、贈り物としても喜ばれるアイテムだ。
また、週に1度、秋篠の森で摘まれた野花も届けられる。東京の花屋ではあまり見かけないような素朴な可愛らしさが印象的で、束売りしているので、そのまま花瓶に活けて愉しむも良し、それぞれ1輪ずつばらして飾る楽しみもある。
また、オリジナルアイテムだけでなく、奈良を拠点に活動する作家の作品も紹介。ガラス作家の津田清和さんや、金属のテーブルウェアなどを制作している中村友美さんの作品は、食卓を美しく彩る実用的なアイテム。織物作家、土屋美恵子さんが作るティッシュケースやランチョンマットは手織りの質感が特徴で、使うごとに味わいが出てくるアイテム。布の風合いが最大限に伝わるよう洗練されたデザインにファンが多い。
店内には吉野杉で作られた棚やテーブルが置かれていたり、蚊帳で作られたカーテンがさりげなく使われていたりと、空間全体で奈良が感じられるしつらえになっている。太古から続く奈良の豊かな自然の中にいるような気分で、じっくりともの選びを楽しみたい。
カフェスペースの横には、そのときどきでテーマを設けて、セレクトしたアイテムを紹介。ここでは奈良に限らず、日本全国、世界各国の「いいもの」を基準にさまざまなものを販売している。「ときのもり」目線で厳選したアイテムが並び、奈良のものと合わせて使う楽しみも提案している。
東京都港区白金5-17-10
03-6277-2606
11:00〜18:00
月・火曜休