Interior
デンマークの家具ー1ー銀座でデンマークに触れる
「ダンスク ムーベル ギャラリー」
![デンマークの家具-1- 銀座「ダンスク ムーベル ギャラリー」 デンマークの家具-1- 銀座「ダンスク ムーベル ギャラリー」](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan.jpg)
最高級のデンマーク家具、フリッツ・ハンセンを中心に、貴重なビンテージ家具や小物など、デンマークデザインを幅広く紹介するインテリアショップ「ダンスク ムーベル ギャラリー」が銀座にオープンした。
時代を超えて愛される、
シンプルで美しい家具
オリジナリティに溢れた最高品質の家具を作り続けるフリッツ・ハンセンをはじめ、PPモブラーやルイスポールセンなど北欧のデザイン家具を紹介する「ダンスク ムーベル ギャラリー」が銀座にオープンした。北欧家具といえば、素材の味わいを生かしたデザインが特徴。その中でも、白木をメインに使ったカジュアルな家具と、重厚で落ち着いた印象の家具と大きく2つに分けられるというが、同店では銀座という場所を意識して後者の家具を中心に取り扱う。長く使っていても飽きがこないシンプルで美しいデザイン、レザーや木など経年変化が楽しめる素材を使用することで使うたびに愛着が増していくアイテムが並ぶ。店舗の広さは約70平米とインテリアショップとしては決して広くはないが、厳選した家具を統一した世界観で紹介し、見応えのある空間となっている。
![店内のヘリンボーンの床は、スタッフが一枚ずつ組み合わせながら完成させたという。無垢のチーク材は、元々の色が濃い木は薄く、薄い色合いのものは濃く変化していくそうで、育てる家具同様、店も時間とともに表情を変えていく。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_001-700x464.jpg)
![PPモブラーのアームチェアはハンス・J・ウェグナーが妻のためにデザインし、自邸でも使用していたという名作。背は4つの材料を合わせて、職人により削り出し製作されている。背面の十字形の契が特徴だ。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_002-700x464.jpg)
日本人の感性と共鳴するデンマークデザイン
ハンス・J・ウェグナーやボーエ・モーエンセンとともに北欧デザインの隆盛期に活躍したのが、「奇才」と呼ばれたポール・ケアホルム。当時、多くのデザイナーが木をメインに使いながら、なめらかな曲線を表現していた一方で、ケアホルムはスチールなどの金属を積極的に用いて、シャープで直線的なデザインを生み出し、独自の存在感を発揮してきた。シャープでありながら繊細さを併せ持つケアホルムのデザインは圧迫感がなく、欧米に比べて天井が低い日本の居住空間ともすんなり調和する。その印象をさらに濃くしてくれるのがアートの存在だ。店内ではデンマークの家具とともに、千住博や草間彌生など日本人作家の作品も取り扱い、デンマークのデザインが日本人の感性と深く共鳴していることを改めて感じさせてくれる。これらの作品は銀座にある画廊からセレクトしているといい、地域の結びつきも大事にしているという同店ならではのこだわりだ。今後も家具だけではなく、独自編集によって構成したアートのある居住空間を提案していく。
![PKシリーズと名付けられた、ポール・ケアホルムの人気プロダクトで構成された空間。チェストの中央には、ショップのロゴを手がけた佐藤可士和さんがデザインしたという有田焼の大皿がディスプレイされている。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_004-700x464.jpg)
![エレベーターホールは極力光を落とした静穏の空間。にじり口をイメージしたエントランスをくぐると、デンマークの奥深い世界が広がっている。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_005-350x529.jpg)
![SASロイヤルホテルのために製作された「エッグチェア」。ロビーでの使用を前提に、他の人と隔離した空間をつくるためのハイバックスタイル。体を包み込むような曲線を描く。ここで組み合わせているのは千住博の作品。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_006-700x1057.jpg)
貴重な北欧ビンテージの数々
現行の家具だけではなく、ここでしか手に入らない貴重なビンテージ家具も取り扱う。たとえば、ハンス・J・ウェグナーがデザインした、ソーイングボックスは、突起と細かい仕切りがついた引き出しとラタンのかごがセットされた珍しいアイテム。これは製造当時、編みかけの毛糸や編み棒、はぎれ布などを入られるようにデザインされたもので、現在は製造されていない貴重な製品だ。当時と同じように裁縫道具を入れてもいいが、指輪や時計、リモコンや充電器などを入れるなど現代の暮らしに合わせて自分なりの使い方が楽しめる。家具だけでなくロイヤルコペンハーゲンやアラビアをはじめ、ヴィルヘルム・コーゲ、カール=ハリー・スタルハネなど1950年〜70年代に活躍した陶芸家の作品も取り扱う。店内の隅々にいたるまで北欧デザインの奥深さ、繊細さが感じられる。
![右は50年以上に渡り、デンマークのクラシック家具を製造し続ける「フレデリシア」の3人掛けソファ。ボーエ・モーエンセンによるデザインは堅牢で、美しい作りが特徴。加工をなるべくおさえ、牛革がもつ自然な風合いを生かしている。左はハンス・J・ウェグナー作、ラウンジチェアの王様と称される「ベアチェア」だ。生涯500脚以上の椅子をデザインしたというウェグナーが、晩年愛用していたのがこのベアチェアだと言われている。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_008-700x464.jpg)
![テーブルが製作された1950年代当時は、毛糸や編みかけのセーターなどを入れるためにデザインされた引き出し。現在はアクセサリーやリモコンなどを入れるのにちょうどいい。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_009-700x464.jpg)
![中央のレザーチェアは、北欧の家具ブランドの中でもひときわ古い歴史を持つ工房、ルド・ラスムッセンのもの。同工房の製品はすべてハンドメイドで、図面や設計図に基づいて製作するのではなく、職人から職人へと技術を伝承されている。北欧モダニズムの時代を象徴する力強さ、実直さが感じられる。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_010-700x464.jpg)
![日本の焼き物を思わせる作品は、50年代頃に活躍した、カール・ハリー・ストールハーネが手がけたもの。無駄のないすっきりとしたフォルムで、やわらかな色合いが特徴。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_011-700x464.jpg)
![日本や中国などアジアの古陶磁から着想を得て、フォルムや釉薬を追求したベルント・フリーベリの作品。繊細で優美、なめらかな色合いは、並べておくだけでも独特の存在感を放つ。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_012-350x232.jpg)
![1960〜70年代の作品は数が少なく、北欧でも取り扱っているところは多くないという。ビンテージ小物のコーナーは外国人観光客らの関心も高いそうだ。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_013-350x232.jpg)
![「デンマーク家具デザインの父」と呼ばれたコーア・クリント。彼の後継者と言われるのがオーレ・ヴァンシャーだ。彼がデザインしたカップボードは、ローズ・ウッドの美しい木目から品質の高さが伺える。横に並ぶのは、フォーア・クリントがデザインしたフォーボーチェア。デンマークのヒュン島にあるフォーボー美術館のためにデザインされたこのチェアは、無駄をそぎ落とした優雅なたたずまいが特徴。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_014-700x464.jpg)
![オーレ・ヴァンシャーのカップボードを開くと、バカラのグラスやビンテージのティファニーの作品などが整然と並ぶ。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_015-700x464.jpg)
![ティファニー創始者の長男ルイス・コンフォート・ティファニーはアメリカン・アールヌーヴォーを確立したガラス工芸家としても有名。古代ガラスの玉虫色から着想を得たデザインは光の加減によって微妙な色の違いが楽しめる。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_016-350x232.jpg)
![ドイツのマイセン磁器窯は柿右衛門などの影響を受け、独自のシノワズリを確立。シンプルでありながら品の良さが際立つ双剣マークのシリーズは時を経ても変わらず人気が高い。](https://img.100life.jp/2016/06/160613_dan_017-350x232.jpg)