Style of Life
稲村ヶ崎のサーファーズハウス目の前に水平線が広がる
海沿いの家の暮らし
人生を豊かにする海辺の住まい
「この家の特等席です、どうぞ座ってみてください」。小泉夏樹さんに勧められるまま、2階のリビングのソファに腰を下ろしてみた。目の前に広がる水平線、寄せては返す波の音……。体の芯からリラックスできる贅沢なひとときだ。
稲村ヶ崎の海沿いに11年前に家を建てた小泉さん。
若い頃からサーフィンに親しんでいた小泉さんが、「やはり海の側に住みたい」と土地を探し始めたら、考えていたよりすんなりと見つけることができたのだそう。
「この土地を見つけられたのは幸運でしたね」。
家は建築家に頼まず、地元の工務店と二人三脚で作り上げた。
「建材の選定や塗り方、階段、ドアや把手、ダクトの素材に至るまで、細かく注文しました。担当者がいい方で、投げ出さずに最後まで僕のワガママに付き合ってくれました」
たとえばリビングの壁と天井は同じ材料で張っている。
「板の裏面を表に使い、味の出た質感になりました」
扉の向こうに遊びゴコロいっぱいの空間
玄関扉を開けるとすぐに遊び道具や小泉さんのお気に入りのモノたちに出迎えられる。ここは玄関ホールであり、廊下であり、もうひとつのリビングでもある。冬は薪ストーブの前でゆっくりと寛ぐのだそうだ。
「このアンティークの薪ストーブも僕がワガママを言って家を建てている途中に設置してもらったものです。急遽煙突を立て、タイルを張りました。2階のリビングまで暖まるので、無理を言ってつけてもらってよかったです」
階段を5段上がると、夏樹さんの部屋と奥様の部屋、そして趣味で始めたという『vintage-room82』のショップがある。
アンティークのドアの向こうが夏樹さんの部屋だ。
「ほんとうは監獄のようなインテリアにしたかったんですけど、妻にそれだけはやめてと反対されました(笑)」
「海沿いの家は潮風がダイレクトに当たるので、家のケアにそれなりに手間がかかります。庭の植物も、潮風に強い種類に限られます。芝生は潮風にも強いようです。マメに刈り込んで手入れしてます。しなければいけないことも増えましたが、逆にそれを楽しんでいます」と小泉さん。
「ここに越してきてから、時計をしなくなって、靴下を履かなくなりました」と笑う。人生を豊かにしてくれる念願の海沿いの暮らしを満喫している。