Architecture
アメリカンスタイルの家づくり明るく開放的なスペースで
家族とゆったり暮らす
アメリカから帰っての家づくり
「インスピレーションはアメリカの生活からかなりきているかもしれませんね」。家づくりについてこう語る齋藤さんの一家は、齋藤さんの仕事の関係でニューヨークとセントルイスで計6年半暮らしたという。
奥さんも「アメリカから帰ってきた直後だったので、アメリカの家がすごくいいなと思った」という。そして「オープンキッチンで、リビングとダイニングがつながった大きな空間に憧れて」建築家にそうした空間をリクエストしたと話す。
リビングのコーナー部分に設けられた窓は出窓になっているが、これもリクエストしたものだった。
ごろっとできる出窓スペース
「雑誌などを見ていて出窓もいいなと思ったんですね。ごろっと横にもなれるし、本を読んだり子どもが遊んだりもできるような空間があってもいいよねという話を夫婦でしていて。けっこう大きめの出窓にしてもらいました」
「そういう家族の憩いの場と同時に、人を呼んだ時にご案内できるということも想定しました」と奥さん。
吹き抜けとトップライトもリクエスト
1階の明るさはぐるりと巡る窓とともに吹き抜け部分に設けたトップライトの存在も大きい。これは齋藤さんからのリクエストだった。「“明るい家=トップライト”のようなイメージがあって、吹き抜けた部分にトップライトがあって上から光が落ちてくるという空間に憧れていました」
この吹き抜けはまた、「家族が近いのがいい」という齋藤夫妻のリクエストもかなえている。1階と2階とに居場所が離れていても吹き抜けを介してお互いにその存在を感じあえるのだ。
「キッチンから子どもが見えるようにしてほしいとお願いしました。あそこからアイコンタクトが取れるし、料理しているときに子どもに呼ばれても“なーに?”ってすぐ応えられるように」
奥さんこだわりのキッチン
そのキッチンは最初は建築家に製作をお任せしようと思ったが、やはりアメリカンスタイルのキッチンにしたかったので輸入物を入れることにしたという。「かまちや取っ手などもぜんぶ自分で選んで、タイルはタイル屋さんへ行って、姉といっしょにレイアウトを考えました」(奥さん)。奥さんが姉というのは、齋藤さんのお姉さんで建築関係の仕事をされている方。今回の家づくりでは設計事務所のEurekaと共同で齋藤邸の設計にあたった。
「アメリカの家でも比較的木を使っている部分が多くて。外壁に木やレンガが使われていることも多いですが、もともと温かみのある素材が好きだったので、木やレンガを使いたいということをお伝えしました。内装では、タイル以外の木の使い方などに関しては建築家にお任せした部分が多いですね」
同様に気持ちが良くて気に入っているのは出窓のスペース。「気持ち良くて、ついごろっとしてしまい、そのまま寝てしまうこともあります」
緑が楽しみ
奥さんはこれから家に緑を増やしていきたいという。「年月をかけてツタをはわせるとかいろいろしてみて、思い描いていた家にだんだん近づけていくのが楽しみです」
ツタは、リクエストして出窓から玄関にかけての部分に取り付けたパーゴラにはわせる予定だ。家を彩る緑の様子は成長と季節ごとに変化していく。奥さんは「この家の表情が外から変わっていくのというのもすごく楽しみ」という。竣工で家づくりには一区切りついたが、楽しみはこれからも続く。
設計 Eureka + uni design
所在地 東京都世田谷区
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 140.38m2