Interior
ウォールデコレーション −2−モダンでミニマルな
モビールアート
静かに揺れる独自のリズム、重力との絶妙なバランス、ミニマルなフォルムが奏でるモビール。1932年、アメリカの彫刻家のアレクサンダー・カルダーが、ピエト・モンドリアンの抽象画にインスピレーションを得たことから、動く抽象画としてモビールを発表。彫刻は静止したものという概念を覆し、動く彫刻として創作、のちに室内装飾として広まった。今回はモダンなメタル製のモビールに注目。一筆書きで描かれたようなコンテンポラリーなモビールや、メタルスティックが美しく揺れる詩的なモビール、60年の歴史を誇るデンマークのフレンステッド・モビール社のスペイシーなモビールを紹介する。
《tempo》
一筆書きで描かれたようなコンテンポラリーなモビール。tempoは建築家やデザイナーが、それぞれの視点で重量やバランスを考察し、空間と時間にアプローチして新たなモビールアートを創造したプロジェクト。brain(ブレーン)は、同型の3つのパーツと、1つのエンドパーツを組み合わせたデザインで、知恵の輪のように接続点の組み合わせをかえることで、まったく違う形のモビールをつくることができる。レッドやグリーンで縁取られたグラフィカルなデザインが、空間に心地よいアクセントを添えてくれる。林裕輔氏と安西葉子氏によるデザインスタジオ、ドリルデザインによるもの。throughout(スルーアウト)は、一本の細い線が円を描きながら連なるアクセサリーのようなモビール。雲や植物など少しづつ変化していく自然現象を連想させるようなフォルムで、真鍮、銅といった素材の経年変化も楽しむことができる。家具デザイナー藤森泰司によるもの。
《in the sky》
小枝を思わせる華奢なメタルスティックが美しく揺れる詩的なモビール。in the skyは、福岡と東京を拠点に国内外で活躍するデザイナー二俣公一氏によるもので、「枯れ落ちた枝が下の枝にひっかかり、ゆらゆらと揺れている。そんな偶然が作り出す状況の危うさと均衡の中に、新たな美しさを感じたのです。」という興味と作意から生まれたもの。素材は3種、ノスタルジックな印象の真鍮、空間に馴染みやすい銅・モダンなステンレススティールから。線が細いので主張しすぎず上品に飾ることができる。
《Flensted Mobiles》
モビールと言えば、60年の歴史を誇るデンマークのフレンステッド・モビール社。Flensted Mobiles(フレンステッド・モビール)は、熟練職人による手作業で、ひとつひとつ完璧なバランスに仕上げ、美しい動きをつくり出している。 Futura(フーツラ)は、1970年に二代目のオーレ・フレンステッドが初めてデザインしたモビール。軽やかに揺れる水平のバーが心地よい緊張感を与えてくれる大人向きのデザイン。Niels Bohr Atom Model(ニールス・ボーア アトムモデル)は、デンマーク出身のノーベル賞物理学者ニールス・ボーアが1913年に確立したボーアの原子模型。その100年を記念して、コペンハーゲンのニールス・ボーア研究所との連携でつくられたもの。いくつも重なり合う曲線が美しいスペイシーなデザイン。小ぶりなので対に飾ったり、省スペースのアクセントにも。Counterpoint(カウンターポイント)は、音楽用語の対位旋律の意。複数のデザイナーのコラボレーションとしてひとつの旋律を生み出すというストーリーが込めたられたもの。好きな音楽を聞きながらゆっくりと揺れるモビールをいつまでも見つめていたくなる。
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