Interior
豊かな食卓-2-渡辺有子さんのショップ
「FOOD FOR THOUGHT」
豊かな食が広がる空間を紹介する後編。今回は4月1日にオープンした、料理家の渡辺有子さんのセレクトショップ「FOOD FOR THOGHT」(フードフォーソート)。
素材の味を生かした、シンプルな料理に定評のある料理家の渡辺有子さん。季節を取り入れたレシピはもちろん、器やカトラリーなど食の周りにあるものの選び方も多くの人に支持されている。そんな渡辺さんがセレクトショップをオープンさせた。場所は代々木上原の静かな住宅街のほど近く。街と暮らしが密接しているエリアだ。ミニマムで洗練された空間は、インテリアデザイナーの片山正通さん率いるワンダーウォールが手がけた。漆喰のカウンターをメインにしたシックな店内に渡辺さんの審美眼に適ったシンプルなアイテムが置かれている。美しいルックスに加え、心地よさを感じたり、長く使いたいと思える器や道具などだ。店名の「FOOD FOR THOUGHT」は、渡辺さんの料理教室と同じ名前。“生きるためのヒント”という意味があり、この場所を通じて、暮らしを豊かにし、楽しむためのヒントを見つけて欲しいという想いが込められている。
ここに並んでいるのは、日本の作家ものや海外の器など。現在は、フランスの古い白磁が多く並ぶ。もともと自身の料理教室でも白の器をメインに使っているという渡辺さん。「白の器」と一口にいってもさまざまな色、ニュアンスがあり、選ぶ楽しさがある。また、料理の色が映えるのも白い器ならでは。現在は、パリの蚤の市で見つけたものがメインで、ミート皿、スープ皿、ブレッド皿など種類別で作られたものが多く、メーカーや制作年はバラバラでも、大きさが共通しているので合わせやすく、収納もしやすい。また、上質なキッチンクロスもラインナップ。こちらは使いやすい大判サイズで、食器拭きとしてはもちろん、テーブルランナーとしても使えて便利。オープン当初は銀食器好きの渡辺さんが選んだシルバーのカトラリーも入荷。現在は、在庫が少なくなってしまったが、今後も出会いがあれば、再び店に並ぶ可能性もある。古い器や作家ものの器は一点もの。訪れるごとに新しい出会いが待っている。
オリジナル商品には、自家製の季節の瓶詰めが登場。フルーツのジャムや豆のマリネ、野菜のピクルスなど、その時々の旬の味わいを詰めてセットで販売している。白いんげん豆やうずら豆、オリーブオイルのマリネはお肉の付け合わせやサラダに混ぜてもいい。高知県産の文旦ジャムは苦味がしっかり効いた印象的な味わいだ。また、リネンのエプロンも人気。ギャザーやタックなど手縫いで仕上げた独特のシルエットはふだんのコーディネートに柔らかさがプラスされる。
日本人作家の作品にも注目。木工作家・吉川和人さんが手がける、木のカッティングボードはテーブルの主役になるような雰囲気のある作りが特徴。樫やチェリー、ブラックウォルナットなど木目を生かした表情はシンプルな料理が一層映える。店内の壁には画家、山本祐布子さんの原画がさりげなく飾られ、空間に温かみをプラスしている。どのアイテムも店主の渡辺さんが実際に使い、味わい、気に入って選んだ自慢の一品。一つ一つの出会いを大事に、お気に入りをじっくり選びたい。
日本人作家の作品にも注目。木工作家・吉川和人さんが手がける、木のカッティングボードはテーブルの主役になるような雰囲気のある作りが特徴。樫やチェリー、ブラックウォルナットなど木目を生かした表情はシンプルな料理が一層映える。店内の壁には画家、山本祐布子さんの原画がさりげなく飾られ、空間に温かみをプラスしている。どのアイテムも店主の渡辺さんが実際に使い、味わい、気に入って選んだ自慢の一品。一つ一つの出会いを大事に、お気に入りをじっくり選びたい。