Interior
デンマークの家具ー1ー銀座でデンマークに触れる
「ダンスク ムーベル ギャラリー」
最高級のデンマーク家具、フリッツ・ハンセンを中心に、貴重なビンテージ家具や小物など、デンマークデザインを幅広く紹介するインテリアショップ「ダンスク ムーベル ギャラリー」が銀座にオープンした。
時代を超えて愛される、
シンプルで美しい家具
オリジナリティに溢れた最高品質の家具を作り続けるフリッツ・ハンセンをはじめ、PPモブラーやルイスポールセンなど北欧のデザイン家具を紹介する「ダンスク ムーベル ギャラリー」が銀座にオープンした。北欧家具といえば、素材の味わいを生かしたデザインが特徴。その中でも、白木をメインに使ったカジュアルな家具と、重厚で落ち着いた印象の家具と大きく2つに分けられるというが、同店では銀座という場所を意識して後者の家具を中心に取り扱う。長く使っていても飽きがこないシンプルで美しいデザイン、レザーや木など経年変化が楽しめる素材を使用することで使うたびに愛着が増していくアイテムが並ぶ。店舗の広さは約70平米とインテリアショップとしては決して広くはないが、厳選した家具を統一した世界観で紹介し、見応えのある空間となっている。
日本人の感性と共鳴するデンマークデザイン
ハンス・J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンとともに北欧デザインの隆盛期に活躍したのが、「奇才」と呼ばれたポール・ケアホルム。当時、多くのデザイナーが木をメインに使いながら、なめらかな曲線を表現していた一方で、ケアホルムはスチールなどの金属を積極的に用いて、シャープで直線的なデザインを生み出し、独自の存在感を発揮してきた。シャープでありながら繊細さを併せ持つケアホルムのデザインは圧迫感がなく、欧米に比べて天井が低い日本の居住空間ともすんなり調和する。その印象をさらに濃くしてくれるのがアートの存在だ。店内ではデンマークの家具とともに、千住博や草間彌生など日本人作家の作品も取り扱い、デンマークのデザインが日本人の感性と深く共鳴していることを改めて感じさせてくれる。これらの作品は銀座にある画廊からセレクトしているといい、地域の結びつきも大事にしているという同店ならではのこだわりだ。今後も家具だけではなく、独自編集によって構成したアートのある居住空間を提案していく。
貴重な北欧ビンテージの数々
現行の家具だけではなく、ここでしか手に入らない貴重なビンテージ家具も取り扱う。たとえば、ハンス・J・ウェグナーがデザインした、ソーイングボックスは、突起と細かい仕切りがついた引き出しとラタンのかごがセットされた珍しいアイテム。これは製造当時、編みかけの毛糸や編み棒、はぎれ布などを入られるようにデザインされたもので、現在は製造されていない貴重な製品だ。当時と同じように裁縫道具を入れてもいいが、指輪や時計、リモコンや充電器などを入れるなど現代の暮らしに合わせて自分なりの使い方が楽しめる。家具だけでなくロイヤルコペンハーゲンやアラビアをはじめ、ヴィルヘルム・コーゲ、カール=ハリー・スタルハネなど1950年〜70年代に活躍した陶芸家の作品も取り扱う。店内の隅々にいたるまで北欧デザインの奥深さ、繊細さが感じられる。