Renovation
インテリアスタイリストの自邸 時を超えて再会した
ヴィンテージハウス
若い頃に住んでいた家を購入
昭和31年竣工、築65年という中野区内のヴィンテージハウスに住むインテリアスタイリストの窪川勝哉さんと編集者の寿子さん。
「オーナーが替わるたびに改変を重ね、庭だった場所にはどんどん増築されて、倍以上の広さに拡張しているようです(笑)」
玄関側が元々の家。梁の向こう側は増築されたスペースなのだとか。
なんと窪川さん、若い頃にこの家を借りて住んでいたことがあるそう。
「妹と友人の3人でシェアしていました。ある時、その思い出の家が売りに出されているのを不動産のウェブサイトで偶然見つけました。とても気に入っていた家だったので、購入を決断しました。30代の頃です」
窪川さんの仕事以外の趣味といえば、日々のヴィンテージハウスと、ヴィンテージカーのリサーチ。その不動産チェックの趣味がなければ再会はなかったと目を細める。
外国っぽさの秘密は光
「遊びに来た友人に、外国の家にいるようだとよく言われるのですが、最近その理由がわかりました。明るすぎず、外光が家の中を回っていないためだと思います」
確かに、特に1階は昼でも照明が必要なほど仄暗い。陰影が古い家に深みを加えている。
もちろん家具や雑貨が年代もの、そして様々な国籍のものをMIXして配置されていることもあるだろう。ヴィンテージの空間にヴィンテージの家具が映える。たくさんの家具を見てきたインテリアスタイリストの窪川さんのセンスの賜物だ。
水回りは古いものを生かした
以前に住んでいた時に水回りの設備がしっかりしているのはわかっていたので、リノベーションはそれ以外の部分に注力し、キッチンや風呂場は古いものをそのまま残した。
「玄関からリビングを通らずに洗面所に行けるドアを作りました。リビングでアシスタントが徹夜で作業中にこっそり帰っても、邪魔しないように家の中を移動できます(笑)」
古いものにはそれぞれ、月日が育んだ物語がある。お二人がこの家の65年のストーリーを引き続き、さらに豊かな歴史を刻んでいる。