Outdoor

鎌倉の景色を一望自然とつながる湘南の家に
都会的なエッセンスをプラス

鎌倉の景色を一望  自然とつながりつつ 都会的なエッセンスをプラス

LDKの向こうに絶景が広がる

リビングからつながるテラスの向こうに、息を飲むような大パノラマが。ビュートリアム鎌倉小町店に勤めるヘアスタイリストの増山大輔さんは、4年程かけてこの土地を見つけた。
「抜けのいい場所を探していたんです。グーグルマップを見て自分で調べて、この土地良さそうだな、と思ったらバイクであちこち回っていました。ここにも一度来ているのですが、その時は売られていなくて。とうとうほかの土地に決めようと、サインすることにしたちょうど1週間前に、売りに出されたんです」。
鎌倉の小高い山の上。向こう側の山の緑と、山沿いに建つ家々が見渡せる立地に、開放的でいて都会的なセンスにも溢れた、レッドシダーの家が建つ。

2階の吹き抜けまで大開口を設けた。明るい日差しが家中を包む。
2階の吹き抜けまで大開口を設けた。明るい日差しが家中を包む。
吉村順三の和風建築も好きだという増山さん。日本家屋で用いられる引き込み戸も取り入れた。
吉村順三の和風建築も好きだという増山さん。日本家屋で用いられる引き込み戸も取り入れた。
リビングからなるべくフラットにテラスに出られるように、とリクエスト。
リビングからなるべくフラットにテラスに出られるように、とリクエスト。
時間の経過とともにグレーに変わる、経年変化が魅力のレッドシダーを外壁に。
時間の経過とともにグレーに変わる、経年変化が魅力のレッドシダーを外壁に。

内と外の境界線のない家に

「小さい頃から家に興味があって、小学生の時に『渡辺篤史の建物探訪』とか観ていました。そんな子どもいませんよね」と笑う増山さん。家づくりにはイメージがあった。
「中と外の境界線がない家にしたいというのは、一番の希望でした。リビングからフラットにテラスに出られることと、大人勢で集まれること、吹き抜けがあることなど、もともとの知り合いでもある建築家のSTUDIO・LEONの河村さんと打ち合わせを重ねました。でも会うと、飲んでしまってなかなか進まなかったんですけどね(笑)」。
同じくヘアスタイリストの妻・千明さんの希望は「キッチンの広い家」。
「家づくりはキッチンから始まったと言ってもいいかもしれません」と、おふたり口を揃える。LDKの中央に、テラスに面して設けられたキッチンは、シンクに立つと眼前に向こう側の景色が広がる。
「洗いものなどをしているときも、気持ちがいいですね。キッチン台は2列にしたのですが、パーティーなどを開くことも多いため、大人数で立つことのできる広さにしました。こんな広さいる?と言われたけれど、正解でしたね」。

珪藻土の壁の白とオークの明るめの床に、真鍮の照明の金をあえてミックス。リビングの照明は目黒のCOMPLEX UNIVERSAL FURNITURE SUPLYで選んだもの。
珪藻土の壁の白とオークの明るめの床に、真鍮の照明の金をあえてミックス。リビングの照明は目黒のCOMPLEX UNIVERSAL FURNITURE SUPLYで選んだもの。
千明さんの希望で和室も設置した。ダイニングのペンダントライトはNEW LIGHT POTTERY。
千明さんの希望で和室も設置した。ダイニングのペンダントライトはNEW LIGHT POTTERY。
ミッドセンチュリーの家具は、本物とリプロダクトを混在させて。和室の反対側はオーディオスペース。
ミッドセンチュリーの家具は、本物とリプロダクトを混在させて。和室の反対側はオーディオスペース。
半オープンの明るいキッチン。左奥には勝手口のあるパントリーも。
半オープンの明るいキッチン。左奥には勝手口のあるパントリーも。
テラスからLDKを見る。テラスでの朝食、BBQなども楽しい時間。
テラスからLDKを見る。テラスでの朝食、BBQなども楽しい時間。
キッチンには、千明さんの希望で野菜洗い用の浄水のシンクも設置。当初、白×紺だったのを、80年代の映画を見て“かわいい”と思い、黄色にチェンジ。
キッチンには、千明さんの希望で野菜洗い用の浄水のシンクも設置。当初、白×紺だったのを、80年代の映画を見て“かわいい”と思い、黄色にチェンジ。
吹き抜けの2階レベルには、ベッドルームへの渡り廊下が設けられている。千明さんは北鎌倉にヘアサロン「モダーン」をオープン予定。
吹き抜けの2階レベルには、ベッドルームへの渡り廊下が設けられている。千明さんは北鎌倉にヘアサロン「モダーン」をオープン予定。

生活まわりの動線を一括に

吹き抜けの空間を渡り廊下でつなぐ2階には、書斎とベッドルームが。そしてバスルーム、洗面、クローゼット、ユーティリティが一体となった大空間も設けられている。
「ベッドルームは東南に面していて、朝の目覚めが最高に気持ちいいですね。ここからクローゼット、そしてバスルームへとつながる動線を確保したのも大正解でした」。
細かく分けると狭くなるところを、一体にすることで広々とさせ、かつ動きもスムーズに。中央には古い柱を1本、あえて色を塗らずにむき出しにすることで味わいを出している。
「河村さんのアイデアなんです。ドアなどもすべて古いものを用意してくれました。私たちの方では、取っ手やバスルームの目地の色など、細かなところをリクエストしました」。
洗面台には、パリのホームセンターで買ってきたというゴールドの照明を。屋根裏のような古めかしさの中に、華やかさが添えられている。

吹き抜けの2階。奥に書斎を設けた。階段を上がるとロフトへ。
吹き抜けの2階。奥に書斎を設けた。階段を上がるとロフトへ。
ベッドルームのドアはムラのある微妙なブルー。反対側はピンク系に塗り分けられている。
ベッドルームのドアはムラのある微妙なブルー。反対側はピンク系に塗り分けられている。
見晴らし最高のベッドルーム。ここの壁だけはDIYで珪藻土を塗装した。
見晴らし最高のベッドルーム。ここの壁だけはDIYで珪藻土を塗装した。
ベッドルームからクローゼットを通って洗面台へ接続。このスペースは洗面、バスルーム、トイレ、ランドリーが一体となっている。中央の古い柱が味わい深い。
ベッドルームからクローゼットを通って洗面台へ接続。このスペースは洗面、バスルーム、トイレ、ランドリーが一体となっている。中央の古い柱が味わい深い。
サンワカンパニーのシンクにオイルステインで古っぽく仕上げた棚を造作。ゴールドの照明が華を添える。
サンワカンパニーのシンクにオイルステインで古っぽく仕上げた棚を造作。ゴールドの照明が華を添える。
ガラス張りのバスルームは中庭も設けて開放的に。タイルの目地は薄いグリーンで柔らかな雰囲気。
ガラス張りのバスルームは中庭も設けて開放的に。タイルの目地は薄いグリーンで柔らかな雰囲気。
ロフトから1階まで、吹き抜けでつながる。どこにいても家全体の雰囲気を感じることができる。
ロフトから1階まで、吹き抜けでつながる。どこにいても家全体の雰囲気を感じることができる。

カリフォルニアにモダンをMIX

「スタイルを決めたくはなかったんです。サーフィンが好きでこの立地を選んだというのもあるのですが、カリフォルニアに寄りすぎるのは嫌で、都会的なモダンな感じも足したかったんですね」。
増山さんのもうひとつのこだわりは「形容するのが難しい家」。アンティークのドアもあればモダンな照明もある、そんなミクスチャーが独創的な空間を生んでいる。
「家を建てるにあたって、ポートランドに行って来ました。ホテル、カフェなど色んなところを訪れ、ハンドメイドやクラフトなどを取り入れて、それぞれ工夫して空間を楽しんでいるスタイルを見て、いいなと思いましたね」。
玄関を入ったところから、出迎えてくれるのはフォークロアな雑貨や、コンテポラリーな写真など、色んなテイストがミックスされたディスプレイ。
「色々と考えるのが楽しいですね。今はDIYで外構にピンコロ石を敷いてみたり、テラスの植栽もこれからもっと育てていくところです。自分で手を加えることで、プロには出せない味も出ると思うんです」。

色んなテイストをミックスし、独創的にディスプレイした玄関。たたきには使いたかった大谷石を敷いて和の雰囲気に。
色んなテイストをミックスし、独創的にディスプレイした玄関。たたきには使いたかった大谷石を敷いて和の雰囲気に。
増山大輔さん。アアルトなどの建築洋書も研究。机はヤフオクで見つけた北欧のもの。
増山大輔さん。アアルトなどの建築洋書も研究。机はヤフオクで見つけた北欧のもの。
階段は上部にくるほど幅を出すことで、広がりを持たせた。手すりはアイアンでオーダー。
階段は上部にくるほど幅を出すことで、広がりを持たせた。手すりはアイアンでオーダー。
玄関からテラスにつながる小径には、DIYでピンコロ石を。不揃いな雰囲気を楽しんでいる。
玄関からテラスにつながる小径には、DIYでピンコロ石を。不揃いな雰囲気を楽しんでいる。
海まで徒歩10分。外シャワーや納戸、サーフボードラックも設けた。
海まで徒歩10分。外シャワーや納戸、サーフボードラックも設けた。
テラスの両サイドは土を入れ、アカシア、レモン、ハーブなどを育てている。これから増やしていく予定。
テラスの両サイドは土を入れ、アカシア、レモン、ハーブなどを育てている。これから増やしていく予定。