Style of Life
郊外で叶える理想人生を楽しみ尽くす
ヨーロピアンライフスタイル
![郊外で叶える理想 人生を楽しみ尽くす ヨーロピアンライフスタイル 郊外で叶える理想 人生を楽しみ尽くす ヨーロピアンライフスタイル](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_eye.jpg)
ヨーロッパの邸宅を思う
漫画家の村田順子さんが、夫や両親とともに暮らす2世帯住宅を、緑豊かな郊外に建てたのは3年前。
「それまでは都心に住んでいたのですが、閉塞感を感じてきていて。この土地を初めて見たとき、ここだ! と即決しました」
まわりは新興住宅街として整備されていながら、自然のアクティビティにも恵まれた豊かな環境。村田さんが育てる、たっぷりの陽光を受けた植物が、玄関先で出迎えてくれる。
「つるバラを這わせることと、薪ストーブを入れることが大きな目的のひとつでした」
パティオにも、バラやジャスミンが咲き、ツタが這う。2階のリビングに併設されたコンサバトリーには薪ストーブ。それは、どこか懐かしい時代の少女漫画を彷彿とさせる、ヨーロッパの邸宅のようだ。
![バルコニーにつながる大きな開口部から、清々しい風が入る。木の梁は、夫と設計士の希望で取り付けたのだとか。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_001-700x466.jpg)
![パティオを囲み、回廊状になった造り。シンボルツリーとしてカツラの木を植えた。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_001-2-340x510.jpg)
![ピエール・ドゥ・ロンサールなど、育てるバラの種類も豊富。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_003-340x510.jpg)
![アイアンのドアの向こうに、ストーブで使う薪が。ヨーロッパのリゾートの雰囲気。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_002-340x510.jpg)
![ガーデン用の手づくりグッズも活用してコーディネート。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_004-340x510.jpg)
薪ストーブがある幸せ
「いつ頃からでしょうか、薪ストーブに憧れがあって。実際に使ってみると、冬も暖かいし、ここでパンを温めたり、肉を焼いたりして楽しんでいます。いい香りが部屋中に漂うし、オーブンで焼くのとはまた違った味わいがありますね」
パチパチと火を眺める快感は、人間の本能でもあるのだとか。1階に置いた方が家全体を暖めることができるのだが、いつも眺めていたいという思いから、リビング脇に置くことに。そのリビングルームは、イギリス風でもあり、パリのアパルトマン風でもあり…。
「こよなくフランスを愛しているのですが、なぜか縁あってイギリスからも離れられないんです。前世はイギリス人だと、霊感の強い人に3回も言われたことがあるんですが(笑)、家を建てて家具を置いてみると、意識していないのにイギリス風になってしまうんですよね。イギリスの家具ってサイズが日本にちょうど合っていて、コージーなんですね。そのためかもしれません」
![リビングに併設されたコンサバトリー。薪ストーブは、計画停電のあった震災時にも大いに役立った。「これがあるだけで暖は取れるし、明るいし、料理も作れました」](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_006-700x466.jpg)
![コンサバトリーは、本当は天井をすべてガラス張りにしたかったが、暑さ対策のため、光は抑えて、北向きに設置。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_007-340x510.jpg)
![昔から使っているアンティークのライティングデスクがシック。床は職人さん泣かせのヘリンボーン。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_008-340x510.jpg)
![床は時間とともに味わいを増す、大理石を使用。ここで薪をくべる時間が、たまらなく幸福なのだとか。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_005-340x510.jpg)
![アンティークのキャビネットに、ヨーロッパなどの旅先で買い集めた食器を収納。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_009-340x510.jpg)
印象的な壁紙をアクセントに
「やりすぎは嫌」だが、毎年必ず訪れるヨーロッパがインテリアのベース。昔から買い集めていたアンティークの家具が、趣きのある空間に、しっくりとなじんでいる。
「以前から、白ければおしゃれなの? という思いがあったし、塗り壁や珪藻土はあまり好きではなかったんです。ヨーロッパでは壁紙が内装の基本で、ただの土壁はどこか田舎風に見えてしまうんです。だから壁紙ははずせませんでしたね。それもビニールクロスとかではなくて、できれば本物の紙がよかった」
ウイリアム・モリスの黄色のヘリテージカラーで統一された明るい廊下や階段を抜けると、リビングルームの正面を彩る、植物柄の壁紙が目に飛び込んでくる。
「リビングには悩みに悩み、いちばん印象的なものを選びました。同系色でまとめるのは無難だけど、部屋に入ってきたときに、はっとするようなものがいいなと思ったんです。結果として正解でしたね」
ヘリンボーンの床が高級感を添える空間は、ここが東京の郊外だということを忘れさせてくれるような、クラシカルで洗練された雰囲気だ。
![アイアンを使ったペンダントライト。繊細な曲線が植物柄の壁紙とマッチする。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_010-340x510.jpg)
![ベッドルームにもウイリアム・モリスの壁紙を採用。柄が印象的な分、ベッドリネンはシンプルに。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_012-340x226.jpg)
![コーナーには思い出の品物をディスプレイ。壁のリトグラフは、横尾忠則さんから購入したもの。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_011-340x510.jpg)
![夫の書斎は、落ち着いたカラーの壁紙で。思い出の万年筆などを額に入れてディスプレイ。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_014-340x226.jpg)
キッチンは夫のテリトリー
1階のパティオ前は、村田さんの仕事部屋やアシスタントの宿泊部屋、そして仕事の合間に使うミニキッチン。アイアンの装飾をドアに施したり、手作り風の素朴なタイルを使ったりと、細部にまでこだわりが感じられる。
2階のキッチンの設計に関しては、村田さんはノータッチだった。なぜなら、そこは料理が大好きな夫のマイルームだからだ。
「オープンキッチンやアイランドは絶対嫌だったんです。調理の臭いが部屋にまわるので、キッチンはクローズドにしておきたかった。今どき珍しいらしくて、設計士にも“本当にいいんですか”と言われましたが」(夫)
「高価でゴージャスなものは好みじゃなかった」キッチンのシンクや収納は、シンプルな木調のものを夫が選択。パントリーには、ひき肉機、パスタマシーン、原木生ハムホルダーなど、夫の愛用品がずらりと並ぶ。
「パントリーをじっと眺めているだけで満足ですね。週末は、午後4時くらいからキッチンにこもって2~3時間かけて料理を作ります。料理って絵を描いたりするのと似ている。創作なんですね」(夫)
![洗面所のドア。「透明なガラスを使いたかったのですが、透けてしまうので型板ガラスにし、アイアンをアクセントにしました」](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_015-340x510.jpg)
![トイレにも植物柄の壁紙を採用。天井までつながっているところがすごい。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_013-340x510.jpg)
![アシスタントの宿泊部屋。階段上も2~3人泊まれるスペース。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_016-340x510.jpg)
![大きめのシンクを探し、イタリアから輸入。タイルの1枚1枚にも、風合いが感じられる。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_017-340x510.jpg)
![ミニキッチンの脇には、村田さんの大切な人形コレクションが。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_019-340x510.jpg)
![玄関のシューズボックス。天井までつながり、収納力たっぷり。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_020-340x510.jpg)
人をもてなすことも、生活の悦び
バルコニーではスモーカーでハムやベーコン作り。自家製のハーブなども活かし、訪れる人をもてなすことも楽しみのひとつだ。
「お酒を飲んでもらって、ご飯を食べてもらうのが大好きなんです。2カ月に一度はパーティーをやりますね」
この日も、前日から仕込んでいたソースを使ったラザニアやサラダ、友人が獲った野生のイノシシ肉を使ったリエットなどを出してくれた。それをおすすめのシャンパンとともに味わう午後のひととき。バルコニーからは心地よい風が吹いてくる。
「薪ストーブにしてもそうですが、都心にいたのでは叶えられなかったことが実現できました。今の暮らしに本当に満足しています」
![夫のマイルーム。長時間過ごせるよう、テレビも設置。右側にパントリーがある。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_021-340x510.jpg)
![キッチンとダイニングをつなぐ小窓。その手前には、カトラリーやクロスを入れるキャビネットを置き、サーブしやすさに配慮。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_022-340x226.jpg)
![「世界に通用するマナーを教えてさしあげます!」(PHP研究所)を出版した村田さん。テーブルセッティングも本格的。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_024-340x226.jpg)
![フランスを訪れる度、食材を購入。ノルマンディーの海藻入りのソルトなどを愛用。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_025-340x226.jpg)
![村田邸](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_0271-340x255.jpg)
![素材を大切にした、見た目も美しい料理。普段からこのような食事をとっているのだとか。](https://img.100life.jp/2013/06/130610_murata_023-340x226.jpg)
村田邸 設計 プランボックス
所在地 埼玉県飯能市
構造 木造
規模 2階建て
敷地面積 241m2