Renovation
陶芸家の理想の家タバコの葉の乾燥小屋を
住まいにリノベーション
「ここに越してきて3〜4年は茅葺き屋根の家に住んでいましたが、冬は寒いので、次男の鈴丸が生まれる時にタバコの乾燥小屋を改装して、今はそちらに住んでいます」
実はここには以前、鬼崎さんが師事した矢津田義則さんが住んでいた。茅葺き屋根の上のトタンは、矢津田さんがここから引っ越すことになった時にかけたものだそう。
「ここで2年間アシスタントをしていましたので、僕にとっても思い出深い場所です。矢津田さんが大切にされていた場所を譲り受けることができて、とてもうれしく思っています」
茅葺き屋根の家と、タバコの乾燥小屋と。
築60年ほどの元タバコの葉の乾燥小屋を、住まいへとリノベーション。暖かく、飾らないけれど、センスがよくて居心地がいい。そんな鬼崎さんの住まいができあがった。
「窓や壁は大工さんにお願いしましたが、DIYが得意な父が住み込みで手伝ってくれて、床や棚などは一緒に作りました。益子の陶器市や、展覧会の会期中には泊まり込みで子どもの面倒を見てくれたり、大工仕事もしてくれて、とても感謝しています」
茅葺き屋根の家のほうは、今は作品を置いておく場所になっていて、あまり活用できていないのが残念なのだとか。
「茅葺き屋根の家の前に矢津田さんが作ったデッキは、雨風にもビクともせず、とても丈夫です。広々としているので子どもたちの格好の遊び場になっています」
鬼崎さんが作陶に励むアトリエも広々としている。自然豊かな静かな環境、暖かな家、広い仕事場。陶芸家の理想的な環境がここにあった。
そしてその後の約2年、矢津田さんのアシスタントを務める。益子ともどんどん縁が深くなっていったそうだ。
「益子には陶芸家もたくさんいますが、陶器の他に創作活動をしている方も多くいらっしゃいます。そんな方々と親しくさせていただいて、刺激をもらったり助け合ったり。そんな益子の空気感が、とても好きなんです。創作活動をしている人に、街の方も優しいですし。
東京からも近いので気軽に見に来ていただけますし、こちらからも展覧会の開催などを東京でしやすい距離です。どうぞ益子にいらっしゃってください」