Kitchen
明るくオープンに暮らすハッピーな家は、
仕事の原動力
オープンな作りにひと目惚れ
アメリカ東海岸育ちのキャシーさんが日本に来たのは12年前。ワシントンDCで日本人の夫と知り合い、結婚。6年前、新横浜の高台の地に住居を構えた。
「窓が大きいことと、オープンな空間が気に入って、ひと目でここがいい! と。私の希望で決まりましたね」
玄関を開けると、キッチン、リビング、ダイニングが一体となった明るい空間が広がる。玄関の仕切りすらない開放的な造りは、アメリカの家を思わせる。
「門から家までのアプローチが広々としていたことも決め手でした。東向きなので朝日が差し込むし、クローズしていない感じがナイススペース。家が奥まったところに建っていないと、カーテンを閉めなければ中が見えてしまいますよね。ここは開けたままでも気にならないですから」
玄関の反対側の窓には、一面に木々の緑が。ここはお寺の裏山にあたり、林の向こうに街並みが見渡せる。住宅街にありながら、自然も感じられる贅沢なロケーションだ。
「いい家を見つけるのは難しいですよね。駅からの距離と景色もポイントでした」
駅からほど近い立地にあり、急な坂道を登りきったところに建つ家。3階の屋上からの眺めも視界が広がり、心地よさを味わえる。
「屋上はあまり使う機会はないのですが。緑が見渡せるのには、癒されますね」
いつもハッピーに過ごす家
この開放的なスペースで、キャシーさんは料理教室を営む。メニューはパンやケーキなど、ベーキングが中心。この日も、スコーンを焼いて招き入れてくれた。ドアを開けると香ばしい香りが漂う。
「お料理教室が開ける部屋かどうかというのも、大事でしたね。広さが充分にあり、オープンキッチンであることが条件でした。夫とふたりのときも、調理しながら会話をしたいと思います。ひとりでクッキングはさびしいですから」
造りつけの収納などは、明るいカラーを選んだ。床材は掃除がしやすいよう、フローリングではなく硬質なタイルで、清潔な白に。クッションなどのファブリックや、キャシーさんのエプロンのポップなカラーが、シンプルな空間を明るく彩る。会話の弾む、楽しい料理教室が想像できる。
「音楽もいつもポップで元気な曲を流しています。明るい気分で過ごしていたいと思っています」
多忙な毎日を乗り切る
アメリカにいたときから、お菓子作りには興味があった。来日して日本でル・コルドン・ブルーに通ったが、平日は会社勤めもしているキャシーさん。
「出張先のマレーシアにも学校の制服であるエプロンを持っていって、帰ってきたら成田から直行できるようにしたりしていました」
現在も、平日の仕事に週末の料理教室と、多忙な毎日を過ごす。空き時間には、リビングのソファーに座り、レシピの研究。
「疲れたらソファーに横になっています。そのために2ピースセットになっている大きめのものを買いました。ブランケットもいつも用意してますね」
仕事がはかどる家
1階はキャシーさんのワーキングスペースとも言えるが、2階は大学で言語学を教える、夫のワーキングスペース。広々とした閉塞感のない空間には、一面、曲線を描く大きな窓が付けられ、採光も充分だ。
「私はここで過ごすことはあまりないのですが、夫はほとんどここで仕事をしています。」
住居でありつつ、それぞれの仕事の場としても機能する。
「今は電子書籍の出版で忙しいんです。“自宅で楽しむベーキング”を出したばかりなのですが、次はワインに合うデザートの本を考えています」
満ち足りた住まいが、その活力を支えているのかもしれない。