Hobby
郊外の暮らしを楽しむ暮らしの中心は
薪ストーブのあるLDK
緑あふれる郊外での暮らしを選択
山口さん夫妻の家が建つのは、千葉県のニュータウン「ユーカリが丘」。「ゆったりとした広さに魅かれて、ここに住むことを決めたんです」というように、緑豊かな地を背景に、1戸1戸がゆとりある敷地に建つ。山口さんの家も、68坪の敷地のうちのおよそ半分が庭。2台ぶんのカーポートに家庭菜園スペース、そして手入れされた芝が広がる。
夫妻揃ってアパレル会社に勤め、現在のお勤め先も揃って都内。この家に引っ越してくるまでは、中野区の賃貸アパートに暮らしていた。結婚を機にふたりで住む家を考えたとき、当初は都心のマンションを想定していたそうだ。けれどもこの土地と建物の案内を見て感じるものがあり、現地に足を運んでみた。そして「ここなら思い描いた暮らしが実現できる」と思い切って決めたという。
暮らしの中心は薪ストーブ
ふたりが家にいる時間のほとんどを過ごすのが、1階のリビングダイニング。薪ストーブがあるリビングとダイニングキッチンがひと続きの、伸びやかな空間だ。「つくりこみ過ぎない、カジュアルな雰囲気が好き」というふたり。インテリアもほどよくざっくりと、心地よさを大切にしつらえている。
家を建てるにあたって、山口さんが絶対に外せなかったのが薪ストーブだった。選んだのは、イギリス・チャーンウッド社のストーブ。「インテリアに合わせて、ストーブもシンプルなデザインのものを選びました。ガラス戸が大きいので、火がよく見えるのもいい。夜に仕事から帰って来て、ストーブの炎を見ながらお酒を飲むのがいいんです」。
暖房としては、真冬もこのストーブ1台でいいほど暖かい。夫妻ともに薪ストーブの点火や火のコントロールをマスターし、使いこなしているそうだ。暖かさだけでなく、省エネ効果もあるそうで「吹き抜けがあるので、エアコンで家を暖めようとすると電気代が跳ね上がってしまうんです。その点薪ストーブは暖かいし、もちろん電気代もかかりません(笑)」と奥さん。
薪ストーブを使わない初夏から秋は、夫妻で薪割りにいそしむ。「やってみたら、ものすごくスカッとしてストレス解消になるんです」「私も薪割りが楽しくって。ストーブがこんなにも生活の中心になるとは思いませんでした」。
料理が楽しいオープンなキッチン
共働きの山口さん夫妻は、ふたりとも料理好き。奥さんが腕をふるうのはもちろんのこと、山口さんが先に帰宅したときは、奥さんの帰りを待ちながらキッチンに立つこともあるそうだ。
「家のすぐ近くに農家の直売所があるので、野菜はだいたいそこで買います。新鮮で安くて、野菜の美味しさがわかるようになりました」と奥さん。そしてキッチンに立つと、リビングの大きな掃き出し窓からの景色が一望できる。「ここでお料理をするのは本当に楽しい。今年は庭の菜園にジャガイモを植えたので、収穫して食べるのが待ち遠しいです」。
そんなキッチンはたっぷりとスペースがとられ、ふたりで一緒に料理をしても十分な余裕がある。収納はすべてオープンなので、どこに何があるかも一目瞭然。なかでも壁のパネルに埋め込んだレールを利用した可動式の棚は、空間のアクセントにもなっている。
生活がアクティブに変化
昨年の夏には、友人を招いてのバーベキューを7、8回ほど行った。一番多いときで20人以上が集まり、大盛況だったという。この夏は「ダッチオーブンを入手したので、メニューのレパートリーも広げたいですね」と、さらにバージョンアップしたバーベキューを計画中だ。
印象的だったのは、ふたりともこの家に暮らすようになって「欲しいものが変わった」と話してくれたこと。「以前は職業柄もあって、とにかく洋服が欲しかった」というふたりだが、今は山口さんは薪割りに使うチェーンソー、奥さんはインテリア雑貨がほしいと笑う。
今年の2月に車の免許をとった奥さんは、お休みには自ら運転してインテリアショップやホームセンターへ。山口さんもホームセンタで買った単管パイプを組み立てて薪をストックする棚をつくるなど、自分たちで収納などをつくることも増えたそうだ。ふたりは「どこかに遊びに出かけるよりも、家にいたいと思うようになりましたね」と口を揃える。
都会で働きつつ、休日は自然を思いっきり楽しむ。そんな暮らしのベースとなる山口さん夫妻の住まいは、開放的なリラックス感に満ちていた。