Column

ビューティアポセカリー-2-代官山「オフィシーヌ・
ユニヴェルセル・ビュリー」

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都内で人気のビューティアポセカリーを紹介する後編。今回は、今年4月にパリから上陸したアポセカリー風の総合美容薬局「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」へ。

世界中にファンを持つ、フランス・パリの総合薬局「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」。1803年、調香師のビュリーによってスタートしたブランドだ。彼の自由な発想から生まれた香水や基礎化粧品は、常に時代を牽引する存在だったという。その創業者の美容哲学を受け継ぎ、2014年にリブランディングしたのが、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックと彼女の夫、ラムダン・トゥアミだ。ヴィクトワールはビューティ雑誌のディレクターをつとめるなど長年美容業界で活躍、ラムダンはファッションシーンで活躍するアートディレクターとして知られている。
夫妻は昨年夏から日本に移住し、理想的な出店先を求めて、東京中のさまざまな場所を巡ったという。そこで出会ったのが、代官山に建つミニマムでモダンな建物。むだのないシンプルな佇まいに“東京らしさ”を感じ、ここに出店することに決めたという。訪れた人はまず、そのユニークな内装に驚くはずだ。細長い店舗はまったく違う2つの世界観で構成され、まるでトリックアートを思わせる。入り口から向かって右側がパリ本店と同じように19世紀初頭の薬局を再現したクラシカルな内装、左側は壁面の小窓にさまざまな植物を埋め込んだコンテンポラリーな雰囲気で、日本らしいモダンさを表現している。


代官山駅から徒歩5分程度。モルタルの壁面に浮かび上がる植物のアクアリウムが目印だ。
代官山駅から徒歩5分程度。モルタルの壁面に浮かび上がる植物のアクアリウムが目印だ。
店内はクラシカルとモダンが融合したユニークな空間。2つの空間を金継ぎによって継いだように作られており、細かなところにもこだわりが感じられる。
店内はクラシカルとモダンが融合したユニークな空間。2つの空間を金継ぎによって継いだように作られており、細かなところにもこだわりが感じられる。
巨大な陳列棚は、伝統的な技術を持つフランスの宮大工によって作られている。現在この意匠を手がけられるのは、フランス国内に数えられる程度の職人しか残っていないという。
重厚感のある壁面什器やカウンターは、伝統的な技術を持つフランスの宮大工によって制作。現在この意匠を手がけられるのは、ごくわずかな職人のみという。

ビュリーで使われている原料をはじめ、さまざまな植物を閉じ込めたアクリウム。まるで美術館にいるような感覚が味わえる。
原料として使われている草花をはじめ、さまざまな植物を樹脂の小窓に埋め込んだ壁面。まるで美術館にいるような感覚が味わえる。

ヴィクトワールとラムダンがビュリーのリスタートに向けて動き出したとき、現存するプロダクトは1つしか残っていなかったという。そのため、夫婦は一から製品開発に着手する必要があった。どんなアイテムがあり、どんな名前がつけられていたのか。過去の資料を徹底的にリサーチし、そこから着想を得て、良質な素材を求めて世界中を巡る。そして、その素材や香りが最大限に生かされるよう最新の技術を用いた製造方法を開発した。例えば、ブランドの代表的なアイテムに、オー・トリプル=水性香水がある。これはもともとアルコールが苦手なラムダンが開発した新しいタイプの香水で、植物本来の豊かな香りがつけた瞬間にふわりと香る印象的なアイテムだ。水性香水は一般的なアルコールやエタノールを使用した香水に比べて、揮発させて香わせるのではなく、肌に馴染ませるタイプ。また、乳白色のテクスチャーが特徴の水性香水には保湿成分が含まれているので、肌がなめらかになる。加えて、クラシカルなパッケージもビュリーの特徴の一つだ。優美な曲線を描くボトルや19世紀フランスの絵画を思わせるグラフィックは、バスルームやドレッサーなどに置くだけで気分が高揚するようなデザインだ。天然由来の良質な原料の魅力を最先端技術によって引き出し、クラシカルなパッケージをまとう。その2つのエスプリによってビュリーらしい唯一無二の世界観が生まれている。


奥に並んでいるのがブランドのアイコニックなアイテム、オー・トリプル(水性香水)。全12種類がラインナップ。使用する前に軽くボトルを振り、直接肌や髪にスプレーしてなじませる。
インテリアアイテムとして人気のブジー・パルフュメ(フレグランスキャンドル)。石油系由来成分とパラフィンを含まず、ススが出にくいのが特徴。大理石の台座とガラスドームが空間をエレガントに演出する。
インテリアアイテムとして人気のブジー・パルフュメ(フレグランスキャンドル)。石油系由来成分とパラフィンを含まず、ススが出にくいのが特徴。大理石の台座とガラスドームが空間をエレガントに演出する。
サヴォン・スゥペールファン(香りつき中性石鹸)は全11種類。肌に刺激が少なく、小さな子どもの肌でも安心して使うことができる。
サヴォン・スゥペールファン(香りつき中性石鹸)は全11種類。肌に刺激が少なく、小さな子どもの肌でも安心して使うことができる。
素焼きの土器から着想を得て作られたアラバストルは、置いておくだけでほのかに香るルームフレグランス。香りは全7種類。
素焼きの土器から着想を得て作られたアラバストルは、置いておくだけでほのかに香るルームフレグランス。スト−ンに落とすタイプの香りのエッセンスは全7種類。

南仏のジェルス地方に湧き出る温泉水を含んだオピア・ダンテール(歯磨き粉)。カルシウムやマグネシムを豊富に含み、口内環境を整えてくれる。オーラルケアはこれ以外に、オー・ドゥ・ラ・ベル・アレーヌ(マウスウォッシュ)、デンタル フロスを展開。
南仏のジェルス地方に湧き出る温泉水を含んだオピア・ダンテール(歯磨き粉)。カルシウムやマグネシムを豊富に含み、口内環境を整えてくれる。オーラルケアはこれ以外に、オー・ドゥ・ラ・ベル・アレーヌ(マウスウォッシュ)、デンタル フロス(日本未発売)を展開。

日本出店にあたり、新しく開発されたアイテムもある。日本で古くから愛用されている紙石鹸から着想を得た「フゥイユ・ドゥ・サヴォン」だ。これは、ビュリー仕様の紙ソープで、薄くて携帯しやすいので、出張や旅が多い人には特に喜ばれるアイテム。そのほかにも、スイスの職人によって一つずつ作られたコームや岐阜県美濃市の伝統的な櫛、ボディブラシなどケアプロダクトも充実している。加えて、ボックスやショップバッグにカリグラフィーをほどこすサービスやソープを対象とした刻印サービスもある。自分が選んだアイテムにプラスアルファを加えることで、さらにスペシャルなギフトになるというビュリーらしい贈り物の提案だ。
店舗では、対面接客をとても大切にしている。一人一人の肌の状態を聞き、最適なアイテムのプレゼンテーションを行う。オイル、パウダー、クレイなど豊富な商品をもとに、植物がもたらす効能や、それらがどういう環境で育てられているかなど商品の背景にあるストーリーを交えながら、プロダクトの魅力を広く伝えている。


世界中のオイルから厳選された、ビュリーの植物オイルコレクション。種類によってさまざまな効果・効能があり、使用できる箇所もさまざま。スタッフに相談しながらベストな1本を。
世界中のオイルから厳選された、ビュリーの植物オイルコレクション。種類によってさまざまな効果・効能がある。それぞれスタッフに相談しながらベストな1本を。
ミネラル豊富なクレイや、オイルと混ぜてマスクやスクラブとして使えるパウダーなどもラインナップ。肌のコンディションによって使い分けたい。
ミネラル豊富なクレイや、オイルと混ぜてマスクやスクラブとして使えるパウダーなどもラインナップ。肌のコンディションによって使い分けたい。
日本で先行発売中のフゥイユ・ドゥ・サヴォン(紙ソープ)。ローズ・ド・ダマス、リケン・デコス・フルール、ドランジェ・ドゥ・ペルカンヌの3種類がある。
日本で先行発売中のフゥイユ・ドゥ・サヴォン(紙ソープ)。ローズ・ドゥ・ダマス、リケン・デコス、フルール・ドランジェ・ドゥ・べルカンヌの3種類がある。
毛量、髪質、頭皮や好みの使用感によって、ベストなものを選ぶことができる櫛のラインナップ。スイスの職人が1本ずつ手作業で仕上げている。
毛量、髪質、頭皮や好みの使用感によって、ベストなものを選ぶことができる櫛のラインナップ。スイスの職人が1本ずつ手作業で仕上げている。
カーヴィングをほどこすスタッフ。ラッピングバッグやシールに指定した名前を入れることができる。
スタッフによるカリグラフィーサービス。外箱のラベルや薬袋に、名前やメッセージを入れることができる。


サヴォン・スゥペールファンは外側のパッケージシールを自由に選ぶことができる。
サヴォン・スゥペールファンは外側のパッケージシールを自由に選ぶことができる。

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー本店
東京都渋谷区恵比寿西1-25-9 B1F
0120-09-1803
11:00〜20:00
無休