Renovation
NYからリノベーションを依頼北鎌倉の自宅に戻り
久しぶりの日本文化を堪能
1階はセミパブリックなスペースに
北鎌倉の緑豊かな場所に佇む青木夫妻のお宅。ここに1年ほど住むと約11年間の海外転勤となり、その間は借家として貸し出していた。
今回はそのような事情から、NYに住みながらの遠隔リノベーション依頼となった。建築家の宮田一彦さんに、手持ちの家具をメールで送るなどして、打ち合わせを重ねたのだそう。
「NYに住んでいた時に家で勉強会を開いていたので、鎌倉の家でも同じような空間を作りたいと思っていました」と青木理恵さん。
1階はセミパブリックなスペースとしてセミナーや料理教室を開催できる場所に。スタインウェイのグランドピアノを置いてもなお広々と使える空間ができあがった。
「『青木山荘』と名付けて、お茶会やお稽古ごとに使っていただけるスペースにしています」
そして、2階はご夫婦ふたりのLDKと寝室・書斎のあるプライベートな空間としている。
ハイスツールで囲むダイニング
NYや香港など、計21年以上海外で暮らした青木夫妻。滞在先の海外で購入した西洋の家具が、引き戸などの古い日本の建具を使ったリノベーションにしっくりと馴染み、その両方を引き立てあっている。
ハイスツールに座って食卓を囲めるダイニングテーブルは、真ん中にコンロがあるので、ここで温かい食事を囲んだり、料理教室をすることもできる。
「夕食は1階で、朝と昼は2階でとることが多いです」
1階の離れには茶室もある。
「ここはもともと建築家の丹下健三さんの弟さんご夫妻が住んでいらしたお宅で、茶室は丹月流の造りで水屋もあります。
飛び石、つくばいを通って庭から茶室に行くこともできます」
月見台で四季の移ろいを楽しむ
2階が青木さん夫妻のプライベートな空間になっている。
「窓から見える樹々がとても美しかったので、窓を大きくして緑がよく見えるようにしたいとリクエストしました」
月見台は引っ越してから追加で付けたのだそう。
「リノベーションする前は寒い家でしたが、今は暖かく快適に過ごしています。この辺りの気候や湿気のことをよくご存知の、鎌倉在住の宮田さんにお願いして良かったと思います」
北鎌倉のこの家に越して2年が経った。
「庭は今まで手付かずでしたが、これから苔庭を作ろうと思っています。茶道をされている庭師さんにお願いしているので、きっと素敵な庭を作ってくださると思います。とても楽しみにしています」