Style of Life

憧れの平屋暮らし米軍ハウスをリノベーション。
タウンの住心地も抜群。

憧れの平屋暮らし 米軍ハウスをリノベーション。 タウンの住心地も抜群。

落ち着ける家を作りたい

埼玉県入間市に、樹々の間に平屋の米軍住宅が並ぶ『ジョンソンタウン』と呼ばれる地区がある。広告やメディアの制作を行うクリエイティブディレクターの曽根原興史さんは、撮影の下見のためにここを訪れた際、いつかは住んでみたいと思ったそうだ。

「とはいえ都内からは距離がありますし、妻はヘア&メイクなので、重いメイク道具持ってここから仕事場へ通うのは厳しいと反対するだろうと思っていました。ところが、以前住んでいた世田谷区の保育園問題で頭を悩ませていたのですが、ジョンソンタウンのすぐ側にある保育園には空きがあるとわかりました。さらに近所のスーパーマーケットや美味しい野菜が買える場所、自然豊かな環境などをリサーチして、ここに住むメリットを妻にプレゼンしました(笑)。めでたく採用となり、念願の米軍ハウス暮らしの夢が現実になりました」

ジョンソンタウンの米軍ハウスは、賃貸でありながらリノベーションが可能なのも魅力なのだとか。
「入居を決めた際、この家はちょうどリノベーションの途中でしたが、天井を抜いて欲しいというリクエストは間に合いました」
そしてDIYで壁や扉を塗ったり、キッチンの扉を変えたり、好みの内装に仕上げていったそう。

「この街の住人は、みなさん米軍ハウスが好きで住んでらっしゃる方ばかりなので、趣味が似ていることもあって、コミュニティの良さは抜群です。
住民のカメラマンやロケバスの方と一緒に仕事をさせてもらっていますし、プロップ用にクルマを借りたり、大工仕事を手伝っていただいたりと、公私ともに仲良くさせていただいています」

「アメリカのアンティークショップで、集合写真をたくさん買いました。その中に自分たちの写真をさりげなく混ぜています」
「アメリカのアンティークショップで、集合写真をたくさん買いました。その中に自分たちの写真をさりげなく混ぜています」
リノベーションの際、天井を抜いた。「米軍住宅は、木造でも空間を広く取れる梁の構造になっています」
リノベーションの際、天井を抜いた。「米軍住宅は、木造でも空間を広く取れる梁の構造になっています」
曽根原さん一家は、興史さん、絵理子さん、7歳の翌太くん(登校中でこの日は不在)、2歳の百嶺ちゃんの4人家族。窓の向こうは以前のオーナーが増築した部分で、今はストックルームとして使っているそう。
曽根原さん一家は、興史さん、絵理子さん、7歳の翌太くん(登校中でこの日は不在)、2歳の百嶺ちゃんの4人家族。窓の向こうは以前のオーナーが増築した部分で、今はストックルームとして使っているそう。
キッチンはリフォーム済みだったが、扉を曽根原さんの好みの木目のものに変えた。
キッチンはリフォーム済みだったが、扉を曽根原さんの好みの木目のものに変えた。
ドアをDIYでペイント。ペンキがところどころ剥がれてきて、いい感じの味が出ている。
ドアをDIYでペイント。ペンキがところどころ剥がれてきて、いい感じの味が出ている。
念願の平屋の米軍住宅。ファサードは以前の住人が増築している。庇に伸びたモッコウバラなど、植栽が素晴らしい。
念願の平屋の米軍住宅。ファサードは以前の住人が増築している。庇に伸びたモッコウバラなど、植栽が素晴らしい。
テラスには大きな屋根がかかっていて、アウトドアリビングとして気持ちよく過ごせるスペースになっている。
テラスには大きな屋根がかかっていて、アウトドアリビングとして気持ちよく過ごせるスペースになっている。
玄関の扉はDIYでブルーにペイント。扉ののぞき窓のカーテンがかわいい。鍵は玄関入ってすぐの場所にとりつけたフックへ。
玄関の扉はDIYでブルーにペイント。扉ののぞき窓のカーテンがかわいい。鍵は玄関入ってすぐの場所にとりつけたフックへ。

仕事場の壁は自分でブルーにペイント

ひと部屋を曽根原さんの仕事場にしている。

壁は自分でブルーにペイントしたのだそう。
「漆喰にすることも考えたのですが、この時代のアメリカの住宅はペンキが似合うよとアドバイスいただきました。ペイントにして正解でした。ここで物撮りの撮影をする機会があるので、小物が映える色を選びました」

米軍ハウスはDIYを楽しめる家でもあるのだとか。
「DIYで家に手を入れるのが好きな方が向いていると思います。ありがたいことにDIYが得意な方が多く住んでらっしゃるので、いろいろと相談に乗っていただいてます」

両袖のデスクに、レザーのイームズのアームシェルチェアを合わせて。
両袖のデスクに、レザーのイームズのアームシェルチェアを合わせて。
「この事務所スペースも、前に住んでた方が増築しているようです」
「この事務所スペースも、前に住んでた方が増築しているようです」
キャビネットの上の弾薬箱は小物の収納用に。「ミリタリーものには目がないです」
キャビネットの上の弾薬箱は小物の収納用に。「ミリタリーものには目がないです」
横に長いデスクと、軍ものの折りたたみ式チェア。
横に長いデスクと、軍ものの折りたたみ式チェア。
事務所スペースの外側には枕木が敷き詰めた。「枕木をネットで120本買い、自分で敷きました。引き取りに行って、運んで、敷いて……重労働でした(笑)」
事務所スペースの外側には枕木が敷き詰めた。「枕木をネットで120本買い、自分で敷きました。引き取りに行って、運んで、敷いて……重労働でした(笑)」

レンタルスタジオをリノベーション

曽根原さんは、家から徒歩1〜2分、同じ『ジョンソンタウン』内にある撮影用のレンタルスタジオの運営もしている。
「ここに越してきて5年が経った頃、以前もスタジオとして使われていたこの建物に空きが出まして、スタジオ経営に名乗りを上げました。内装デザインを新たに行ってリノベーションし、スタジオ『TACOMA』としてオープンさせました」

日本の住宅は“センチ”を単位にして設計しているけれど、“インチ”を使うと、どこかしらアメリカらしい建物になるのだそう。
「家具の制作や内装をお願いした『リクレイムドワークス』の岩田さんに、そんな重要なヒントをいただきました!」

スタジオは撮影以外にも様々な使い方をしているのだそう。
「ホームパーティをすることもあります。卓球台を持ち込むとかなり盛り上がります(笑)」

「アメリカ西北部、ポートランドをイメージしてスタジオを作りました」
「アメリカ西北部、ポートランドをイメージしてスタジオを作りました」
「トラス構造は内部空間を広くとれることが特徴です。右側に見える柱2本は不要なのですが、スタジオとして空間を分けるために敢えて立てています」
「トラス構造は内部空間を広くとれることが特徴です。右側に見える柱2本は不要なのですが、スタジオとして空間を分けるために敢えて立てています」
アメリカの古材で作ったダイニングテーブル。スツールで座ってちょうどいい高さにしている。
アメリカの古材で作ったダイニングテーブル。スツールで座ってちょうどいい高さにしている。
トラス構造がよくわかる梁。
トラス構造がよくわかる梁。
壁を黄色に塗り分けた高さもインチで決めた。
壁を黄色に塗り分けた高さもインチで決めた。
「バスルームはNY風のデザインにしました」
「バスルームはNY風のデザインにしました」