Style of Life
アットホームな料理教室食と暮らしを
ナチュラルに楽しむ
「料理教室ができること」が条件
横浜駅から地下鉄でひと駅、最寄り駅から徒歩2分という便利な立地に建つ築25年ほどの戸建。この家に住むのは、料理家の五味幹子さん、横浜港を起点とするチャータークルーズ運行の仕事をする夫の岳さん、愛犬のエアーだ。
五味さん一家がこの家に引っ越してきたのは4年ほど前。駅近とは思えないほど緑が多くて落ち着いた環境や、窓が多くて開放感があるところに魅力を感じたという。
また、物件選びにおいて何よりも重視したのは、“料理教室ができること”だった。「自宅で料理教室をしたいと考えていたので、広めのダイニングキッチンがあること、生徒さんが通いやすい場所であることがゆずれない条件でした」(幹子さん)。
しみじみ美味しい家庭料理
幹子さんがこの家で4年前から主宰している料理教室の名前は「ハレとケ」。四季折々の恵みや昔ながらの日本の食材を使った、食べるとホッとするような家庭料理を伝えていて、遠方から通うファンも多い。「私の料理の原点は、母や祖母がつくってくれた家庭料理。いつも食卓には季節を感じるお料理が並んでいて、それが本当においしかったんです。大手料理教室の講師、料理研究家のアシスタントなどいろいろな経験をさせていただきましたが、最終的には自宅でアットホームに、しみじみと美味しい家庭料理をお伝えしたいと思うようになったんです」。
そんな幹子さんの料理の特徴は、自然の味わいを大切にすること。化学調味料は一切使わず、自然素材にこだわった調味料や手づくりの塩麹などで、新鮮な旬の恵みの滋味深さを生かした調理をすることを信条としている。さらに、毎日つくりたくなる、食べたくなることをテーマにしているので、難しいことや小洒落たことは一切なし。美味しくできるポイントは抑えつつ、手間や材料を省いてくれているのも人気の理由だ。また、幹子さんは“一生ものの鍋”として人気の「ル・クルーゼ」の専任アドバイザーをしていた経歴もあり、ル・クルーゼの鍋の使い方や選び方の相談にも乗っている。
1回完結型で気軽に参加できる教室のテーマは毎回趣向が凝らされていて、旬の食材を使った和食、塩糀を使ったメニュー、手打ちうどん、自宅でつくるインド料理など実にさまざま。レシピを完成させる陰の功労者は岳さんで、いつも試食係をしているそうだ。「実は僕の母親も料理の先生で、子どもの頃から試食係でした。そういう星のもとに生まれたのかな」と笑う岳さんに「頼りにしてるよ!」と幹子さん。
海や自然を感じる住まい
五味さん夫妻は、揃って小笠原諸島の父島でスキューバダイビングのインストラクターをしていたという経歴の持ち主。海や自然が大好きだという2人が暮らす住まいは、ナチュラルなテイストのインテリアで統一されている。「自然を感じられるもの、温かみのあるもの、長く使えるものが好きなんです。以前に間に合わせでステンレスの棚を使っていたときは『なんか違うな』と違和感がすごかったですね(笑)」と話す幹子さん。また、今でも海に出る仕事をしている岳さんは、海の魅力を笑顔で語る。「横浜港を起点とした貸切のクルーズ船を運行する仕事をしているのですが、海は毎日表情が異なるので、飽きることがないんです。スキューバダイビングの仕事でも今の仕事でも、お客様に海のパワー、自然の素晴らしさを感じていただくことをモットーにしています」。
そんな2人がつくりあげた住まいは、自然の中にいるような落ち着いた雰囲気が特徴で、料理教室の生徒さんにも「すごく落ち着く」と大好評。
自分たちらしくナチュラルに暮らす
温もりいっぱいのこの家で、シンプルで気取らない家庭料理を発信し続ける幹子さん。食材や調味料、レシピのアイデアについて笑顔で話す姿からは、料理を心から楽しんでいることが伝わってくる。
一方の岳さんがこの家で心から楽しんでいるのは、趣味の音楽。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランなど、洋楽ロックの大ファンで、15歳からコツコツと集めたCDコレクションはなんと3,000枚以上。「自分でセレクトしたプレイリストを、リビングでゆっくりとお酒を傾けながら聞く時間は格別です」と微笑む。
自分たちらしく、料理や暮らし、音楽を楽しむ五味さん夫妻。居心地抜群のこの家は、これからも2人の暮らしに寄り添っていくのだろう。