Interior
注目の輸入新作家具セレクション – 1 – 個性派がそろった
輸入チェア&ソファ
海外の有名家具メーカーが2011-2012年に発売した家具の中から、個性的で注目されるチェアとソファを2回に分けて紹介する。ル・コルビュジエのアウトドア用LC3なども含まれる中から、今回は日本人建築家、妹島和世と西嶋立衛のSANAAのデザインによる《Flower》のほか5点をセレクトして紹介する。
《Flower》designed by SANAA
思わず座ってみたくなる特徴的なフォルムは、タイトルの通り、「花」または「三つ葉のクローバー」を想わせる。もともとは「せんだいメディアテーク」の児童図書館のために2001年にデザインされたものだが、スイスの「ロレックス・ラーニングセンター」への導入を機に、Vitra社によって量産品としての開発がスタート、この4月に発売された。
座が3方向に広がっているため、親密なコミュニケーションを取りたいとき、一人でリラックスしたいとき、のどちらにも対応できる。公共空間でのベンチ的な使用を想定しているが、家庭でもオブジェ的に用いるなどしゃれた使い方もあるだろう。張り地は耐久性のある合成皮革で、白のほか、クリームや茶系のものなど全7色を用意している。
《Tip Ton》designed by Barber Osgerby
ベーシックなデザインだが、前脚部に9°の傾斜を持たせるという革新的なアイデアによって、オフィスチェアなどのような前傾姿勢が可能になっている。骨盤と背骨をまっすぐにし、かつ、腹筋と背筋の血流を良くする効果があるという。座ってみると、実際、背筋がすっと伸びて気持ちがよい。素材には、耐久性が高く、リサイクルが100%可能なプラスチックを使用し、ダーク系のものからカラフルな色合いのものまで8色を用意。ダイニングテーブルでの使用はもとより、前後に軽く動かすことができるので、長時間のデスクワークや勉強用など、幅広い用途に使用可能だ。
《SHRIMP》designed by Jehs & Laub
アルネ・ヤコブセンの《EGG》などのように背と座に余裕のあるデザインのため、身体を包み込でくれるような安心感がある。チェアへの体の納まり具合と、背・座の適度な硬さとのコンビネーションが心地よくリラックスできる。家庭のリビングやホームシアター、また、ホテルのロビーやラウンジなどでの使用に適す。張り地は、布地の場合約500種類から、皮革の場合は約90種類の中から選べる。このエレガントなフォルムをデザインしたイエース&ラオプは60年代半ば生まれの2人組で、レッドドット・デザイン賞をはじめ、世界的なデザイン賞を数多く受賞している。
《FOSSA》designed by Aurélien Barbry
座の部分につくられた大きな溝が、デザイン的にも機能的にもこのソファの特徴で、溝に専用クッションを差し込めば、そこが背やアームになる。また、この溝はマガジンラックやリモコン置き場、小物入れなどにも活用できる。クッションを差し込む位置をずらすことによって、自由なレイアウトを楽しめる。ソファは一般的に単色でまとめたものが多いが、これにはブルーやイエローのクッションも用意され、ポップで遊び心を感じさせるコンビネーションも可能だ。
《tagliatelle》designed by Jasper Morrison
ジャンドメニコ・ベロッティがデザインしたスパゲッティチェアの後継としてデザインされた。スパゲッティチェアがパスタのスパゲッティに似ていることから命名されたように、このチェアは平形パスタのタリアテッレに由来。スパゲッティチェアのPVC(塩化ビニル)に替わって、背と座にエラスティックベルトが使用されている。スパゲッティと同様にカフェなどの商業施設のほか、家庭のダイニングなどにも使える。背・座はホワイト/ブラック、ベージュ、ブラック/ベージュ、グレー/ブラック、ブラック/ブラウン、ブルーの全6色がある。