Style of Life
庭と彩りのある暮らし古く懐かしいものを
DIYで愛おしむ
アイデアが活きる昭和の家屋
今年1月、築30年の一軒家に引っ越した音楽家の良原リエさん。
「広い庭があって楽器がOKで、収納もたっぷり欲しい、となると必然的に古い物件に辿り着きました。便利な場所にあるのに静かで庭仕事も楽しむことができ、とても気に入っています」。
人気の商業地を少し入った、閑静な住宅街。懐かしい風情の家は、庭に色とりどりの花が咲き、室内もカラフルに彩られている。
「普通の日本家屋ですが、少しずつDIYで色を加えています。まだまだ完成途中。もっと明るくしたいですね」。
良原さんはギタリストの夫、5歳の長男との3人家族。たくさんの楽器や子供のおもちゃを、古いスーツケースに収納したり、使い込んだハンカチやパジャマなどの端切れをガーランドにして飾ったり。古いものを活かしたカラフルなアレンジが楽しく、温かさを生み出している。
色が溢れた楽しい空間に
「演奏でヨーロッパに行き色んな家を泊まり歩いて、色使いに驚かされたんです。特にブルガリア。外装よりも内装に力を入れていて、黄緑や青、赤などいろんな色が混在していました。そこから我が家に帰ってきたとき、なんてくすんでいてまっ茶色なんだろうと」。
以来、良原さんはずっと、みんなが集まる部屋は明るく彩ることにしている。毎日長い時間を過ごすダイニングキッチンは、コーナー毎に黄色や水色の壁紙を貼り、思い出の品を飾ってディスプレイした。
「キッチン台は水色のカッティングシートを貼っている途中なのですが、友人からもとの白い部分を残してもいいんじゃない? と言われて悩んでいるところです」。
キッチンの前にはディアウォールをDIYで取り付けて、使いたい時にすぐに手に取れるよう調理器具をハンギング。ぶら下げているのはフランスで買ったお鍋やポルトガルの麺棒、オランダのチーズスライサーなど、海外のお土産品ばかり。
「自分のテリトリーなので、好きなものを飾りたいですね。大好きなものを目につくところに置く、これは大事です」。
キッチンの片隅には掃除道具やゴミ袋などをまとめたボードが目を引く。
「前に住んでいた家のドアを使っているんです。家が解体されると聞きもったいなかったので頂いて、ペンキを塗って再利用しました。前は黒板ペンキを塗って、子供の落書き用にしていたんですよ」。
長男が拾ってきた小石や庭に咲いた花なども、ディスプレイ用にアレンジ。どんな小さなモノにも、思いやりと愛情が感じられる。
庭が生活の中心です
「どうしても欠かせなかった」という庭は、良原さんと花に興味を持ち始めた長男がふたりでガーデニング。大工さんに組み立ててもらい、自分でペンキを塗ったという鮮やかな小屋は、遊びにくる長男の友達も大喜び。
「貿易商だった父が買ってきたタイルを敷いたり、花壇を作ったりして、庭づくりも楽しんでいます。子供とは植えたいお花が違っているので、それぞれ別の花壇に分けているんですよ」。
天気のいい時は、庭やテラスで過ごす時間が圧倒的に長いのだそうだ。
「食事をしたり、仕事をしたり、洗濯物を畳んだり。家の中でできることも、テラスですることが多いですね」。
玄関先にはサクラの木があり、シーズンにはテーブルを移動してお花見も。都心の中にあって、自然を満喫する生活を楽しんでいる」。
「人を招くのが好きなので、友人もよく集まります。みんな気兼ねなく過ごしてくれていますね」。
良原さんの奏でるアコーディオンの音色のように、楽しく幸せな空気が流れていた。